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特に、ちっさな二人にごめんなさい。
チビスターズ第一話 ⑧
数時間後、戻ってきた二人は劇的に変化していた。
「可愛いでしょ~?」
「いやまぁ、それは認めるけどな」
ロックオンはなんと言ったらいいのか、と頬をポリポリとかいた。
二人はやはり、フェルトの服を着せられてしまっていたのだ。
しかも、そのフェルトの服というのが以前クリスティナが選んだもので、それはもう語り尽くせないほど可愛らしいデザインで、さらにはそれが二人に似合っているというのだから何も言えない。
若干大きめだから袖を折ったりと、工夫は必要だったようだが、見る限りでは以前よりはかなりましな姿になっていると思う。
「それはともかくとして、ミススメラギ。二人の頭についているものは?」
「だって、これが可愛かったんだもの」
「スメラギさん……僕らをなんだと思って……」
ため息を着くアレルヤの頭には、愛らしいリボンの姿が。
横でコクコクと頷く刹那の頭にはカチューシャが。
……本当に、ミススメラギは二人をなんだと思ってるんだろうな。
実はもう一ヶ所、つっこみたいところがあるのだが、それは黙っておこう。言ってしまったら二人が可哀想な気がする。
「リボン、ほどいてやろうか?」
「止めておけ。あとで何か言われるぞ」
どうやらハレルヤもティエリアも同意見のようで、頭についている物については話すものの、『それ』については触れない。
だがまぁ、そこに目が行ってしまうのは仕方がないとしか。
「クリスティナとフェルトはもう、二人の姿を見たのか?」
「えぇ、見せたわ。だからこそのリボンとカチューシャよ」
「二人とも……どうしてかはしゃいでました。フェルトは静かでわかりにくかったけれど、間違いなく」
「そうか……」
女の子なのだからしょうがないだろう、それは。
同情しつつ、そうかフェルトも……と、父親みたいなことを考える。
「で、もう折角だからお昼を待たずに皆に見せようって話になって」
「もう……諦めた」
「だよね……」
小さな二人ははぁ、とため息を吐いた。
……気持ちはよく分かる。
と、ふいに、ハレルヤがピクリと何かに反応した。
「どうかしたのか?」
「何でもねぇよ、茶髪」
つまらなさそうに顔をそむける彼。
丁度その瞬間、食堂にリヒティとラッセ、それにイアンまで現れた。女子二人組はいない。後でまた、合流でもするのだろう。
ハレルヤはこれに反応したのか、と納得する。よく気づけるものだ。
「おいおいおい……ほんとうに小さくなっちまったのか」
「孫みたいだなぁ……」
二人を見てのラッセとイアンの反応。
この二人も、やっぱりあのことには触れない。分かっているらしい。
だが、
「でもどうして二人ともスカート?」
……リヒティ、お前はどうしてそういうことを言うんだ!
「……言っちまったな……」
「あぁ。俺たちが言わないように気をつけていたNGワードを……」
「そりゃ、いっちゃぁいかんだろ」
「だよなぁ……」
「え?俺、なんかいけないことしたんスか!?」
リヒティはこういうキャラだと思う……よ?