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「何か外が騒々しい気がするんだが…」
「同感。眠りてぇってのに出来やしねぇよ」
「そうか、ならば俺が永遠に眠らしてやろうか?」
「ゴメンだね。何なら俺がやってやっても良いけど?」
「それこそご免被る」

 宿で何をするでもなくのんびりとしていると、いつの間にかティエリアとハレルヤは同じ部屋の中にいた。おそらく、日頃の習慣とかそういう物のせいだろうと、ティエリアは勝手に推測している。特別仲が良いワケでもないのにこうなるのは、むしろそれしか無いというか何というか。

 まぁ、それはともかくとして。
 折角全ての異端の能力を使える相手が居るのだし、それを使わない手はない。

「ハレルヤ・ハプティズム、何かの能力を使って外の様子を探れ。この宿は機械の監視を受けていないから使っても支障はないはずだ」
「言われなくてもやってんだよ……てか、だからといってテメェに教える義理無くね?」
「無くとも伝えろ。そのくらいは構わないだろう」
「偉そうに……」

 ブツブツと言いながらも、ベッドに寝ころんだ状態で能力を展開、情報を収集している彼は割と真面目だ。教えるかどうかは別問題とか言っていたが、だからといってハレルヤが自分に情報を教えないことはないだろう。

 教えない情報……ふと、その単語を浮かべ、思い出したことがあった。
 ここに来る前に、屋敷で突然消えたアレルヤと刹那。その気配が消えてしまったのはどこなのかということを、彼は知っているはずだ。
 訊けば話すだろうか。それとも黙っているだろうか。

 ……どちらでも良い、とティエリアは頭を振った。話されないと言うことは、どうしても言わなければならないほどに重要ではないということ。そして、ティエリアはそういう話以外はハッキリ言うとどうでも良い。

「爆発だとさ。どっかの喫茶店で爆発があったらしい。誰かを狙ったモンらしいが……爆発の中心にあった席には、気付いたら誰もいなかったらしいぜ?計五人だから、いなくなったってのは直ぐに分かったっぽいけどな」
「…『いつの間にか』消えたというのは不思議だな。目立ちそうな物だが」
「だろ?それが変な所だ。ちなみに言っとくと、ソイツらの特徴は不明。凄く目立ったみてぇだから、直ぐに分かるだろうけどよ」

 それならば問題ないと、ティエリアは手元の本に目を戻した。
 目立つ、というのは良いことでもあり悪いことでもある。
 目立てば目立つほど人の注目を浴び、狙われている者は潜伏場所を知られ、愛される者はその観衆に守られることになる。

 さて、この場合の『目立つ』はどのような効果を及ぼすだろうか。…全ては、特徴が判明したときに分かることだが。

 などと思いながらページを捲り、ボスッという音に顔を上げた。
 音の正体は何てことのない、ハレルヤがベッドに突っ伏した音だったのだが。

「どうした」
「……特徴言うぜ…」

 その声には覇気が無く、呆れと言うよりは感慨を含んでいるように思えた。
 何でそんな声なのかと首をかしげたが、続きの言葉で納得した。せざるを得なかった。

「茶色い髪の女と、くせっ毛で褐色の肌の男、白髪で金眼の女、黒い長髪の女は二人いて、内、片方は紅い目だとよ」
「……そうか」

 二人ほど分からないのがいるが、そこまであの三人と特徴が被っていたら間違いない。
 それに、ハレルヤの場合は自分に伝えられる以上の情報を得ている。まさか、自分でデザインした容姿を間違えるわけもないだろう。
 というわけで、確定である。


「……どうして爆発に巻き込まれて居るんだ、あの三人は」
「俺が訊きてぇよ…」
 

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