式ワタリによる、好きな物を愛でるブログサイト。完全復活目指して頑張ります。
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こちらは普通に高校生の状態です。
登場……アレルヤ、ティエリア、ヴェーダ
登場……アレルヤ、ティエリア、ヴェーダ
「……あのときは、まさかあなたが学園のオーナーだとは思いませんでした」
「それは当然よ。だって、私は滅多に表には出てこないもの」
あのオープンスクールの日からはや一年ちょっと。
今ではアレルヤは途美学園の生徒会書記。学校生活も上手くやっている。
ため息をついて、紅茶の入っていたカップを取った。
「それはいんですけどね……まさか『招待状』が僕らの所に来て、しかもその『招待』が拒否権がないものだとは思いませんでしたよ」
「というか『招待状』の存在自体知らなかったでしょ?」
「まぁ、そうですけど……」
ここでの『招待』というのは『途美学園に入学させる』ことであり、『招待状』というのは『途美学園に入学するように記した手紙』のことである。
一部ではかなりの噂になっていたらしいが、普通の生徒だったアレルヤは知らなかった。ちなみに言うとハレルヤは知っていた。
この『招待』が知られていないのはひとえにこの、目の前で座って微笑みながら紅茶をのんびりと飲んでいる学園オーナーのせいだろう。何故学園にオーナーがいるのかというと、それは途美学園が私立校であるからに他ならない。建設者は別にいるのだが。
それはさておき、ヴェーダは素晴らしい腕を持つプログラマーだそうで、情報操作はお手の物。さらには様々なコネを持っており、それを誰よりも何よりも上手く使いこなすのだ。
だからこそ、この『招待』のことを隠し通すことができたのだ。ある時はハッキングをして、またあるときはコネを使って知っている人に口止めを。
どうしてそこまでするのかと以前訊いたところ、「だって、そっちのほうが楽しいでしょう?」などという答えが返ってきたことは忘れられない。
「今の学校生活はおもしろいんでしょ?なら、それでいいと思うんだけど」
「結果論ですね……」
「ほら、あるじゃない。終わりよければ全てよしって」
「ありますけど……」
「ならいいじゃないの」
良くないと思います。
そう言いたかったが、ぐっとこらえる。口では絶対に勝てない。あのティエリアでさえ勝てないのだから、アレルヤではもっと無理だ。
「というか、僕、授業でたいですけど……」
「ダメ。私が暇なんだもの」
「僕は暇じゃないですよ…」
再度、ため息。
それと同時にベルが鳴った。四時間目の終わりを告げるベルが。
「あー……午前中のは全部出れませんでしたね……」
「単位なら大丈夫よ、私がデータを書き換えておくから。もちろん修正不可にして」
「それは犯罪ではないんでしょうか……」
「いいのよべつに。この学園では私が法律だもの」
「ヴェーダ……」
だめだ。本当に勝てない。
いい加減クラスに戻りたいのは本当なのだが。
そろそろハレルヤが爆発するだろうな……。
そう思い、早く止めに行きたいと考えるのだが…。
………無理だよね。
幸せそうにクッキーをかじっている最強の女性……いや、生物と言った方がいいかもしれない。女性の中でというもよりも、人間の中でというよりも、ありとあらゆる生物の中で頂点に立っているような気がする。
そんな彼女の制止を振り切っていくなどほぼ不可能だ。
ハレルヤがここに殴り込みをかけに来るのも時間の問題かな。
そう思った瞬間、オーナー専用室の扉が開いた。ゆっくりと。
これはハレルヤじゃないね…。
思いながら振り向くと、そこには生徒会長の姿があった。
「ヴェーダ……いくらアレルヤを気に入っているとはいえ、学生は勉強が仕事でしょう。邪魔をしてはいけないと思いますが」
「あらあら、お堅いこと」
「悪役のセリフですよ、それ……」
「そうかしら?」
