式ワタリによる、好きな物を愛でるブログサイト。完全復活目指して頑張ります。
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ようやくスタートSDFCの学園モノ。
学園だし何だしで、擬人化です。
物凄い速さで黒板に書かれていく文字を、デスサイズは飽きれながらも眺めていた。
これがちゃんと授業のための行為であるなら、きっと別の反応をしたんだろうと思う。熱心な先生だと感心すら覚えたかも知れない。そのくらいの勢いなのだ。
けれど、これは決して授業のための行為ではない。断言させてもらう。
何せ、教師が教師、である。
「……今回の範囲はこの程度か…」
問題のその教師がことんとチョークを起き、ふっと息を吐いた。
それからクルリと黒板から自分たちの方へと体を反転させ、一人の生徒をビシリと指さした。一人の生徒……そう、ウイングに。
そして、高らかに宣言するように言った。
「そういうわけだから決闘だ!」
「何がどういうワケでそういうわけになるのか知ないが……俺はやらないからな」
「ウイング以外の生徒は黒板を写した後は自習だ!」
「……聞いてないな…」
溜息を吐くウイングの肩を、デスサイズはポンと叩いた。本当に……同情させてもらう。
ちらりとこちらを見た彼に、ヒラリと手を振る。
「ま、適度に頑張ってこいよ」
「行くことは決定済みか」
「いやだって、最近はお前も素直に行ってるしさ」
今回もだろ?と訊けば、あぁ、という肯定が返ってきた。断り続けても懲りないこの教師の口を封じるには、決闘に応じる、ただそれだけの手段しかないために、彼が行くことは決定事項だった。
立ち上がって教師……エピオンの後を付いていくウイングを見送って、早速ノートを開いて黒板を写す。決闘が好きすぎて授業を放り出すことがしばしばである教師でアレ、それを補ってなお余りあるほどの優秀さがある。あの黒板には、今日やる予定だった内容が、綺麗に纏めて記されていることだろう。ならば写さないのは損というものである。
しかし……今日もやはりというか、絶対にエピオンは放課後あたりにでもトールギスⅢに怒られるのだろう。職員室に行けば、正座しているエピオンの前で椅子に座って小言をいくつも零しているトールギスⅢの姿が見れるかも知れない。見る来もないけれど。
しばらく経ってノートも綺麗に纏め上げたデスサイズは、ぐっと伸びをした。
それからエピオンのことを思い出し、苦笑しながら呟く。
「いや、何てーか……懲りないな」
「エピオンだしねぇ……仕方ないんじゃない?」
「懲りなかったからこその、ウイングのあの大人しさだろう」
『執念の勝利、かな?』
返事があるとは思っていなかった呟きに答えが返ってきて、クスリと笑みを浮かべた。
「お前ら……」
その後、いつの間にか集まっていたいつものメンバーに問いかけてみる。
答えの予想は付いているが。
「ノート、写した?」
「もちろん。終わったよ」
『同じく』
「……」
返事は、想像したとおりで一人ほど無言だった。
はぁ、と溜息を吐いてナタクを見る。
「ノートくらい取れよ…」
「せっかく分かり易いのに…もったいない」
『ていうか、ノートすら開いてないし…机の上に何もないよ…?』
三人での責める言葉に冷や汗をかきながら、ナタクは明後日の方向を見た。とりあえず、自分がしていることが学生としてかなり致命傷なのは……きちんと自覚しているらしい。
それから、言い訳のように一言。
「……別に、ノートを取ろうが点は変わらん」
「だよねぇ。いつも赤点だね」
ニコリと笑うサンドロックの突き刺さりそうな言葉に、一瞬だけナタクの体が揺れた。本当に刺さったようだ。
デスサイズは頬杖を付いた。
「ナタク……勉強しても、いつも赤点だよな」
『資質がある、としか言えないよね』
「嫌な資質な…てか」
さらさらとハンドサイズの持ち運び式の小さな手帳に文字を綴っていく手を見ながら、一応、ツッコミは入れておくことにした。
「ヘビーアームズの場合、言うっていうか書くじゃないか?」
『かもね。でも感じは同じ』
「…ま、それもそうか」
コミュニケーションとは、言ってしまえば意図さえ伝われば良いのだし。
そこら辺はヘビーアームズと一緒にいると、本当に良く分かる。そういうのの何よりも分かり易い例が彼だろう。
そんなことを思っていると、階下が騒がしくなってきた。
「始まったか?」
さて、今回はどちらが勝つのだろう。
机の中に忍ばせてある救急セット簡易版に触れつつ、思う。
できれば両者とも、怪我が少なくあってほしいのだけど。
