[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
24
ハレルヤによると、アレルヤは一人きりになるのを恐れるのだそうだ。普段はそれほどでもないが、何かキッカケがあると誰かが傍にいないと落ち着かなくなる。
「今回もそうだったんじゃねぇの?」
「しかし……キッカケとは?」
ベッドにゆっくりとアレルヤをおろすハレルヤに、説は静かに問いを発した。
そのキッカケとやらを潰さなければ、大好きな彼はこのままということになる。それは、とても嫌だ。恐怖なんてものは味あわない方がいい。
憂いは、取り払うべきだ。
「んなこと言ってもな……キッカケは色々。どうしようもねぇよ」
「……どうしようもない?それほどたくさんあるのか?」
「そ。どうにかできるなら今頃、俺が潰してる」
それもそうだった。
納得して、しかしもう一つの疑問が浮かんでくる。
「では、何故あの『狩人』を殺さない?三兄弟の旅人も。あいつらは危険な存在なのではないか?」
「お前……結構言うことが過激だな……いやまぁ、その通りなんだが。茶髪の方はタイミングがな……」
「タイミング?」
首をかしげる。何だそれは。
しかし声を出して訊くのも何なので、続きを黙って促した。
それを受けて、布団を掛けていたハレルヤは呆れにも似た表情を浮かべる。
「偉そうだな……オイ」
「そうか?気分を害したのなら謝るが」
「別にいい。謝る暇があったら直せ……つっても、テメェといい眼鏡といい、言っても直んねぇだろうしな、絶対」
なかなか失礼なことを言ってくれる。ティエリアと同じだなんて、死んでもゴメンだというのに。そのくらい知ってるだろうが。
「……で、どうしてだ?」
「一回会って、事情があって見逃した。俺が一方的にいなくなったんだよ。なのに今更っつーのも何ともな……茶髪も同じだろうよ。タイミングは大切ってワケだ」
「では、あの三兄弟は?」
「あ?んなもん決まってんだろ?」
ハレルヤは笑った。
「超がつくほど特大の釘が、ワガママ女に刺さってるからな。アイツが兄とか止めるだろ。だから、俺は何もすることねぇんだよ」