「……とにかく!」
つかつかと歩み寄ってきたティエリアは、ヴェーダを睨んだ。
「オーナーならもっと、自覚を持ってください」
「あるわよ、自覚」
「不十分だと言いたいんです」
「あら、これ以上自覚を持ったら私、もっといろいろしでかすけれど?」
ぐっと言葉に詰まるティエリア。
そうだ。彼女の数々の気まぐれは『オーナー』という立場によるものが多いのだ。
これ以上オーナーだという自覚を与えてしまうと、さらに恐ろしいことになるかもしれない。というか、間違いなくなってしまうのだろう。
やはりヴェーダには、まだティエリアも勝てないらしい。
「でもま、四時間近く付き合ってもらったし……また続きは次の機会ね」
「次があるんですか……?」
「当然でしょ?あなた、私が今まで見てきた生徒の誰よりも可愛いもの」
「……可愛い?」
「行動とか仕草とか言葉遣いとか存在そのものとか……ね、ティエリア」
「俺に訊かないでください」
ふい、とティエリアは顔をそらした。
くすくすと笑って、ヴェーダは立ち上がった。
「じゃあ、私は裏家業でもしてくるわ」
「裏家業って何です?」
「あくどい会社に武力介入よ」
「……え?」
「またね、ティエリアにアレルヤ。今度は三人でお茶会をしましょ」
そして、ヴェーダは部屋から出て行った。
残ったのはアレルヤとティエリアのみ。
「えっと……ティエリア、ありがとうございます」
「敬語でなくてもいい」
「でも……ティエリアは先輩ですよ?」
「呼び捨て時点ですでに、そこにこだわる必要はないだろう」
「だけど」
「……まぁいい。そのうちなおしてもらう。それより早く戻った方がいいと思うぞ」
言われて気づく。
そうだ、ハレルヤのことがまだだった。
「ティエリア、本当にありがとうございました!」
慌てて立ち上がったアレルヤはまだ背中を向けているティエリアに再び礼を言い、部屋から急いで駆け出て行った。
最後まで残ったティエリアは、ポツンと呟いた。
「ヴェーダ、俺に何と答えろと……?」
ヴェーダは最強なのですよ。このサイトでは。
ティエリアでさえ勝てない…それだけで十分だよね。
「それは当然よ。だって、私は滅多に表には出てこないもの」
あのオープンスクールの日からはや一年ちょっと。
今ではアレルヤは途美学園の生徒会書記。学校生活も上手くやっている。
ため息をついて、紅茶の入っていたカップを取った。
「それはいんですけどね……まさか『招待状』が僕らの所に来て、しかもその『招待』が拒否権がないものだとは思いませんでしたよ」
「というか『招待状』の存在自体知らなかったでしょ?」
「まぁ、そうですけど……」
ここでの『招待』というのは『途美学園に入学させる』ことであり、『招待状』というのは『途美学園に入学するように記した手紙』のことである。
一部ではかなりの噂になっていたらしいが、普通の生徒だったアレルヤは知らなかった。ちなみに言うとハレルヤは知っていた。
この『招待』が知られていないのはひとえにこの、目の前で座って微笑みながら紅茶をのんびりと飲んでいる学園オーナーのせいだろう。何故学園にオーナーがいるのかというと、それは途美学園が私立校であるからに他ならない。建設者は別にいるのだが。
それはさておき、ヴェーダは素晴らしい腕を持つプログラマーだそうで、情報操作はお手の物。さらには様々なコネを持っており、それを誰よりも何よりも上手く使いこなすのだ。
だからこそ、この『招待』のことを隠し通すことができたのだ。ある時はハッキングをして、またあるときはコネを使って知っている人に口止めを。
どうしてそこまでするのかと以前訊いたところ、「だって、そっちのほうが楽しいでしょう?」などという答えが返ってきたことは忘れられない。
「今の学校生活はおもしろいんでしょ?なら、それでいいと思うんだけど」
「結果論ですね……」
「ほら、あるじゃない。終わりよければ全てよしって」
「ありますけど……」
