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ようやく始動。
…何気に、ウイングは始めから大変なことになってますね。
作戦のために地球に降りようというときに、不運なことに敵に見つかってしまった。
とっとと倒して次に行きたかったのに……さらに不幸なことに、敵の機体に抱きつかれて、そのまま海に落ちることにまでなってしまったようで。
「こんなのに抱きつかれて海に落ちるくらいなら……いっそ、自爆でも…」
『ウイングッ!自爆とかするなよっ!』
ポツンと呟いた丁度その瞬間、ナイスタイミングとしか言い様のないタイミングで、唐突に通信が入ってきた。
画面を見れば、そこには紅の瞳の仲間の姿。表情からしてどうやら怒っているようで、それはまぁ……無理もないと思う。自爆するなと何度も何度も言われているのに、懲りもせずに実行に移そうとする自分に、むしろ怒らない方が変だ。
だからといって、決して止める気はないのだけども。
というか、それより。
「何故、俺が自爆しようかと考えていると分かったんだ?」
『そんなの勘だって、勘。何となしに分かるんだって。ていうかお前、本当にやろうとしてたのかよ…分かってたけど何かな……とにかくっ!パイロットも大変だろうから、勝手な自爆だけは絶対にNGだからなっ!じゃないと一週間口聞かないからなっ!』
「分かった。止める」
即答。
……デスサイズに口を聞いてもらえなくなると、ハッキリ言うとかなりの疎外感を抱くことになる。いつもいつも楽しげに全員に分け隔て無く話し掛ける彼に……というのはそう、とてもダメージが来るのだ。それに何より……そんな状態、どんな理由があったとしても自分に耐えられるわけがない。
だからウイングは、そのまま海へと落ちていくことにした。
「あー、何か凄く心配…」
デスサイズは、額に手を当て嘆息していた。
ウイングが注意を大人しく聞いてくれた様子で、それは良かったと思うのだが、何か起こってはいないかと心配な気持ちになる。どうやら向こうには敵が行ってしまったようだし……何とかするとは思う、が、やはり心配な物は心配なのだ。
それでも、だからといって、自分があちらに駆けつけるわけにも行かない。自分はともかくとして、自分のパイロットの方は彼の存在を知らないだろうから。
どうしようかと考えた末、どうしようもないとの結論を出す。
遠いところにいるのだし、まぁ、仕方がないと言うことで。
というわけで。
「ストレス解消のために、ここのMSには犠牲になってもらうかなっ!」
鎌を振り上げながら早速、破壊するべき群衆へと振り下ろした。
何と言うか……と思うことがある。
(歩いて来たら、絶対に見つかるよね……)
こんなに大きい的だし、見つからないことはないだろう。
けれど、それは口にしない。
伝えるためには実体化しなければならず、そこまでする内容でもないし。
何より、自分は道化師。
黙って行動するのが仕事だ。
「作戦終了ってところかなー」
足元に転がるMSの残骸を見ながら、呟く。
軽く伸びをして、全てをパイロットに委ねる。何だか、たった少しの行動だけだったのに……疲れた。緊張していたのかも知れない。
そんな自分を薄く笑って、ふと視線を投じる。
「他のみんなは……ちゃんと来たかな…?」
武器を振り回しながら、ナタクは叫んでいた。
「……弱い!」
もっと強い相手と戦いたいというのに、これは何と言うことだろう。
全てを破壊し尽くして、咆える。
「もっと強いヤツはいないのか!?」
『そこ、近所迷惑だから叫ばない方がいいよ?』
と、ふいに通信が入り、画面に映り出たのは砂漠方面にいるらしい仲間。
「サンドロックか。そちらの状況は?」
『問題なし。そっちは…訊く必要はないね。見ただけで分かる』
クスリと笑い、彼は軽く手を振った。
『じゃ、ナタク、また今度ね。次は五人一緒に本体ごと会いたいなぁ』
「それは無茶という物だろう…」
呆れながらも、それが出来たらどんなにいいかと…そう思った。
ウイングたちは、最初から知り合いっていう設定です。
…ていうか、ウイングって凄く大変な初回。敵に見つかって海に落ちて…。
けど、大変さなら他の機体も負けてないと思う。