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本編と全くと言っていいほど関係のない話です。関係があったら怖いくらいです。
そんな話です。
CBで、わりとほのぼのめ。
01.ねこのしっぽ
「待つですーっ!」
叫びながら、ミレイナはプトレマイオスⅡ内を走っていた。
追いかけているのだが……どうしても、相手は自分よりも足が速いらしく、追いつくことができない。多分、これから後も追いつくのは難しいだろう。
それでもミレイナは追いかける。
何故なら……間違えて紛れ込んできてしまったらしい相手を、早く確保して遊びたいから、である。それ以上でも、それ以下でもなかった。
他の誰かに捕まえられた場合、相手は外に出されてそれで終わり……自分は相手と遊ぶことなく見送りをしなければならない、ということも有り得なくはない。遊ばせてもらえたとしても少ない時間だろうから、自分が捕まえることが一番なのだ。それが一番、相手と遊ぶ時間の増える手。
しかし、捕まらないのは事実で。
そんな相手を追いかけていけば、自然と他のクルーとも遭遇するものだ。
「ミレイナ・ヴァスティ、あれは一体…?」
「セイエイさんすみませんです!今は追いかけっこの最中なので説明は後でです!」
廊下で鉢合わせたダブルオーのマイスターに問われ、そう返してミレイナは刹那の傍をそのまま通り過ぎようとした。少しでも後れを取ってしまえば、きっと相手は自分を引き離して、結果としてミレイナは相手を見失うことになる。
だからそのままダッシュを続けていると、隣に刹那の姿。
「事情は分からないが……確保なら手伝う」
「捕まえてもしばらくは遊ぶですよ?」
「外に帰すなら問題はない」
そう言う刹那の言葉を本当と信じて、ミレイナは笑った。
「じゃあ、お願いするです!」
「分かった」
こうして二人は共に走ることになった。
しかし……相手の足はやはり速く、刹那でさえ追いつけない。少し遅れて彼の背中を追いかける形になっているミレイナから見て……刹那の方が僅かばかり速さが足りないようだ。分かってはいたが、手強い相手である。
「ミレイナ、目標はあの角を曲がった」
「了解です!」
ぴっと敬礼のマネをして、刹那の後を追いかけて角を曲がる。
そして相手は……いなかった。
「いないです…?」
「おかしい…ここを曲がったはずだが」
「です……あ、あそこのドアが開いてるです!」
ミレイナは一つの開いたドアを指さした。
あの部屋は……たしか休憩室。外の様子が見れる場所で、今は海に潜っているので海中の様子が見れる場所である。
そしてドアが開いていると言うことは…誰かがいると言うこと。
「あそこにいるのか?」
「分からないです…」
とりあえず行ってみた方が良いかもしれない。可能性はあるし。
そう決心したミレイナは、そうっとドアの所へと近寄り、こっそりと中を覗き込んだ。
そこにいたのは、一人の青年だった。
「あれ?刹那にミレイナ…どうかしたの?」
そして青年の腕の中には、丸まってい抱かれている子猫の姿。
子猫……そう、それこそが『相手』の正体で、いつの間にかトレミー内に入り込んでいた対象なのである。
「アレルヤ、その猫は」
「あぁ、さっき入ってきたんだけど……追いかけてたのかい?」
「猫さんと遊びたいです!」
「…なるほど。じゃあ、はい」
ニコリと微笑んで青年が差し出した子猫を受け取って、ミレイナはさっそく遊ぶことにした。直ぐに遊べるようにと、猫じゃらしを携帯していたのだ。
「さ、遊ぶです!」
逃げようとした猫のしっぽを掴んで、笑った。
「……ほどほどにね?」
「無邪気というか何と言うか…か」
「え?軽くだから大丈夫です?」
「そーいう問題かなぁ…」
「……違うと思う」
まさかここまで無邪気というか何と言うか状態ではないと思うけど。
…にしても……ハロウィン小説といい…なぜにミレイナと刹那で、最後にアレルヤが入ってくるんだろう……?
どうしてこういう三人組に落ち着くんだ…?