「ならいいじゃないの」
良くないと思います。
そう言いたかったが、ぐっとこらえる。口では絶対に勝てない。あのティエリアでさえ勝てないのだから、アレルヤではもっと無理だ。
「というか、僕、授業でたいですけど……」
「ダメ。私が暇なんだもの」
「僕は暇じゃないですよ…」
再度、ため息。
それと同時にベルが鳴った。四時間目の終わりを告げるベルが。
「あー……午前中のは全部出れませんでしたね……」
「単位なら大丈夫よ、私がデータを書き換えておくから。もちろん修正不可にして」
「それは犯罪ではないんでしょうか……」
「いいのよべつに。この学園では私が法律だもの」
「ヴェーダ……」
だめだ。本当に勝てない。
いい加減クラスに戻りたいのは本当なのだが。
そろそろハレルヤが爆発するだろうな……。
そう思い、早く止めに行きたいと考えるのだが…。
………無理だよね。
幸せそうにクッキーをかじっている最強の女性……いや、生物と言った方がいいかもしれない。女性の中でというもよりも、人間の中でというよりも、ありとあらゆる生物の中で頂点に立っているような気がする。
そんな彼女の制止を振り切っていくなどほぼ不可能だ。
ハレルヤがここに殴り込みをかけに来るのも時間の問題かな。
そう思った瞬間、オーナー専用室の扉が開いた。ゆっくりと。
これはハレルヤじゃないね…。
思いながら振り向くと、そこには生徒会長の姿があった。
「ヴェーダ……いくらアレルヤを気に入っているとはいえ、学生は勉強が仕事でしょう。邪魔をしてはいけないと思いますが」
「あらあら、お堅いこと」
「悪役のセリフですよ、それ……」
「そうかしら?」
「……とにかく!」
つかつかと歩み寄ってきたティエリアは、ヴェーダを睨んだ。
「オーナーならもっと、自覚を持ってください」
「あるわよ、自覚」
「不十分だと言いたいんです」
「あら、これ以上自覚を持ったら私、もっといろいろしでかすけれど?」
ぐっと言葉に詰まるティエリア。
そうだ。彼女の数々の気まぐれは『オーナー』という立場によるものが多いのだ。
これ以上オーナーだという自覚を与えてしまうと、さらに恐ろしいことになるかもしれない。というか、間違いなくなってしまうのだろう。
やはりヴェーダには、まだティエリアも勝てないらしい。
「でもま、四時間近く付き合ってもらったし……また続きは次の機会ね」
「次があるんですか……?」
「当然でしょ?あなた、私が今まで見てきた生徒の誰よりも可愛いもの」
「……可愛い?」
「行動とか仕草とか言葉遣いとか存在そのものとか……ね、ティエリア」
「俺に訊かないでください」
ふい、とティエリアは顔をそらした。
くすくすと笑って、ヴェーダは立ち上がった。
「じゃあ、私は裏家業でもしてくるわ」
「裏家業って何です?」
「あくどい会社に武力介入よ」
「……え?」
「またね、ティエリアにアレルヤ。今度は三人でお茶会をしましょ」
そして、ヴェーダは部屋から出て行った。
残ったのはアレルヤとティエリアのみ。
「えっと……ティエリア、ありがとうございます」
「敬語でなくてもいい」
「でも……ティエリアは先輩ですよ?」
「呼び捨て時点ですでに、そこにこだわる必要はないだろう」
「だけど」
「……まぁいい。そのうちなおしてもらう。それより早く戻った方がいいと思うぞ」
言われて気づく。
そうだ、ハレルヤのことがまだだった。
「ティエリア、本当にありがとうございました!」
慌てて立ち上がったアレルヤはまだ背中を向けているティエリアに再び礼を言い、部屋から急いで駆け出て行った。
最後まで残ったティエリアは、ポツンと呟いた。
「ヴェーダ、俺に何と答えろと……?」
ヴェーダは最強なのですよ。このサイトでは。
ティエリアでさえ勝てない…それだけで十分だよね。
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