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夜というのは、最後というのは、何か起こるととても困るかと…。
というわけで、就寝の話二日目です。
チビスターズ第四話 ⑪
そして、本日最後の事件は夜起きた。
夕飯が終わり、全員風呂に入ってさぁ寝よう、というときの話である。
「刹那とアレルヤ……先に寝ちゃってるよ…」
全ては、フェルトのこの一言から始まった。
寝室に入ってみれば、そこには確かに二人の姿。
同じベッドで互いに引っ付き合って、それはもう健やかな風に子供のよう(いや、今は確かに子供ではあるが)にあどけない顔で、しっかりと熟睡している二人の姿があった。体力も子供並みに落ちてしまったのだろうか……おそらく、今日一日のことで疲れてしまったから、眠ってしまったに違いなかった。
一見すれば微笑ましい光景では有ろうが…少々、刹那にイライラする物を感じる自分は、果たして大人げがないのだろうか。けどまぁ、微笑ましさの方が上だけども。……複雑だ。
しかし、自分の気持ちがどうであったところで……これを起こすのは少々気が引ける。仕方がないので放置することになるが……問題は次である。
「……で、今日のベッドの割り振りどうすんだ?」
ロックオンがポツリと呟く。
そう。問題はそこなのだ。小さな二人と眠る場合は、面積的にも何とかなるので二人で寝る、ということも可能だ。だが……今回はそうはいかない。確実に床で、あるいはソファーで寝る誰かが二人ほど出てくる。特に昨日の自分のように、フェルトと当たった人物は半ば強制的にベッド組から除外されるのだ。
さて、どうするかと考えるまでもなく、男三人は一斉に右手を出していた。
もう……今日はペアになる必要性を感じない。こんな、誰と当たっても罰ゲーム的な組み合わせは嫌だった。
「うらみっこ無しな」
「後で泣くなよ?」
「フン……勝つのは俺だ」
そして…じゃんけんの火蓋は切って落とされ……。
「……次は何だ?どっちが床か決めろってか?」
「だろうな。あぁ、それから言わなくても分かるだろうが、俺は床は嫌だ」
「俺も嫌だっつーの!」
結局、勝者はロックオン・ストラトスだった。十数回に及ぶあいこの末の結果である。悔いはなかった。
それよりも今はソファーと床、どっちで眠るか、である。
「いいか、ハレルヤ・ハプティズム。俺はとにかく床は嫌だ」
「んなこたぁ分かってんだよ!床が好きな奴がどこにいるんだって話だろ!?」
「君が床を好きになれば問題はない」
「何で俺だ!テメェが床と仲良くしてろ!」
「断る。何が悲しくてそんな……あぁ、そうだ」
と、ティエリアは偶然そばに有った分厚い本を手に取った。
良いことを思いついたのだ。
「強制的に眠ってもらう、という手があったな」
「は!?…ってテメ……」
引きつった表情で、ハレルヤが何を言おうとしたのかは分からない。何故なら、言い終える前にティエリアが、振り上げた本を振り下ろしていたからである。ちなみに綺麗に額に当たった。狙ったからこそ、だが。
床に倒れた彼を見下ろして、ティエリアはソファーへ向かう。
そろそろ眠いので、すぐに寝ようと思った。
……もちろん、ハレルヤはそこに放置である。
「ティエリア……容赦ねぇな……」
「ロックオン…どうする?布団くらい…かけてあげる?」
「ん?あぁ、そのくらいしねぇと…風邪ひくんじゃね?」
「だよね……」
にしてもティエリア……その対応はどうだよ…。
ティエリアならこのくらいはやると思う。