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 刹那はきちんと状況や、伝える者の性格も考えて、その情報を口にしたのだろう。だからこそ、今話した。

 ただ、誤算が一つ。

 それは自分が既に起きていたこと。

 昔から人を騙すのは得意だった。近くにティエリアという、とても騙しにくい人物がいたことで、より腕が磨かれたこともある。最近では、屋敷の主でさえ欺くことができるようになった。成長だ。
 ……アレルヤあたりに聞かれたら「嫌な成長だよ……」なんて言われそうな気がする。

 とまぁ、それは置いておくとして。
 そんな技能を持っていたからこそ、三人に気づかれずに、その「噂」を耳にすることができた。

 だが、一体どうすればよいだろう。

 相手が『狩人』ならば気にすることはない。すぐにでも殺しに行けばいいだけの話……なのだが、そんなことをしたら、アレルヤが泣く。他人にも優しいのは彼の美点ではあるが、いくらなんでも敵にまでそういう心を向けてしまうのは、ちょっと。

 敵……そう。『狩人』は自分たち、人ならざるヒトにとって、天敵以外の何者でもない。
 彼らは、自分たちを狩る存在なのだから。

 今後のことについて話し合っている三人に気づかれないように、こっそりと起き上がって食堂から出る。アレルヤたちが議論に集中していたこと、自分が比較的ドアの近くに倒れていたことが助けになった。

 とりあえず、どんな人間かを見てくることにしよう。場合によっては、アレルヤが悲しむことになろうと、殺す。

 決めて、しかしハレルヤは立ち止まった。

 彼は数日前から、この町へ近づいてくる存在がいると、察して感じ取っていた。おそらく、それが例の『狩人』だと今なら推察が可能だ。

 可能だが……気配は、三つあった。

 一体、どれが話にあった『狩人』だろうか。どれ、ではなくて、あるいは全部とも『狩人』なのだろうか。

 しばらく考え、ハレルヤは再び走り出した。
 分からないことに頭を働かしても意味はない。時間の無駄だ。

 三つあるのなら、一つずつ見ていけばいいだけの話。
 まずは、一番近くにいるのから。

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