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ついにあの方が登場。
一人だけ仲間はずれって、悲しいと思うんだ…。
チビスターズ第三話 ⑨
……実は、状況はかなり大変なのではないだろうか。
いつまで経っても要求をのまない警察に、立てこもり犯はイライラとし始めている。それに、女性店員の怯え具合からして、いつ叫びだしてもおかしくないように思える。そんなことになったら、男性はまず間違いなく女性を撃つ。
そうしたら、こちらも危ない。
「今、何時?」
「三時ちょっと過ぎ」
「……長いね」
呟いたのは立てこもられている時間……ではない。立てこもりなのだから、一日経ってもまだ許容範囲だろう。
アレルヤが言ったのは、ミッションに行っている二人のことだった。
これは……余りにも遅すぎる。いくらなんでももう、介入対象の紛争は行われているだろうし、二人とも既に介入を終えただろう。負けているかも、という考えはない。あの二人に限って…でもないが、とにかくティエリアとハレルヤにそういう心配は、あまり必要ないだろう。していたことがばれたら、むしろこちらの方が恐ろしいことになる。
そういうわけだから、そろそろ彼らが異変に気づいても良い頃だと思うのだが…………………まさか、ケンカなんてものを…。
「いやいやいや……二人とも人間として出来て…」
思わず口にして、それから一瞬、自分の言葉に自信が持てなくなった。
……本当に、大丈夫だろうか……?
「アレルヤ……思っていることは何となく分かったが、あまり考え込まない方が良い。それはもう、どうしようもない話だ」
「刹那……それもそうだね…」
ありがとう、と言おうとしたその時。
発砲音が聞こえた。
え?と思って少しだけ振り返ると、銃痕がガラスのウィンドウに。
ついに男性は耐えきれなくなって発砲を、行ってしまったらしい。銃口は現在、レジの女性の方を向いている。
このままでは、あるいは本当に撃つかも知れない。人間を。
「……どうしよう」
「どうしようもない、としか答えようがないな」
「私たちはCBだから…できるだけ、目立っちゃダメだし…」
全く持ってその通り。それに、小さくなってしまった今だ。できることだって限られているだろう。
ただ……フェルトの言葉は今更な気がしなくもない。外にはテレビカメラも来ていて、自分たちの姿は一部とはいえ全国放送中、だろう。あくまで一部なのが救い……なのだろうか?まぁ、自分たちを見知っている人間ならば、ちゃんと分かるだろうが。
そう思い、ふと、気づくことがあった。
多分、CBのクルー達は、ここら辺のことをチェックしているのではないだろうか。特にロックオン。マイスターの中では唯一、宇宙に残された彼だから、他の人以上に見ている可能性がある。
つまり、何らかの策を取ってくれるかもしれないわけで……
「うあっ!?」
と、思考に没頭していると唐突に、男が急に叫び声を上げた。
今度は思わずバッと振り返れば、右手の甲から血を流して銃を取り落としている犯人の姿が瞳に映る。
…そこから先は速かった。
隙を作ったと見た警官達が一気にコンビニ内部へと雪崩れ込んで来、あっという間に犯人の男性は捕らえられて。
アレルヤ達は無事に保護された。もちろん女性店員も。
店から出ながら、ふいとガラスのウィンドウを眺めてみれば。
銃痕が一つ、増えていた。
「来た……のかな?」
「あの銃痕か?あぁ……来たんだろうな」
「どこにいるのかな…?」
「さぁ、どこだろうね。近くにいないのは確かだと思うよ」
「……いたら、不審者で即行逮捕だ。恐らく、ライフルを持っているだろうからな」
「あはは…だねぇ。こんなに警官がいるんじゃ、ね。逃げられないよ」
さぁ、今、彼はどうしてるだろうね?
……というわけで、彼の登場です。
あのまま宇宙で居残りって言うのは……やっぱり可哀想なので。アレルヤがあった目にあうがいいよ!とか思ってました、が、それが哀れに思えてきて…ほら、アレルヤにはハレルヤいるので。ロックオンとはちょっと違うので。そこの差が何というか。
……というわけなのですよ。