忍者ブログ
式ワタリによる、好きな物を愛でるブログサイト。完全復活目指して頑張ります。
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

26


26


 ……舌打ちをした気分だ。
 理由は言うまでもなく、目の前にいる女だろう。

 扉の前に座っている少女の、自分と同じ色の瞳がじいっとこちらを見てくるのは、実に不愉快だ。どうしてこんな女とおそろいの目なのだろうか。神がいるとしたら、思い切り殴ってやりたい。

「オイ……そこのけ」
「嫌です。王からお願いされましたから」

 表情を変えることなく見返してくる彼女に、さらに苛立ちを募らせる。
 やはり、こいつは嫌いだ。

 今いるのはアレルヤの部屋。ついついハレルヤが眠り、起きたらソーマがいた。しかし部屋の主である片割れの姿は無かった。つまりはそういうことである。
 ちなみに刹那もいる。ただし、彼は熟睡中だ。しばらく起きないだろう。

「王は、あの『狩人』に会わなければ、と言っていました」
「……アレルヤがか?」
「はい。彼が、です」

 聞いて、ため息を吐く。
 どうしてアレルヤなのだろう。別に自分でもソーマでもいいだろうに。絶対に人選を間違えている……いや、人ではないから『異端』選か?……言いにくいから人選でいい。

「会って、アイツがどんなのかを見るワケか?」
「その通り。王からのお願いで、私は貴方をここから出せません。邪魔するでしょうから」

 ソーマもまた『異端』だ。たまにこの館に……否、アレルヤの所に遊びに来る。王という存在に呼ばれたり言われたりすれば、遊びでなくてもやって来る。そして、今回のは後者だったのだろう。時間や言動からして。

「お願いねぇ……王の言うことは絶対ってか?」

 でないと、いくら『魔族』……彼らの王である『魔王』に忠実な種族であったとしても、こんな夜中に現れはしないだろう。彼らだって眠りはするのだから。
 そう思っていったのだが、ソーマは呆れの表情を浮かべた。

「バカですか?耳はついていますか?誰が命令と言いました?私たちでも拒否は一応できるのです。王が本気でなければ。ですけれど、彼は『お願い』をしたのです。『命令』をできる立場でありながら、です。だからこそ私は自ら従っています」

 まぁ、命令でも進んで従いますけれど。あの人の言うことなら。
 そう言って笑うソーマを、ハレルヤは複雑な思いで見た。

 あの王にそこまでの信頼を置いてくれるのは嬉しいが、それでも彼女のことは嫌いなのだ。素直に、感謝すべきかどうか。

PR
この記事にコメントする
お名前
タイトル
文字色
メールアドレス
URL
コメント
パスワード   Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
この記事へのトラックバック
この記事にトラックバックする:
カレンダー
03 2025/04 05
S M T W T F S
1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30
カウンター
プロフィール
HN:
式ワタリ
HP:
性別:
女性
自己紹介:
ガンダム大好き生物。キャラも好きですが、機体も大好きです。実は(?)、今は軽く三国伝にすっ転んでます。
最新CM
[09/28 ナワ]
[06/15 オシロマミ]
[11/02 banana]
[11/02 式ワタリ]
[11/01 犬っぽい]
最新TB
バーコード
ブログ内検索
フリーエリア
忍者ブログ [PR]