忍者ブログ
式ワタリによる、好きな物を愛でるブログサイト。完全復活目指して頑張ります。
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。


久しいような……お題が。
気のせいだとは思うんだけど。
何でだろう…?




05.秘密



 それは、偶然の出来事だった。
 まだ食事には早い時刻、何となく食堂の方へ行って。
「味、どうですか?」
「凄い美味いんだけど……」
 クッキーを作っていた、アレルヤとフェルトに会った。
 どうやらフェルトは、アレルヤに作り方を習っていたらしく、それを知ったとき、ロックオンは驚くと同時に、納得もしていた。
 アレルヤとは、何度かミッションで一緒になっている。そういうわけだから、同じ待機場所で何度か食事を共にしたこともある。
 大体は交代制で、だから今まで、ロックオンは数回ほどアレルヤの手料理を口にしているわけだ。だから、彼がそういうことが得意なのは知っている。ちなみに言わせてもらうと、刹那とティエリアは、決して料理を作ろうとはしない。というか、刹那の方はこっちが止めろと言っている。どうやったら、作る物を全て黒炭にできるのだろうか……あれは一種の才能だろう。
「これ、どうすんだ?」
「みんなに配ろうと思ってるの」
「ラッピングもできてますよ。これ、ロックオンのです」
「お、さんきゅ」
 デュナメスと同じ色の小さな袋を受け取ながら、頬が緩むのを止められなかった。
 嬉しいものだ。こういう物を、イベントでもなく普通の時に受け取れるのは。
「じゃあ、フェルト、みんなに配ってきてくれる?」
「分かった。ロックオン、アレルヤ…また後で」
 ラッピング済みの袋を全て抱え、フェルトは小走りでキッチンから出て行った。
 袋の中に青と紫があったのは、見間違えではないだろう。
「マイスターの分は、何か違うのか?」
「そうなんです。フェルトが、いつも大変だから、その分ちょっと大目にいれておこうって。サービスだそうですよ」
 実にフェルトらしい心遣いだった。
「そういえば、どうしてアレルヤは行かなかったんだよ」
「あ…僕、もう一つ作ってる物ありますから」
「もう一つ?」
「はい」
 アレルヤが頷くのと、電子レンジが音を立てたのは同時だった。
 何だ?と思いながら見ていると、そこから現れたのは五つのシンプルなマフィン。
「どうしたんだよ、これ」
「ハレルヤが作れって言うんです。全部自分で食べるからって」
「……なるほどな」
 酷く納得した。
 確かに、ハレルヤならそのくらい言う。アレルヤも、彼の言うことならば苦笑しながらでも、楽しそうに作ってやるに違いない。
 仲がよいのは良いことだけれども、何となく妬けてしまう。
 まぁ、だからといってそれを上には出さないし、言いもしないけれど。
「そうだ……ロックオンも、一ついりますか?」
 だが、アレルヤがこう言ってくれるというのなら、話は別だ。
「いいのか?」
「大丈夫ですよ。一つくらい減っても、怒らないと思うし」
 ハレルヤだって、まさか、そこまで子供じゃないですよ。
 そう笑うアレルヤの手から、いや…多分怒るんじゃないか……?と思いながらも、マフィンを受け取る。こういう時は、何も言わないのが一番だ。
「んじゃ、ありがたく頂戴するぜ」
「はい。あ、でも、他の皆には内緒ですよ?」
「分かってるって」
 言われなくても、そうするつもりだった。バレたら、刹那とティエリアからの報復が来そうで怖いから。
 どこかから情報が漏れるかもしれないが、その時はその時。
 今は、この幸福な時間を味わっていよう。


 ……ちなみにこの十秒後、刹那とティエリアが殴り込んできたという。


あの二人なら、たとえ何かをしていてもすぐに来れると思う。
PR
この記事にコメントする
お名前
タイトル
文字色
メールアドレス
URL
コメント
パスワード   Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
カレンダー
03 2025/04 05
S M T W T F S
1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30
カウンター
プロフィール
HN:
式ワタリ
HP:
性別:
女性
自己紹介:
ガンダム大好き生物。キャラも好きですが、機体も大好きです。実は(?)、今は軽く三国伝にすっ転んでます。
最新CM
[09/28 ナワ]
[06/15 オシロマミ]
[11/02 banana]
[11/02 式ワタリ]
[11/01 犬っぽい]
最新TB
バーコード
ブログ内検索
フリーエリア
忍者ブログ [PR]