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02と03は拍手にあるんですよね。
マイスターのお話。どうしてそんなことで争っているのだろうか…。
04.どっちつかず
「ケチャップ以外はいらない」
「何を言っている?それではマスタードの存在する意味がなくなる」
「必要ない。大切なのはケチャップだけだ」
「愚かな……マスタードあってこそだろうに」
「お前の目は節穴か?そんな物があっては美味しさが減る」
「それを上げるためにマスタードは存在している」
「上げるどころか下げているが?」
「一度、君は味覚の精密検査を受けるべきだ。その完全に破壊された味覚を自覚しろ」
「それはこちらのセリフだ。というか……」
「……?」
「マスタードの色合いは気に入らない」
「そこからか……マスタードの存在自体を否定していないか」
「あぁ。始めから否定している」
「どうやら、君とこれ以上会話してもどうしようも無いようだな」
「同感だ。だいたい、俺とお前が分かり合うことなど到底無い」
「……と、そういうわけだ」
「平行線の議論に終止符を打つため、第三者の意見を求める」
「「アレルヤ、お前はどう思う?」」
「えっと……」
突然話を振られた彼は、困ったように頬をかいていた。
無理もないだろう。どちらかを選んでしまったが最後、選ばなかった方から無言か有言か知らないが、とにかく酷い重圧が掛けられる……というか、彼自身がターゲットにされてしまうことだろう。
遠慮したい事態だろうなと苦笑しながら、ロックオンは口を開いた。
「大変そうだが……何の話をしてんだ?」
ケチャップだとかマスタードだとか、味覚だとか……とりあえず、食べ物の話だということは分かるのだが。
「ホットドッグの話だ」
「刹那・F・セイエイがケチャップしか掛けないと言い出したのが始まりだな。しかし、マスタードの存在を必要ないと断言するとは……」
「事実だ。余計な物は無用の物だろう?」
「……というワケなんですよ」
どうしましょう?と首をかしげるアレルヤには悪いが、こちらにも解決法は見あたらない。黙って肩をすくめた。
そもそも。一体どうしてティエリアはマスタードに括るのか、どうして刹那はケチャップだけしか付けようとしないのかなど、自分には全く分からない。どっちでも美味しいことに変わりはないと思うのだが……。
「……仕方がない。アレルヤ・ハプティズム、君に決められないのならば、ロックオン・ストラトス、貴方が決めてください」
「はぁ!?」
「あぁ、それが良いな。アレルヤを困らせるのは嫌だ」
俺なら困っても良いのか!?と心の中でツッコミを入れながら、助けを求めるべく食堂内を見渡す……が。
アレルヤはいつの間にかハレルヤに替わっていて、部屋の隅で酒を飲んでいた様子のスメラギはニヤニヤと笑っていて、相手をしていたらしいイアンとラッセからは同情の視線。まさかクリスティナとフェルトに助けてもらうワケにもいかないし、出入り口を見ればリヒテンダールはコッソリと出て行こうとしている。
……今更ながらに気付いたが、皆、どうして食堂に集まっているのか…。
「さぁ…どちらなんですか、ロックオン」
「早く決めろ。俺はこの後エクシアの整備を手伝う約束をしている」
「だ、そうだぜぇ?どうすんだよ、茶髪ロリコン」
詰め寄ってくるティエリアと刹那。傍では可笑しそうに笑っているハレルヤ。
味方のいないこの状況で、何としてでも中立の立場を守らなければいけないという事実が、酷く難題に思えるのは……間違いではないだろう。
周りの観衆が助けてくれる……ってことは、無いんだろうな。
ティエリアvs刹那。
そしてそれに巻き込まれる(た)ロックオンとアレルヤ。
何で争っているかと思えば、そんな……というお話。
こういう平和な戦いがあってもいいですよね。