デスサイズは手当係。
というかふと思ったのですが、ナタクって高校受かれるの…?そこは…あれか、みんなで頑張ったのか。
これがちゃんと授業のための行為であるなら、きっと別の反応をしたんだろうと思う。熱心な先生だと感心すら覚えたかも知れない。そのくらいの勢いなのだ。
けれど、これは決して授業のための行為ではない。断言させてもらう。
何せ、教師が教師、である。
「……今回の範囲はこの程度か…」
問題のその教師がことんとチョークを起き、ふっと息を吐いた。
それからクルリと黒板から自分たちの方へと体を反転させ、一人の生徒をビシリと指さした。一人の生徒……そう、ウイングに。
そして、高らかに宣言するように言った。
「そういうわけだから決闘だ!」
「何がどういうワケでそういうわけになるのか知ないが……俺はやらないからな」
「ウイング以外の生徒は黒板を写した後は自習だ!」
「……聞いてないな…」
溜息を吐くウイングの肩を、デスサイズはポンと叩いた。本当に……同情させてもらう。
ちらりとこちらを見た彼に、ヒラリと手を振る。
「ま、適度に頑張ってこいよ」
「行くことは決定済みか」
「いやだって、最近はお前も素直に行ってるしさ」
今回もだろ?と訊けば、あぁ、という肯定が返ってきた。断り続けても懲りないこの教師の口を封じるには、決闘に応じる、ただそれだけの手段しかないために、彼が行くことは決定事項だった。
立ち上がって教師……エピオンの後を付いていくウイングを見送って、早速ノートを開いて黒板を写す。決闘が好きすぎて授業を放り出すことがしばしばである教師でアレ、それを補ってなお余りあるほどの優秀さがある。あの黒板には、今日やる予定だった内容が、綺麗に纏めて記されていることだろう。ならば写さないのは損というものである。
しかし……今日もやはりというか、絶対にエピオンは放課後あたりにでもトールギスⅢに怒られるのだろう。職員室に行けば、正座しているエピオンの前で椅子に座って小言をいくつも零しているトールギスⅢの姿が見れるかも知れない。見る来もないけれど。
しばらく経ってノートも綺麗に纏め上げたデスサイズは、ぐっと伸びをした。
それからエピオンのことを思い出し、苦笑しながら呟く。
「いや、何てーか……懲りないな」
「エピオンだしねぇ……仕方ないんじゃない?」
「懲りなかったからこその、ウイングのあの大人しさだろう」
『執念の勝利、かな?』
返事があるとは思っていなかった呟きに答えが返ってきて、クスリと笑みを浮かべた。
「お前ら……」
その後、いつの間にか集まっていたいつものメンバーに問いかけてみる。
答えの予想は付いているが。
「ノート、写した?」
「もちろん。終わったよ」
『同じく』
「……」
返事は、想像したとおりで一人ほど無言だった。
はぁ、と溜息を吐いてナタクを見る。
「ノートくらい取れよ…」
「せっかく分かり易いのに…もったいない」
『ていうか、ノートすら開いてないし…机の上に何もないよ…?』
三人での責める言葉に冷や汗をかきながら、ナタクは明後日の方向を見た。とりあえず、自分がしていることが学生としてかなり致命傷なのは……きちんと自覚しているらしい。
それから、言い訳のように一言。
「……別に、ノートを取ろうが点は変わらん」
「だよねぇ。いつも赤点だね」
ニコリと笑うサンドロックの突き刺さりそうな言葉に、一瞬だけナタクの体が揺れた。本当に刺さったようだ。
デスサイズは頬杖を付いた。
「ナタク……勉強しても、いつも赤点だよな」
『資質がある、としか言えないよね』
「嫌な資質な…てか」
さらさらとハンドサイズの持ち運び式の小さな手帳に文字を綴っていく手を見ながら、一応、ツッコミは入れておくことにした。
「ヘビーアームズの場合、言うっていうか書くじゃないか?」
『かもね。でも感じは同じ』
「…ま、それもそうか」
コミュニケーションとは、言ってしまえば意図さえ伝われば良いのだし。
そこら辺はヘビーアームズと一緒にいると、本当に良く分かる。そういうのの何よりも分かり易い例が彼だろう。
そんなことを思っていると、階下が騒がしくなってきた。
「始まったか?」
さて、今回はどちらが勝つのだろう。
机の中に忍ばせてある救急セット簡易版に触れつつ、思う。
できれば両者とも、怪我が少なくあってほしいのだけど。
デスサイズは手当係。
というかふと思ったのですが、ナタクって高校受かれるの…?そこは…あれか、みんなで頑張ったのか。
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