花のお題：漢字名の花 16：時計草

時計草（トケイソウ）
花言葉：受難、宗教的情熱、など

奇抜、っていうか、何やってるんだよお前、みたいな話になってしまった。どっちかというと、上の花ことばの受難の方が無い様には近いのだろうか。
今回は三国伝で、曹操様と郭嘉。会話文オンリー。

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16：時計草　（トケイソウ/奇抜）



「曹操様グッズなんてあったら良いと思いません？」
「……何？」
「ぬいぐるみとかフィギュアとか。キーホルダーも良いですよね。あ、でもやっぱり、実用性のある物の方が良いんでしょうかね……うーん、曹操様カラーの筆でも作ってみましょうか。勿体なくて使えない、っていう人もいらっしゃいそうですけど、そんな思いを抱くのもまた醍醐味ですよね」
「待て。話を一人で進めるな」
「え、曹操様にも良いアイディアあるんですか？」
「だから話をそちらに進めるなと言っている。一体何がどうなってそんな発想に至った」
「いえ、曹操様のファンブックが明日にでも売り切れそうなんで、代わりになるような新しい商品がいるかなと昨晩から考えてまして」
「……郭嘉」
「何ですか？」
「ファンブック、と言ったか？」
「言いましたけど」
「いつの間にそんなものを出した？」
「えっと、六日前ですかね」
「本にされている当人への、発売前の事前連絡はどうした」
「やだなぁ、そんなことしたら発売止められちゃうじゃないですか。やっぱり、楽しみにしてくださってる人たちをガッカリさせたくないじゃないですし？」
「では聞くが、本音は何だ？」
「売れると分かっている物を売らないなんて勿体ないですよね」
「……」
「あれ、何でそんな呆れた表情浮かべてるんですか曹操様！？」
「呆れているからに決まっているだろう。……それで、発行物の回収は可能か？」
「え、回収しないといけません？」
「ほう、そう答えるか。ならば回収する必要が無いと考える理由を述べろ」
「お金を返したくないです」
「そうか。ならばホウ統を呼べ。事情を伝えて奴に回収作業を任す」
「ちょ、ちょっと待って下さい！　ホウ統さんに任せたら回収作業がはかどっちゃうじゃないですか！　あの人結構真面目なんですよ！？」
「だからこその人選だが？」
「曹操様の意地悪！」

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「……でも回収作業、やるとしても捗りますかねぇ？　一人で五冊買っていくような猛者がいるらしいですし、全て回収するのは相当難しいと思いますよ」
「五冊？　誰かの遣いではないのか？」
「僕も最初聞いた時はそう思ったんですけど、買った人曰く『読む用』『保管用』『布教用』『飾って拝む用』『盗まれないように隠して保管しておく用』であるそうで。しかも、こんな人が他にも何人もいるらしいんですけど」
「……何故そうなった？」




曹操様ファンブック、あるならば是非とも読んでみたいです。