式ワタリによる、好きな物を愛でるブログサイト。完全復活目指して頑張ります。
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今日が第三話目ですね。
ということで第二話、ツインドライヴのMS視点。
……本当にこんな理由だったら、何か…イアンさん辺りが泣きそう。
「よ、エクシア……じゃなかった、ダブルオーか」
「違う。エクシアだ」
「……セラヴィー、改名の説得は失敗したのか?」
「あぁ。そんな反応の困る名前をもらったところで、嬉しくも何ともないのだそうだ」
憮然とした面持ちで言うセラヴィーに、ケルディムは思わず苦笑を浮かべた。様子からして、多分、返ってくる間中ずっと言い聞かせ続けたのだろう。けれどそれで折れるダブルオーではなかった、という話のようだ。
……にしても、よく折れなかった。無駄な方向に使ってしまっているその意志の強さを、何でもいいので別方向へと活かしてくれないものだろうか。武力介入は頑張っているので、それ以外の何かで。
というか、そんなに新しい名前は嫌か。
溜息を吐いて、ケルディムはダブルオーの肩に両手を置いた。
「いいか、ダブルオー」
「エクシアだ」
「だからお前はダブルオーなんだって。とにかく、これはお偉いさんが決めたこと、決定事項なんだよ……分かるか?というかお願いだから分かってくれ」
「断る。理解したくない」
「…ケルディム、撃って良いか?」
「落ち着けセラヴィー!?」
バズーカを手にして半眼で呟くセラヴィーを慌てて止める。いくら自分たちに『死』という物が訪れないといっても、痛みを感じないわけではないのだ。精神体が弱れば、本体制御も甘くなることもあるらしいし……それ以前に仲間を撃ってどうする気だ。折角連れ戻したというのに。
どうすれば説得に応じてくれるのだろうか……ダブルオーだけでなく、セラヴィーも。ダブルオーの方は何とか改名してもらわなければ今後が困るし、セラヴィーの方は今すぐ説得しないと身の危険が迫る。どっちが最優先事項かと言えば、おそらくダブルオーを説得することだろう。そうすれば、セラヴィーも止まるはずだ。
痛み始めた胃を片手で抑えつつ、ケルディムはダブルオーの方を見た。ちなみにもう片手はセラヴィーを押さえている。
「ダブルオー、アリオスも格好良いと言ってたぜ」
「アリオスが?」
「そうそう」
食いついてきたのを認め、ケルディムは内心で笑みを浮かべた。
「だからな?アイツが帰る前に認めてダブルオーになっとけって」
「……どうせ、機体が…本体が格好良いという意味だろう」
「良く分かったな」
「セラヴィーそれ言ったらダメだっ!」
制止の言葉は遅く、ダブルオーの耳にはバッチリとセラヴィーの言葉が届いていた。
フン、と鼻を鳴らしてそっぽを向いたダブルオーを見て、ケルディムは第一ラウンドの敗北を悟った。アリオスが帰ってくるまで、第二ラウンドはしない。絶対に負ける。
だが、そう考えないのがセラヴィーである。
彼はまだ手に持っていたバズーカをダブルオーの方へと向け、宣告するように言った。
「認めろ。認めなければあの機体に入ることを許可しない」
「いや…それって俺らの許可関係なく入れるし…脅しとしては意味無いんじゃないか?」
「構わない」
「…は?」
全く脅しになっていない脅しに、ダブルオーはあっさりと頷いた。
それから格納庫の隅へと向かい、そこにどすんと腰を下ろした。
一瞬の間。
「…まさか、ダブルオーの中に戻らないつもりか?」
「入るなと言われた」
「いやいやいや…お前、言われたからやるっていう殊勝なキャラと違うだろ」
これは当てつけだろうか。それとも意地…だろうか。
どうすればいいのかと頭を悩ませていると、ふいに、隣にいたセラヴィーがピクリと肩を震わせた。
「セラヴィー?」
「…敵襲だそうだ。俺は行く。ティエリアが機体に乗ったようだからな」
そうとだけ残し、消えるセラヴィーを呆然と見送って、我に返って直ぐさま事の重要性を悟る。警報の音に、悟らざるを得なかったと言うべきだろうか。
「ダブルオー、意見を曲げて本体の中に入れ!このままじゃセラヴィー一機で戦うことになるだろーが!お前が入らないと機体が動かないだろ!?」
「知らない」
「このままじゃアリオス帰ってこないぞ!?アイツ、アレルヤとずっとくっついてんだからな!?アレルヤが帰る場所を置いとかないと…」
「俺から会いに行けばいい」
「輸送艦落ちた後に!?泣かれるぞ!?」
とっさの一言だったが、それはどうやら的確に急所を抉ったらしい。
グッと言葉に詰まったダブルオーは、ついと顔を逸らした後に消えた。
その後に聞こえた『ダブルオー、目標を駆逐する!』というダブルオーのマイスターの言葉に、ケルディムは小さく安堵の息を漏らす。
…本当に良かった。名前どうこう、という酷く子供じみた言い合いのせいで、危うくプトレマイオスⅡが沈んでしまうところだった……。
