[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
ロックオン出現率が限りなく低いですが、一応ロクアレのつもりで書きました。
…ハレルヤの方が、出番多い気がするけど。
04.車から漏れるミュージック
「後は……っと、何があったっけ、ハレルヤ」
『俺に訊くな。ンなモン覚えてねぇよ。アイツらのことは興味ねーしな』
「もぅ…少しは皆と仲良くする努力とか、歩み寄る意思とかさ…」
『嫌だね。ハッキリいうとメンドイ』
「……」
相変わらずすぎる片割れの反応。
思わず溜息を吐いて、それからアレルヤは改めて手渡されたメモを見る。
クリスティナから頼まれた化粧品は一応、何とか恥ずかしくても買ってきた。フェルトは何もないとか言っていたけれど、こっちで勝手に飴玉を。彼女には本当に欲しい物は無いのだろうし、こうやって無理矢理でも渡さないと…などと思うのは、彼女が最年少クルーだからだろうか、やっぱり。
「お節介かなぁ…」
『別に良くねぇ?あっちも何も言わねぇ上に、何か嬉しそうな顔してたぞ、この前』
「え、本当?気付かなかったよ。けど……そうなら、僕も嬉しいな」
クスリと笑って、メモの続きに目を通す。
酒類は最後で良いだろう。先に取っていくと、これからの道のりが大変そうだ。重いし、量も多いし。……これがほとんど、一人の腹の中に収まっていくというのが、かなり恐ろしい事実のような気が、しなくもないのだが。
それから後は、機械の部品だとか何とか。そちらは組織内でどうにかするとは思うのだが…まぁ、下に降りるついでである。
「うーん……けど、お酒は多すぎるよね…えっと……十本、か」
『しかも全部、度数高くねぇか?』
「…だねぇ」
『いっそ、酒を何も買わずに上がっちまえば?これ以上飲まれても困るだろ』
「……珍しいね。ハレルヤがそういうこと言うのって」
基本的に、面白いことでなければ他人に興味を示さないハレルヤである。ある意味だったとしても、スメラギのことを考えているような言葉を口にするのは驚く程の高確率での事柄だと言えるだろう。
だが、案の定と言うべきか…彼女を心配してだとか、気にしてだとか、そういう理由からの言葉では無かったようだ。いや、取りようによっては正しいのだろうが。
ハッとアレルヤにしか聞こえない声で笑って、ハレルヤは言った。
『あのアル中がグダグダだったら、俺らが生き残る可能性が減るからな。あんま、酒は与えたくねぇんだよ……ま、メリハリはつけてるみてぇだから、それ程言わねぇけど』
「あぁ、なるほどね…君らしい言葉だよ。でもさ、スメラギさんって最初のミッションの時にブリッジでお酒を飲んでたって、確かクリスティナが言ってたけど」
『よし、酒は買うな』
「意見変えるの速ッ!?」
ついついツッコミを入れるが、片割れはさして堪えた様子もない。
もう、と呟いて、ハッとする。
そういえば、ここは人通りが多い道だった。つまり、人の目が覆い場所で、アレルヤはハレルヤと喋っていたわけだ。
しかも、堂々と。
その事実に思い至り、アレルヤは頭を抱えた。
「あぁぁぁぁ…どうしようハレルヤ僕絶対目立ってたよね…CBの一員なのに…帰ったらティエリアに『マイスターに相応しくない』って怒られてしまうよ…」
『自分が変な目で見られんのは良いのかお前…』
呆れたような呟きも耳に入らず、どうしようかと考え込んでいると、ふいに、車のクラクションが聞こえた。
え?と顔を上げれば、そこには見慣れた車に……見慣れた人。
「あ……ロックオン」
「よ、アレルヤ。……で、訊くが…お前さん、一体何にそんなに頭を悩ませてたんだ?」
「えとその…」
アレルヤは口ごもった。ロックオンならば怒ったりはしないだろうけど、呆れられるのは間違いないだろう。……だから躊躇してしまったのだが。
その沈黙をどう取ったかは分からないが、ロックオンは苦笑を浮かべ、助手席に座れと言った。
ハレルヤは渋っていたようだが、実際は断る理由もない。乗り込んだアレルヤは車内を流れるBGMを耳にして、柔らかい笑みを浮かべた。
「優しい音楽ですね…」
「ん?あぁ、これな。ラジオの局番漁ってたら見つけた。…気に入った?」
「えぇ。とっても」
笑顔のまま言うと、彼も笑顔を浮かべた。
「なぁ、今度一緒にドライブ行かないか?音楽聞きながら、いろんな所を回るんだよ」
「それ……良いかもしれませんね」
「だろ?」
こうして、次の二人での休暇の際の予定は決定した。
…やっぱりハレアレ要素の方が多い気が。