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みんなでワイワイっていうのが、一番好きなパターン…なのかも。
とりあえず、あの二人は好き嫌いが激しいと思う。
07.赤ピーマン
「まさかとは思うが……」
そう言って、ニコリと微笑むのはヨハン。
「彼が作った料理まで残すつもりか?折角、頼んだのに?」
「うっ……卑怯だぜ兄貴!」
「そーよ、ヨハン兄!これは禁じ手!」
物凄い勢いで反論を飛ばすのは、彼の弟妹のミハエルとネーナ。
そして……
「……そこまで抵抗する事も無いんじゃ…」
困った顔で頬を掻く、アレルヤ。
……そもそもの始まりは、野菜を食べない二人の弟妹の事をトレミーまで、ヨハンが愚痴りに来た事だった。その時対応していたのはロックオンで、保護者同士、どこか通じる物があったらしい。お互いに肩を叩きながら話していた。野菜とかいう物、それとは全然違う話までしていた。
曰く、うちの刹那は無愛想すぎる。
曰く、ミハエルは物をもっと大事にするべきだ。
曰く、ティエリアだって人当たりが良くなれば…。
曰く、ネーナは忍耐強くなってくれたら…。
傍で切実に話しているのを聞いていたせいだろうか、今でもあの情景が頭に鮮明に浮かんでくる。できれば早急に消去してしまいたい記憶なのだが。哀愁漂う背中を眺める事が出来たのはまぁ、楽しかったから良いとしようか。他人の不幸は蜜の味。
ちなみに、ロックオンが「ハレルヤも凶暴性を抑えてくれたらな……」とか言い出した時は、片割れから素速く体のコントロール権を奪って、手元にあった皿を投げつけていた。結果はクリティカルヒット。気絶……とまでは行かなかったが、頭にたんこぶが出来ていた。いい気味である。
だが……それがいけなかった。結果としてアレルヤがあの保護者たちの会話に加わることとなり、今の状況に繋がってしまった。
つまり、野菜を彼らに食べさせようというこの作戦参加に。
ヨハンが言うには、アレルヤの手料理ならばきっと彼らは残さないだろう、ということ。片割れは首をかしげていたが、ハレルヤにとってはそれは常識である。というか、残す誰かがいたら即行で……いや、時と場合と相手にはよるけども。
『てーか、ハッキリ言うと、お前がこれに参加する理由が分からねぇ。食わねぇなら一生食うなって話だろ?』
(それは極論過ぎ……)
『そうか?』
けれども……ミハエルの口の中に、無理矢理苦い野菜を突っ込むのは楽しい、かもしれない。さぞかし楽しいイヤガラセになるだろう。ここで甘い、あるいは味の薄い物を選んではいけない。それでは反応が面白く無さそうだ。ついでに言うと、代替品としては酸っぱい物を推奨する。
(今度はどこか物騒だね…)
『っせぇな。要は食わせりゃいいんだろ?手段なんて問うな。とにかく殺れ』
(漢字変換が違う気がするよ、ハレルヤ…あ、そうだ)
何を思いついたのか、台所へと戻るアレルヤ。
しばらく冷蔵庫をあさっていたかと思うと、見つけた、と一つの野菜を取り出した。それは……コーンの缶詰だとか、赤いピーマンだとか、白色のドレッシングだとか。
『……で?お前は何する気?』
(ちょっと色合いを鮮やかにしたらどうかと思って。二人に出したのって、普通の野菜サラダでしょう?少しでも明るい色の物を入れたら、食べやすくならないかな)
『そこまでやるか……』
半分勢いに流されてここまで来たのに…よくもまぁ、ここまでやる気になれたものだ。
呆れながらも、片割れに一つ頼み事をするのは忘れずに。
『赤ピーマンに紛させて、唐辛子でも入れとけ』
(それはマズイよ……)
誰かのために何かをするのは楽しいよ?
『そうか?俺は…相手による、か』
マイスターの中で一番の料理の腕を持つアレルヤ、その実力を見せるときです。
……ミハエルとネーナは、嫌なことはあんまりしないタイプと思います。時と場合、ヨハンの言葉があったら話は別かも知れませんが。それでも基本的にはしないだろうなぁ…スイーツ食べたい肉食べたいと、緊急時に言ってた二人です。あぁ、けどあの時はそれほど切羽詰まってもなかったっけ……CBが圧倒的だったころが懐かしい。
まぁ、過去に戻ることは出来ませんが…。