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「そうだ、ロックオン。良かったらこの後、町を案内しましょうか?」
「……いいのか?」
朝食が終わり、刹那は家に戻った。ティエリアは町長の所へ。三兄弟は割り当てられた部屋に。ソーマは洗濯物を干しに行って、ハレルヤは……なんと、庭をいじりに行った。
全員そろった朝食の席での改めて自己紹介で判明したことで、知ったときには思わず食器を取り落としていた。何というか……そう、意外。
……とまぁ、そういうワケで、残ったロックオンとアレルヤは、共に朝食の後片付けをしているのだった。
「俺は『狩人』だぞ?」
「貴方なら大丈夫ですよ」
くすり、と笑うアレルヤに……少し不安になる。
信頼は嬉しいが、警戒心が無さ過ぎるのではないだろうか?
屋敷の人々も、そう。三兄弟は他人だから良いとして、自分とアレルヤが二人きりになるのを気にかけたのは刹那だけ。ティエリアも、ハレルヤも、ソーマも……誰もが『問題ない』という態度で……まぁ、二人きりにするという、そのことに対する不満は素晴らしいほど溢れていたが。
心配じゃない……ワケではないだろうに、対策一つ無しというのは…。
いや、別に何かするわけではないけれど。
「で、どうします?トリニティさんたちは、置いておいても大丈夫でしょう。ティエリアはしばらく帰って来れないでしょうし、ハレルヤも庭いじりに集中して話し相手にはなりません。ソーマちゃんは一眠りしたいと思うので……」
「……ま、アレルヤがいいなら、俺はいいけど」
「なら、行きましょう」
即答だった。
「返事、速いな……」
「えぇ。貴方に見て欲しいものがありますから」
「見て欲しいもの?」
思わず聞き返した。
何だろうか。ここは観光地というわけでもないし、特に見せるようなものも無いだろうに……。
首をかしげていると、アレルヤが微笑んだ。
「はい。この町の人ビトの姿です」