お題：桃 06.アンダーライン

拍手再録です。

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「もーちょっと、なのよねぇ」
「何のこと？」
「君のこと」
「へぇ……俺の……って俺！？」
「うん。君」
「俺の何がもうちょっとなワケ？」
「んー……マジメ度？」
「……疑問系…？」
「いやいや。言葉にしにくいっていうか……もうちょっと、っていうのは分かってるんだけどな……うーん…何て言うべきだろ…」
「というか、俺が『何まで』もうちょっと何スか？」
「ギリギリ下線まで」
「……何の？」
「好みのタイプ」
「………………………え？」
「もうちょっとなの。でも、本当に何が無くて『もうちょっと』なのかなぁ…」
「…よーしっ！俺、頑張りますッ！」
「うわぁ…凄くやる気出たね」
「当然ッスよ！見ててくださいね！」
「ま、応援くらいはしてあげるよ」


　こんな会話をしたときは
　彼に付けた『もうちょっと』っていう評価が
　私の気持ち次第で変わるだなんて
　突然『一番』になるなんて
　想像すらしていなかったけれど……


　……変わって、とても良かったと思う。