ケルディムは苦労性。
精神体=コア的なもの
なので、精神体が宿っていないと機体が動かない設定です、実は。
「違う。エクシアだ」
「……セラヴィー、改名の説得は失敗したのか?」
「あぁ。そんな反応の困る名前をもらったところで、嬉しくも何ともないのだそうだ」
憮然とした面持ちで言うセラヴィーに、ケルディムは思わず苦笑を浮かべた。様子からして、多分、返ってくる間中ずっと言い聞かせ続けたのだろう。けれどそれで折れるダブルオーではなかった、という話のようだ。
……にしても、よく折れなかった。無駄な方向に使ってしまっているその意志の強さを、何でもいいので別方向へと活かしてくれないものだろうか。武力介入は頑張っているので、それ以外の何かで。
というか、そんなに新しい名前は嫌か。
溜息を吐いて、ケルディムはダブルオーの肩に両手を置いた。
「いいか、ダブルオー」
「エクシアだ」
「だからお前はダブルオーなんだって。とにかく、これはお偉いさんが決めたこと、決定事項なんだよ……分かるか?というかお願いだから分かってくれ」
「断る。理解したくない」
「…ケルディム、撃って良いか?」
「落ち着けセラヴィー!?」
バズーカを手にして半眼で呟くセラヴィーを慌てて止める。いくら自分たちに『死』という物が訪れないといっても、痛みを感じないわけではないのだ。精神体が弱れば、本体制御も甘くなることもあるらしいし……それ以前に仲間を撃ってどうする気だ。折角連れ戻したというのに。
どうすれば説得に応じてくれるのだろうか……ダブルオーだけでなく、セラヴィーも。ダブルオーの方は何とか改名してもらわなければ今後が困るし、セラヴィーの方は今すぐ説得しないと身の危険が迫る。どっちが最優先事項かと言えば、おそらくダブルオーを説得することだろう。そうすれば、セラヴィーも止まるはずだ。
痛み始めた胃を片手で抑えつつ、ケルディムはダブルオーの方を見た。ちなみにもう片手はセラヴィーを押さえている。
「ダブルオー、アリオスも格好良いと言ってたぜ」
「アリオスが?」
「そうそう」
食いついてきたのを認め、ケルディムは内心で笑みを浮かべた。
「だからな?アイツが帰る前に認めてダブルオーになっとけって」
「……どうせ、機体が…本体が格好良いという意味だろう」
「良く分かったな」
「セラヴィーそれ言ったらダメだっ!」
制止の言葉は遅く、ダブルオーの耳にはバッチリとセラヴィーの言葉が届いていた。
フン、と鼻を鳴らしてそっぽを向いたダブルオーを見て、ケルディムは第一ラウンドの敗北を悟った。アリオスが帰ってくるまで、第二ラウンドはしない。絶対に負ける。
だが、そう考えないのがセラヴィーである。
彼はまだ手に持っていたバズーカをダブルオーの方へと向け、宣告するように言った。
「認めろ。認めなければあの機体に入ることを許可しない」
「いや…それって俺らの許可関係なく入れるし…脅しとしては意味無いんじゃないか?」
「構わない」
「…は?」
全く脅しになっていない脅しに、ダブルオーはあっさりと頷いた。
それから格納庫の隅へと向かい、そこにどすんと腰を下ろした。
一瞬の間。
「…まさか、ダブルオーの中に戻らないつもりか?」
「入るなと言われた」
「いやいやいや…お前、言われたからやるっていう殊勝なキャラと違うだろ」
これは当てつけだろうか。それとも意地…だろうか。
どうすればいいのかと頭を悩ませていると、ふいに、隣にいたセラヴィーがピクリと肩を震わせた。
「セラヴィー?」
「…敵襲だそうだ。俺は行く。ティエリアが機体に乗ったようだからな」
そうとだけ残し、消えるセラヴィーを呆然と見送って、我に返って直ぐさま事の重要性を悟る。警報の音に、悟らざるを得なかったと言うべきだろうか。
「ダブルオー、意見を曲げて本体の中に入れ!このままじゃセラヴィー一機で戦うことになるだろーが!お前が入らないと機体が動かないだろ!?」
「知らない」
「このままじゃアリオス帰ってこないぞ!?アイツ、アレルヤとずっとくっついてんだからな!?アレルヤが帰る場所を置いとかないと…」
「俺から会いに行けばいい」
「輸送艦落ちた後に!?泣かれるぞ!?」
とっさの一言だったが、それはどうやら的確に急所を抉ったらしい。
グッと言葉に詰まったダブルオーは、ついと顔を逸らした後に消えた。
その後に聞こえた『ダブルオー、目標を駆逐する!』というダブルオーのマイスターの言葉に、ケルディムは小さく安堵の息を漏らす。
…本当に良かった。名前どうこう、という酷く子供じみた言い合いのせいで、危うくプトレマイオスⅡが沈んでしまうところだった……。
ケルディムは苦労性。
精神体=コア的なもの
なので、精神体が宿っていないと機体が動かない設定です、実は。
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