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「刹那・F・セイエイ……その姿は」
「知らない。朝起きたらこうなっていた」
そう言う刹那は、いつもとは全く違う服を着ている。
皆が出てきて大分経ってからの登場であったところを見ると……どうやら、合う服を探して屋敷内を散策していたようだ。
まだ確認できたわけではないがアレルヤも同じような感じだと言うし……いったい、ここはどういう場所なのだろうとソーマは息を吐いた。時間の流れが違う、それは間違いではない……が、たった二人だけに影響が及ぶというのは如何なる物か。普通は屋敷にいる人ビト全員が被害を被りそうな気がするのだが。
何故二人だけ……と考え、そういえば二人とも、昨日、いや一昨日の午後辺りから秘密にしていることがあるようだったし、もしかしたらその秘密が今の状況に関わっているのでは無かろうか。そうでなかったとして、その秘密まで辿り着く経緯でやってはならないことをした、という線もあるのだし。
まぁ、なってしまったものは仕方がない。どうしたところで無駄だろう。
そう思いながら、ソーマはアレルヤに向かって手招きをした。
何?と近付いてきた、今はほとんど背丈が変わらない彼の耳元にこそりと口を近づける。
「もしかしたら、あなた方が秘密にしている何か、あるいはそこへ至る経緯のどこかにこうなった理由があるかも知れません」
「……あぁ、そっか。僕らだけだしね…」
「無理をして聞き出そうとは思いませんけれど、出来れば後で変化後の容姿を見せてください。気になりますので」
まさか、見て気づかないことは無いだろうが……興味はあった。
ソーマの言葉を受けて、アレルヤはニコリと微笑む。
「別に良いよ。隠すようなことでもないし」
「ありがとうございます」
「お礼を言われるようなことでもないよ?」
クスクスと笑う彼に釣られて笑っていると、本当に僅かだったが敵意を感じ、ちらりと視線をそちらに向ける。
いたのはハレルヤだった。
嫉妬だろうか…だとしたら、本当に大人げない事である。
「……別にあちらは気になりませんけど」
「え?何か言った?」
「いえ。何でもありません」
小声での呟きが聞こえたのだろう、首をかしげた彼に頭を振ってみせる。こういう争いは彼の知らないで良い部分だ。むしろ知らないで欲しい。知ってしまったら彼はちょっとだろうと困ってしまうだろうから。
……それ以前の問題で、鈍感な彼が気づくと到底思えないのだが。
「で、乗るのは一体どういう組み合わせにするのですか、カタギリ」
「そうだねぇ…アレルヤとティエリアが一緒なのは当然として……メインは二人だし、ここは四人で良いと思うよ。それから三兄弟は離さないとして…あぁ、異端と狩人が乗り合わせるのも精神衛生上良くないかもねぇ…」
と、眼鏡にポニーテールの狩人が考えた結果。
四人乗りの一つめにはアレルヤ、ティエリア、ハレルヤ、ソーマの四名。
二つめには刹那、ロックオン、グラハム、カタギリの四名。
五人乗りのにはトリニティの三兄弟及びケットーシーの二人組が乗ることになった。