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何かキャラが著しく違うというか…。
そんな感じのお話になってしまったような。
それでも良い人、貴方はガンダムです。
07.夜の街
夜の街は苦手だ。本来なら暗く深い闇の時間のハズなのに、人間の技術の発展によって、都市部では昼間よりも……というのは言い過ぎだが、気持ちの上ではそれほどの光量に溢れている。
太陽の暖かな日差しとは違い、夜の明かりは破壊的だ。地上で生活する人々を優しくくるむ優しさはなく、あるのは闇を隅々まで照らそうとする意思。その明るすぎる光のせいで、さらなる闇が生まれていることに気づかない意思。
そんな明るすぎる明かりの中にいるのは、酷く心許ない。
この光が自分のドロドロした部分を照らし出しはしないか、自分という存在を浮かび上がらせはしないか……不安になる。どうしようもなく。
だから、夜の街は好きになれない。
夜の街は、既に自分の一部分になっている気がする。息を潜める時間帯、引き金に指をかける時間帯、明かりの影に生まれる闇に潜む時間帯……『裏』の人間が活動を始める時間帯。
昼間の世界中を覆う光とは違い、人工の明かりは一定の場所までしか届かない。自分たちのような存在が行動を起こすには丁度良い。その、一定の場所から外れてしまえば、あっと言う間に姿は闇に隠れる。
そんな深さを増した闇の中にいるのは、酷く安心する。
ヘマさえしなければ見つかることはないし、何よりそこはテリトリーの内部だ。何を恐れることがあるだろう?其処は、落ち着ける大切な場所。
だから、夜の街はどちらかといえば、好きな方だ。
酒を買いに出よう、と言い出したのはロックオンだった。唐突に飲みたくなったとかで、ついでに言うと買い置きはなかった。
もはや夜は遅く、夢の中にいるような時間。
……だったので、自分は待機場所に残っていようと思った、のだが。
「何で、こうなってるんでしょうね……」
「悪い悪い。一人で出るのもどうかと思ってな」
「だからって……」
半ば強引な彼の誘いを断れず、結局付いていくことになったアレルヤは、深々と溜息を吐いた。今回ばかりは遠慮する必要はない。付け加えて言わせてもらうなら深夜といっても、今は軽く日付を越えている。
「まぁ、過ぎたことだし、いいんですけど……何だかロックオン、楽しそうですね」
「そうか?」
その返事も、いつもよりも明るい。
まるで、久々に故郷に帰ったかのよう。実物を見たこともないし、実感したこともないので、あくまで比喩だが。
どうしてだろうと、アレルヤは息を吐く。夜は苦手だ。明るすぎる。
ロックオンは少し考え込んでいたようだが、何かを思いついたらしい、ポツリと呟いた。
「夜が、闇が色濃く出る時間だからかもな。そこにいたら、なんか落ち着くんだよ」
「闇が?」
「そ。ほら、ネオンで明るいだろ?その明かりで影がいつもよりも濃い場所がある。そいう所なら、こんな光の中でも」
「あー、確かに暗いですね」
新発見である。
彼の考え方に少し感動して、自分の思ったことも口にした。
「僕は、夜の明かりが強すぎるから、見せたくない所まで照らされそうで…ちょっとばかし、怖いんです」
「つまりアレか?俺は闇の方、お前は光の方に注目して見てたってワケだな」
「……にしても…注目する点で、ここまで変わるんですね」
「小さな驚きだな」
「ですね」
そして、二人は顔を見合わせて笑い合った。
見る角度が違うだけで、こんなに違う。
(それが何だか可笑しくて)
……少し壊れ気味かな…キャラが、っていうのは置いておいて、心の方とかが。どこがって言われると説明しにくいけど、そんな感じがしてくるのです。ロックオンが「夜が好き」的なこと言ってると事かが、特に。
もっと別な風になるはずだったのに……どこで間違えたのかな…。