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過去刹那。洗脳されてたっていうけど、っていう話です。
16.イエローカード
その声に耳を傾けてはならない。
心はハッキリとそう告げた。頭もそれを肯定した。
けれど意識がそれを拒む。
無視をするにはその声は心地がよい。
無視をするにはその声は抗いがたい。
その声は、人の思いを捉えるのに長けていると分かる喋り方をするのだから。
その声は告げる。
自分たちは神の使徒。
神の使徒は神のために生き、死ぬ。
神は聖戦を望まれている。
神のために、戦え。
安心すると良い、死ねば神の御許に行けるのだ。
それは、名誉だ。
それが有り得るとは思えなかった。
死ねば終わり。それは幼い自分にも分かること。
けれども、それさえも無視するように声は滑り込む。
まるでその声が本当で、真実であるかのように。
少しずつ、じわじわと。
浸食。
警報は鳴り続ける。しかし、あらがうことは出来ない。
自然にゆっくりと、価値観が塗り替えられるかのような感覚。
押しのけることは出来ない存在感。
あぁ、もう捉えられた。
出口は果たしてどこなのか。
最初は、危機感があったのかもしれないと思って。
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