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久々。
デスサイズは影で色々苦労してる気が…。
「なァ……前から思ってたんだけど…どうしてお前、エピオンとちゃんと戦ってやんないワケ?」
「メンドイ」
問うデスサイズの言葉に返ってきた答えを聞いて、サンドロックは思わず苦笑をした。
ここは、自分たちに割り当てられた一室。残りの同居人のヘビーアームズはサーカスの仕事に出てしまっているし、ナタクは言わずもがな。毎日の日課となっているトレーニングに励んでいることだろう。
にしてもウイングの言葉……何というか、変わらない。こちらのコロニーに来て大分経ったが、それは彼の性格をどうこうする要因にはならなかったようだ。いや、別に変わって貰っても怖いので、実際はこのままで良いワケだが。
「メンドイって……そりゃ、エピオンがお前に付きまとうのも分かるよな…嫌だよそんなライバルというか敵。やる気だして欲しいよなぁ…」
「付きまとわれるのと面倒なのは別問題だ」
「同問題だっての!メンドイって言ってるから相手さんもやる気になってもらおうって、頑張ってんだって!……というか、ビームサーベル使わずにライフルで戦う理由も『メンドイ』で済ます気だろ、お前……」
「分かっているじゃないか」
「いやもう、長い付き合いですから」
溜息を吐くデスサイズを見て、分かりたくなかっただろうなぁ、と思う。
そして、分かってしまったが故に、世話役のようなウイングの相棒になってしまった彼に、限りない同情の念を送る。自分には彼の自爆癖は手に負えないので、結局は彼に頼ってしまわないワケで、少々心苦しい思いはある。
決してみていて飽きないだとか、やり取りを見るのが楽しいだとか、そんな事は思っていない。
「とにかく!一回ぐらい飛び道具無しで戦ってやれって!ていうか、泣きつかれる俺のみにもなれッ!」
「泣き付かれたのか……というか、アイツは他人に泣き付くようなキャラクターだったか?違う気がするんだが」
「どーしてもって話だから、あちらさんも必至なワケ。理解してやれよ?本当……見ているこっちが悲しくなるんだよ。な、サンドロックも思うだろ?」
「……確かに。そろそろ憐れだよね…」
何度倒れても向かっていく姿を見ると、尚更。
見慣れた光景だが、その『見慣れている』という事実がさらに……というか。
「そゆわけで、一回くらいやってやれっていうこと。接近戦対決、苦手だとかそういうワケでも無いだろ?昔からベームサーベル振り回してたよな」
「……お前、やけに俺を戦わせたいらしいな」
「だぁかぁらぁッ!泣き付かれたら、もうたまったもんじゃないって言ったろ!」
「泣き付かれる……ねぇ…」
彼の言い様では、一回や二回のことではないようだが……。
それはつまり、彼もウイング専用窓口のような感じで、付きまとわれているのではないだろうか。基本的に親切な彼だし。
思い至って、サンドロックはガシッとウイングの肩を掴んだ。
「……?」
「受けてあげて、コテンパンにやっつけたら?そうしたらもう、付きまとわれることもないよきっと。力の差をハッキリとしめしてあげたらいいと思うよ?」
「どうせ無駄で、何回も同じ事を……」
「それに」
言葉を遮り、デスサイズには聞こえないように小声で。
「デスサイズとエピオンがいつの間にか仲良くなるような、そんな状況を放っておけるのかな?同情が愛着に変わるって、結構ありきたりな話だよね」
「お前……」
「少なくとも、それはボクは嫌だけど」
君はどう?ボクと同じ考えだとして、何も手を打とうとは考えない?
クスクスと笑いながら言うと、彼は呆れの表情を浮かべた。
「どんどん……したたかになっていないか?」
「かな?自覚はないんだけどね」
「……あってたまるか」
「なーなー、何の話してんの?」
「何でもないよ、ちょっとした世間話だから」
訊いてきたデスサイズに軽く答える。嘘ではない。
ふぅん、と納得した風ではなかったが、追求することもなく彼は、視線をウイングの方へと向けた。
「で、お前は……」
「分かった、行く」
「うんうん。行って戦って……ってあれ?どしたのお前。さっきまで物凄く嫌がってたろ?」
「諸々の事情から、だな」
「諸々……?」
先ほどの会話を知らないデスサイズには、どういうことかが皆目見当が付かないのだろう。しきりに首をかしげている……が、教えるのも何なので語りはしない。
「細かいことは気にしなくて放っておいて良い?」
「細かいことは気にする必要ないよ」
「細かいことか、コレ……?」
そう呟くデスサイズを見、それを眺めているサンドロックを見、それから身を翻してウイングは歩き出す。
堂々とした歩みにクスリと微笑み、最後に一言。
「釘はちゃんと刺すんだよ?」
「……言われなくても分かっている」
※サンドロックはこんな子ではないです。
けれど、どうしてだか腹黒っぽく書いてしまう…。何ででしょう?怒ったら怖いから、かな。
ほのぼの書きたい、ほのぼの。