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あと三十分くらいで日付が変わる……。
ギリギリセーフ?
チビスターズ第一話 ⑬
「ハレルヤとティエリアが一緒に行ってしまったけれど……ハレルヤ、ティエリアに突っかかってないよね…ティエリアもハレルヤに変なこと言ってないよね……何だかとても心配だよ……」
「アレルヤ、その意見には俺も賛成する」
まったくもってアレルヤの言うとおりだ。
二人が出て行った後、それにつられるように男性クルー(リヒテンダール、ラッセ、イアン)は出て行った。女性クルーは残ったまま。残ったまま、刹那たちをオモチャにしようともくろんでいる。あの、大人しいフェルトでさえ。
それが阻まれているのは唯一残ったロックオンが、壁となってくれているから。
今回は素直に感謝しよう。ありがとう。口には絶対出さないが。
もしも今、ロックオンまでいなくなったら……また、着せ替え人形にされたときのようなことになるのは間違いない。
つまり、危機に陥っているのだ。刹那とアレルヤは。
「ハレルヤはティエリアが気に入らないみたいだし、ティエリアもハレルヤと友好的な態度で会っていたことは無かった気がするし……あぁ、本当に心配だよ。何もしでかしていないよね?……どうしたらいいのかな、ハロ」
「ダイジョウブ、ダイジョウブ!」
だというのに、アレルヤは最初に出て行った二人の心配ばかり。自分の置かれている状況に目がいっていない。
いつもなら『ハレルヤ』という言葉(というか名前か)が入る場所には、今回は彼が膝に乗せているオレンジボール……もとい、ハロの名前が入り込んでいる。ハレルヤがいないから、『ハレルヤ』と呼ぶわけにはいかないのだろうか。
それにしてもハロ、どうしてお前はそんなに羨ましい所にいるんだ。
アレルヤの膝。ハロを乗せるくらいなら、刹那の頭を乗せてくれてもいいのに。他の人はダメだ。みんな大きすぎるから、アレルヤの膝とサイズが合わない。だから、できるとしたらそれは刹那の特権……かもしれない。何人か、そんなの無視してやってきそうなのがいるから、断定ができないのが悲しい。
とまぁ、そういうわけで刹那は少しハロに殺意を抱いていたりする。
というか……ハロ、大丈夫と安請け合いしていいのか?
あの二人が仲良くしている場面など、アレルヤじゃないが刹那だって見たことはない。というか、一緒にいる場面を見たことが少ない。
そんな二人が一緒にいる。それだけでアレルヤは不安なのだろう。
「アレルヤ」
「何、刹那?」
「大丈夫かどうかは分からないが、二人とも良識はある……はずだ」
「うん。そのはず……………だよね」
『はず』の前後に少し、間ができてしまうのは仕方ないということで。
「だから、俺たちが心配しなくてもいい」
「そう、だね……そうだよね……………ハレルヤに良識があるかは不安だけど」
それは俺も同じだ、アレルヤ。
だが、信じるしかないんだ。
「……ありがとう、刹那。少しホッとしたよ」
そう言って、アレルヤは手を刹那の方に伸ばした。
黙って見ていると、彼はその手で刹那の頭をなで始めた。
これはどうやら、感謝の意を示しているらしい。
こそばゆく思ったけれど心地よい気分になったので、されるがままになっておいた。
「あ、刹那が頭なでてもらってる……」
「アレルヤーっ!私も私も!」
「いや、俺たちはむしろなでる側だと思うんだが……」
「ロックオン、それはそうだけど……今の二人にいっても無駄だと思うわ」
「だよなぁ……」
無駄に格好いい刹那のセリフたち……。
そして、アレルヤが凄い心配性……。