式ワタリによる、好きな物を愛でるブログサイト。完全復活目指して頑張ります。
×
[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
彼岸花(ヒガンバナ)
花言葉:再会、独立、など
彼岸の季節は遠く過ぎてしまいましたが。
今回は三国伝で、貂蝉さんです。
花言葉:再会、独立、など
彼岸の季節は遠く過ぎてしまいましたが。
今回は三国伝で、貂蝉さんです。
18:彼岸花 (ヒガンバナ/蘇る思い出)
それが貂蝉の目に留まったのは、偶然だった。
女性の身に付ける装飾を取り扱う店の、通りから覗き見ることができる場所。そこに置かれていた華美な装飾は施されていないものの素朴な姿が可愛らしいその髪飾りは、何年か前に好ましく思い購入して、なのに直ぐに無くしてしまったものと瓜二つだった。
思わず立ち止まり、近寄って手に取ってみる。
流石に無くした髪飾りの手触りや重さを覚えてはいないが、何となく感じる懐かしさが、きっとこれと似た感触だったのだろうと思わせた。
ふ、と笑みを浮かべ、髪飾りを軽く撫でる。
別に、これを買って帰ったとしても、特に問題は無いはずだ。けれども、持ち帰ったところで使う場面があるとは思えないのが引っかかる。使わずずっとしまっておく事になるぐらいなら、自分では買わず、髪飾りを使ってくれる別の誰かが出てくるように祈る方がまだ良いのではないだろうか。
以前、これと似た髪飾りを買った時は……確か、戦場に立つとき以外に付ければ良いか、と思ったのだ。そうして持ち帰った髪飾りに、意外な事にあの呂布が興味を示した。
それは恐らく、自分がそういったものを買って帰るのは、あの頃には既に珍しい事となっていたからだろう。だから気を引かれ、一目見て、何となく感想を言った。
もしも彼のあの言葉が無ければ、あの髪飾りは今でも自分が持っていたのかもしれない。
そう考えながら、今、手に持っている方の髪飾りを元の場所に戻す。
あの日、買って帰った髪飾りを見た呂布が言った言葉。それを思い出してしまうと、どうにもこういった物を使おうと言う気になれない。
「……確かに武器になりそうではあるけどな」
ぽつりと呟いて、それから小さく息を吐く。
それは思っていても口に出す事ではないだろうと、今も昔も変わらぬ感想を抱きながら。
呂布の物を見る時の基準は、まず第一に武器になるかどうかなのではなかろうか。
と、考えても特に違和感が無いのが呂布の凄いところ。
PR
この記事にコメントする