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ちょっと前の話なんですけどね、とあるお店に折り紙があったんです。無料で配っているヤツが。
で、ちょっと興味が湧いて、いってみたら紫色のが見えるじゃないですか……
スイッチ、入りました。
紫があるならオレンジも青も緑もあるよねっ!?
という勢いで探し出して(ちょい待て高校生)、マイスターズカラーの鶴を折り上げまして。
彼らは今、パソコンの傍らで四体そろって飾ってあります。
お話は下から~
03.行方知れず
「ハロー、どこ行ったーっ?」
ロックオンは、今、トレミーの通路にいた。
本当ならこの時間は、部屋でゆっくりと読書を楽しむ予定だった彼が、疲れているのにどうしてこう歩き回っているかというと。
それは、彼の相棒が突然いなくなったからである。
別に、いつも一緒にいるわけではない。一人でいたいときもあるし、ハロが充電中で置いていくしかない時もある。他にもハロのメンテナンスがあったり、いろいろと。
だが、どのパターンであっても『いなくなる』というのは事前にお互い、知らせ合っているいるのだ。今回のように、突然消えることはない。
「あいつ……どこ行ったんだよ……」
頭を掻きながら、行ってみたところを思い返してみる。
まず、一番有り得そうだと思ってイアンの所に行った。
次に、置いてきたか?(それはないと知っていたけど)と考え、デュナメスの所に。
どちらにもいなかったから食堂、休憩室、操縦室、さらには治療室まで……とりあえず皆で使うスペースには、だいたい行った。
結局、それらの場所にもいなかったわけだが。
となると、残っているのはクルーの個室。
ロックオンの部屋はすぐに除外できる。さっきまでそこにいて、ベッドのシーツを捲ってまで探したのだから、いないことは間違いないだろう。
スメラギの部屋も違うと思われる。ハロだって、酒を飲んでいる彼女の恐ろしさは知っているはずだ。いや、今、彼女が酒を飲んでいるかは分からないけど。けれども、その可能性がある限り、あの賢いAIがわざわざ向かっていくとは思えない。
それと似たような理由から、ティエリアの所もあり得ない。機嫌が悪かったら、それこそスクラップにされてしまうかもしれないからだ。普段から、ハロのことを認めてはいるものの目障りだと思っているらしいし……。
刹那の所は……無いとは言い切れない。あまり話したりはしないようだが、それほど険悪な仲ではないようだから。ただ、何の理由もなく行くことは無いだろうから、やっぱり確率は低いと言える。
フェルトの所にいたとしたら違和感はないが、それはあり得ないと知っている。食堂のところですでに彼女には会っており、今日は一度もハロを見かけていないとの証言を得ている。むしろ、どうしてロックオンの傍にいないのかと心配してきたくらいだった。
……じゃあ、アレルヤの所は?
「あ、ロックオン、ここにいたんですね」
「ミツケタ!ミツケタ!」
と、丁度その可能性に思い至ったところで、後ろから声が二つほどかけられた。
立ち止まって振り返ると、そこにはハロを抱きかかえたアレルヤと、抱きかかえられて大人しくしているハロがいた。
「ハロ……お前、どうしてアレルヤと一緒にいるんだよ…」
「え?ロックオンが寄こしたんじゃないんですか?」
目の前までやってきたアレルヤからハロを受け取り呟くと、彼は不思議そうな顔をした。
ロックオンは首をかしげる。
「いや?いつの間にかハロがいなくなってたんだ」
「そうだったんですか……」
「で、アレルヤはどうして俺がハロをやったんだと思ったんだ?」
「えっと……ハロが、一人で僕の部屋に来たんです。どうしたのって訊いたらついてきてって言うんですよ。それでついて行ったら、ロックオンの部屋についたんです。だから、そうなのかなって思ったんですけど……」
違ったんですね、と笑うアレルヤを見ながら、ロックオンは納得した。
ハロはつまりあれだ。ちょっと疲れ気味のロックオンに癒しを持って行きたかったのだ。癒し=アレルヤという方程式は、しっかりとハロの中にインプットされているらしい。
とても良い相棒を持ったと心の中で感動しながら、ロックオンは笑った。