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危ないなんて物じゃなくて。
これはもっとキケンなんだが…。



チビスターズ第四話 ⑥


 ……これは、一体どうしたらいいのだろうか。
 目の前にある直方体の物体を眺め、思う。こういう物は自分の管轄外であり、対応の取りようも分からない。想像が付かない、という方が正しいだろうか。どちらにしろ、確かな知識がない以上は行動は起こせない。下手なことをして失敗してしまえば大惨事だ。
 それは隣で困った顔をしている彼も同様なのだろう。しかし見つけてしまったのだから、放り出してどこかへ行くという選択肢は無いに違いない。片方が残って片方が上へ行く、という案があるにはあるが、そうするとこの場に残る片方が危険に陥る可能性が高くなる。二人だからこそまだ、突然の危険に対応できようかという状態なのだから、離れて行動するのは良い判断とは言えない。一番大事なのは、ここでこの直方体の物体を……物体『たち』を見張っておくことだろう。
「これ、どうしたらいいんだろ……」
「分からないが、恐らく一つでも起動したら、残りも全て」
「言わなくていいよ……」
 げんなりとした表情で、アレルヤが呟く。
「昨日といい今日といい、どうしてこう厄介事に巻き込まれるのかな……」
「昨日はともかく、今日は俺たちが勝手に首を突っ込んだだけだが」
「それはそうだけど……放っておける?」
「……無理、だな」
 そもそもの始まりは、あの階段を下る三人組を見かけたことだった。
 ぼうっと人の波を眺めていると「あの眼鏡、男だったのかよ…」だとか「もう一人の金目のアイツ、凄ぇ怖かったよな……」などといった言葉が聞こえてきたのだ。
 一瞬で、とある二人の顔が浮かんできた。はぐれた四人のうち、二人の顔。
 隣を見れば、アレルヤも同じように思ったらしく、すでに立ち上がって三人組の後を追いかけていた。
 結局追いついたのは一階分降りた後で、話を聞けば確かにあの二人だった。どういう経緯で二人が顔を合わせたか、それは彼らの身なりで容易に予想が付いた。遊び盛りの年頃のようで、一見すれば女に見紛うティエリアに声をかけたのは納得できないわけでもない。ただ、もう少し内側を見て欲しくはあったが。
 自分たちを探しているのだという事実をハッキリとした形で知り、ホッとしたのも束の間。ふと違和感を感じて視線を向ければ、そこにはあまりに気配が薄い男がいた。
 男はまっすぐこちら、つまり階段へ向かって来、黙ってそこを下っていった。
 気配がないという点だけでなく、階段を下りたというところで、弁解のしようがないほど怪しすぎである。下にはもう、倉庫などしかないはずだ。そう案内に書いてあった。
 顔を見合わせ頷きあい、コッソリと彼を追いかけて地下へと向かい、長方形の物体を目にして正体が分かった瞬間に近くにあったブロックで彼を殴り倒し……そして、今に至る。
 溜息を吐いて、ほとんどの柱に取り付けてあるソレの一つを見上げる。
「よくもまぁ、これだけのものを用意したな」
「とにかく、どうにかしないといけないのは事実だよね」
「だな。どうやら時限式でないようだが……遠隔操作型か?」
「そこまでは……けど、分かってることが一つ」
「……?」
「これが全部爆発したら支えになる柱が壊れて、このデパートは崩れるね」
 そう、直方形の物体は爆弾。これもおそらくテロの一種だろう。スメラギからの事前告知がないことから、CBと関係はないようだが……そういえば最近、どこかの団体が政府に申し出を却下されたとかいう話があった気がする。もしかしたら、そこが腹いせに……まさか、とも思えるがあり得ないとも断言できない。人間、どんな些細なことでもキッカケとなる物だ。
 と、背後で何かが動く気配がした。
 振り返ると、そこには先ほど殴り倒した男が立っていた。目は血走っている風で、どう見ても冷静だとは言い難い。その上、手には隠し持っていたらしいナイフを握っている。調べあげて回収しきったと思ったのだが、どこに入れていたのか。
 向かってくる男から庇うようにアレルヤの前に出る。最悪、彼だけは守らなければ。
 ……だが、その行動は不必要な物だったようだ。
 何故なら。
「テメェッ!アレルヤに何しようとしてんだッ!」
 叫び声と共に、ハレルヤが男の後頭部に蹴りを食らわしたからである。
 どうしてここにいるんだ、だとか。助かった、だとか。思うことは色々あったが、これだけは知ってはいたが何とも言えないという事柄があったので、口にしておく。
「俺はどうでもいいんだな……」
 本当に知ってはいたし、悲しくもないけれど。
 何というか……いっそ清々しい無視っぷりだと思った。



「で、君たちはどうしてここにいる?」
「あ……ティエリアも一緒だったんだ」
「そういえば二人で行動していると聞いていたな……で?お前たちは?」
「こっちにアレルヤがいる気がしたから来たんだよ」
「それだけでか…さすがだな……」


それは感嘆に値するが、それよりもこっちが先だろう。


デパート地下には危なすぎる秘密がありましたとさ。
……ごめんなさい。どうしてもトラブルに巻き込みたいみたいです。
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