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 互いに固まってしまった居候と客を見て、とりあえず二人が顔見知りだというのは分かったが……状況において行かれた感があり、少し不愉快な気分になる。

 だからとりあえず、ハレルヤの後頭部を殴っておいた。
 もちろん、パーでなくグーで。

 客の方が唖然とした顔でこちらを見ていたが、気にしない。そんなことよりも、今はこの、自分のイライラを納めるのが一番だ。

「……っ!?テメェ。人の頭を何だと……っ」
「居候の身で何を言っている?」
「居候とか養ってるヤツとか、もうそんなの関係ねぇレベルだろ!?」
「文句があるなら出て行くといい。あぁ、もちろんアレルヤは置いていけ」
「ざけんな!誰がそんなことするかッ!」

 いつものやり取り。
 ……なのだが、客は未だに驚きの表情を浮かべたままだ。

「……なぁ、アンタは人間……だよな?」
「見たら分かるだろう」
「いや、分からないから言って……いや、いい。ていうか、ソイツが『異端』ってことは?」
「知っているに決まっている」

 そんなことも知らない相手を家に住まわせるほど、自分は警戒心を持っていないわけではない。それ以前に、彼らとは子供の頃からの付き合いだ。知らないわけがなかった。

「なのに殴れるのか……?」
「あぁ…『異端』は人間より強かったな。そういえば」

 つまり、この男はそういった人とヒトとの能力差を考えているらしい。一応『弱い』側である『人間』が、どうして素手で『異端』を平気で殴るのか。それが分からないようだ。

 それはある意味で常識ではあるが……。

「……くだらないな。どんなに強かろうと、根っこさえ押さえれば問題ない」
「んなことしなくても、テメェは十分驚異だってーの…」
「フン、人間の俺が怖いのか?…それより、お前は彼と知り合いのようだが」
「あー、コイツ『狩人』。都からのとは別口の。さっき会ってきた」

 言いながら、どうする?と目で訊いてくる彼に、少し待てと伝える。

 泊めてしまえば、アレルヤにも危険が及ぶかもしれない……というか、どうしてハレルヤは狩られていないのだろうか。タイミングを外したとか、そういう話、なのかもしれない。いっそのこと、狩ってくれれば良かったのに。

 ……話を戻そう。

 だからといって、泊めなければ後味が悪くなる。ここで断れば、彼は野外で野宿か……あるいは、町の親切な人に泊めてもらうか。だが、後者はなかなか難しいだろう。この町の特色と、彼の生業からして。

 さて、どうするべきだろうか?

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