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途美学園は、何時上げても「久しぶり…」とか思うから不思議。

登場……刹那、ロックオン、アレルヤ、ハレルヤ、ティエリア、ヴェーダ



「夏と言えば何だと思う?」
 始まりは、ヴェーダのこんな一言。
 仕事の手を止めずに刹那はポツリと呟いた。
「クーラー」
 ティエリアは何をいきなり、という表情を浮かべながらも口を開いた。
「貴方が仕事をさぼってどこかへ行こうとする季節です」
「……そうなのか?」
「そうだ。クーラーが効いた部屋でのんびりしていればいいものを……夏には夏休みがあるからな……どこかしら遠出をしたがる」
 というか、クーラーは何だクーラーは…まぁ、俺もそうだとは思うが。
 じとっとこちらを見つめるティエリアから視線を外し、仕事の手を休めて腕を組んで悩んでいるアレルヤの方を見る。突然の学園所有者の問いかけでさえここまで真剣に……それでこそアレルヤだった。
 隣にいるのは当然のごとくハレルヤ。刹那が来たときにはすでにそのポジションに収まっており、密かにあの場所を狙っている身としては少々悔しく思えた。彼と違ってクラスはおろか学年までも違うから、それはほとんど不可能に近いのだが。
「アレルヤ・ハプティズム、お前は何だと思う」
「えっと……風鈴とか、香取ぶたとか?」
「ちなみに訊くが、風鈴の柄は?」
「透明なので、花の模様がついてるのかなぁ…」
 とても楽しそうに言うアレルヤを見ていると、何となく幸せな気分になってきた。ほのぼのとした空気を発していて、その空気に触れるだけで暖かな気持ちになれるのだ。この空間の中で唯一マイナスイオンを発する彼は、紛うことなく『癒し』だろう。
 では、と彼の片割れの方に視線を向ける。
「ハレルヤ・ハプティズム、お前は」
「冷たいアイス。もしくはクーラー」
「……クーラーは既出だが」
「別に良くね?制限ねぇし、何より眼鏡の意見だったし」
「俺も言っているんだが……」
「…それはどういう意味だ?」
 敵意を持ってティエリアがハレルヤを睨む。一般生徒を震え上がらせる……と言われているが、そこまで恐ろしいものとはどうしても思えない。見慣れて珍しい物とも思えないからだろうか、それとも『一般生徒~』の方が誇大表現なのだろうか。刹那からしたら間違いなく後者だ。
 実際それは自分だけでなく、ハレルヤも同様らしい。隣で少しばかり怯えてるアレルヤと違って、ハッと鼻で笑うまでしてのける。
「テメェの意見なんざ、誰も気にしてねぇってこと」
「言ってくれるな、ハレルヤ・ハプティズム……命が惜しくないと見える」
「なんだ?殺るか?」
「ハレルヤ……漢字変換絶対違う…」
 敵意どころか殺気まで纏い始めた二人を眺め、溜息を吐く。いつものこととはいえ、たまには我慢すればいいだろうに。それが出来ないほど互いを嫌いあってはいないだろう。
 とりあえずシャーペンを置き、両者の間に挟まれているアレルヤの元へ向かう。
「アレルヤ、ここは危険だ。少し距離を取る」
「え……あ、うん」
 手を引いてヴェーダの傍に落ち着いた瞬間、どたばたがっしゃん、としか形容できない音が聞こえてきた。
 ガラスが割れなければいいが……そう思いながら、ちらりと学園所有者を見やる。
「なーに?刹那」
「いや……何故、あんな質問を?」
「前振りよ、前振り」
「……?」
 彼女のセリフに首をかしげる。
 前振り、ということは続きがあると言うことだ。
「何だ?」
「いやね、夏と言えば肝試しだと思、」
「却下する」
 やっぱりそういう方向か。
 その案よりは、市営プールに連れて行かれる方がまだマシだ。何かイベントを行うことになった場合、自分たちは必ず出席しなければならない。そこはもう諦めているのでいいとしよう。だが……肝試しになったら、地獄が待っているのは確定事項なのだ。
 市営プールなら細工は出来ない。しかし、肝試しなら細工はいくらでも可能だ。
 お化け役を仕込むのは当然。穴を掘って落とし穴もあるかもしれない。人魂とか言って、本当に火の付いている何かをぶら下げる可能性もある…火事になりそうだが。それに、どさくさに紛れてビデオ撮影を行っていることも有り得るのだから。
 だから『学園所有者主催』というイベントは…出来るだけ避けなければならない。
「えー?いーじゃん別にー。ねー、アレルヤー?」
「僕ですか…?えと……えっと……………………」
「ヴェーダ、アレルヤをあまり困らせるな」
「可愛いからいいじゃない」
「それはそうだが…」
 彼女の一言に、グッと詰まる。そこを突かれると弱い。
 が、ここで負けるわけにはいかないのだ。
 キッとヴェーダを見据え、口を開こうとした時。
「ヴェーダいるかー?」
 ギィ、と生徒会室の扉が開いた。
 顔を向けると、そこにいたのはロックオン。
「どうかしましたか?貴方がこの時間にここに来るのは珍しいですよね」
「ミススメラギに頼まれたんだよ。どーしてもって書類があるから、それにサインさせないといけないんだと。ってなワケだから、こっち来てくれるか?」
「しょうがないなぁ……ティエリア代わりに…」
「…無理だろう」
 彼は未だにハレルヤをボコボコにしている。案の定と言うべきか、やはりハレルヤはティエリアに勝てなかったようで、今まさに制裁的な物を受けている最中だった。アレルヤが酷く心配しているから、あまりやりすぎないようにして欲しいものだが。
 というか、生徒を代行で行かせるのかこの人は……。
 呆れていると、隣の彼が苦笑して言った。
「いつものことなんだよね…」
「………そうか」
 何だかティエリアも苦労していそうだ。



 …結局、ロックオンの……ひいてはスメラギのお陰で肝試しの話はうやむやになった。
 だが、だからといって油断をしてはいけない。夏はまだ終わっていないのだ。



夏はイベントがたくさんです。肝試し然り、お祭り然り。
それをヴェーダが見逃さないわけがないのです。
どうなるんでしょうね…『学園所有者主催』のイベント、回避しきれるんでしょうか……?

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