[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
平和なお話が欲しいです。
…欲しいって言うか、書きたいって言うか。
でも、一番書きたいのはきっとギャグか、あるいはそれの真逆の話。
04.どこへ行くの
「九度七分」
刹那が渡した体温計の数字を読み上げたアレルヤは溜息を吐いた。
「完全に風邪だね。最近、風邪引くようなコトした?」
「……いや」
最近の動向を思い出してみるが、あまりそれらしいモノは見つからない。
ちゃんと三食取っているし、水の中に飛び込むことも無くなった。必要がないから。トレミーの中は冷暖房完備なので、寒すぎてということも可能性としては低い。だから多分、昨日の夜にダブルオーのメンテナンスのために格納庫で夜遅くまで作業していて、いつの間にか眠っていた事は全くの別問題だ。
そう言うと、呆れたような表情が浮かべられた。
「……そんなワケないってば。それが原因だよ、絶対に」
「そうなのか?」
「そうだよ……いやね、刹那の体が頑丈な方なのは分かってるけどね?格納庫の中で布団も何も掛けずに寝てたって言うのは……さすがにマズイと思うんだけど」
「……そうか」
額に貼ってある冷却シートの上に右腕を乗せ、嘆息する。
何と不注意な行動をしてしまったのだろう。もし今すぐ敵が来たら、ダブルオーの操縦は難しいどころか不可能だ。ただでさえ熱のせいで頭がボウッとしているというのに、出て行けば敵の良い的にされてしまうだろう。完全に足手まといだ。
そして一人でも欠ければ、相手は強いのだから危機に陥る事も多くなる。
今更ながらに自分の体調の悪化による問題の重大性が、ヒシヒシと感じられた。
「……悪い」
「ん……この状況について?」
「あぁ。皆を危険に……」
「刹那」
とん、とアレルヤは剥いていたリンゴとナイフを机の上に置いた。
そうして降ってきた微笑みに戸惑う。
「……どうして笑っている?」
「刹那らしいなぁって思って」
アレルヤは、今度はクスクスと笑い声と共に言った。
「大丈夫だよ。人間なんだし風邪くらい引くことはあるから、誰も責めてないし。呆れはされていたようだけどね」
「ティエリアか……」
「うん。あとスメラギさんやフェルトやイアンさんや……というか、四年前からの知り合いは全員。他の数名は反応に困ってる感じかな」
「だろうな」
彼の言葉に、ベッドに横たわったまま頷く。
とりあえず、自分のガンダムに対する思い入れは凄まじい物があると、そのくらいは自覚している。周りの様子から自覚をせざるを得なかったというべきかもしれないが、とにかく自覚はある。
だからこそ、会って間もない彼らが戸惑うのも無理はないと思えるのだ。
「そのうち慣れるだろうけどね」
「慣れるものなのか」
「慣れるよ。僕らだって慣れたし」
「……それもそうか」
「でしょう?……あ」
ふと、何かに気付いたようにアレルヤの手が冷却シートへとのびる。
何だろうと見ていると、シートは彼の手によって剥がされた。
「もう一時間近く使ってるし、君の熱は下がってないから……そろそろ取り替えないとね。えっと……あれ?もう新しいシート無くなってる?」
「……だな」
机の上にあるのは、剥きかけのリンゴとナイフ、体温計、タオル……そのくらいのもの。ゴミ箱の中は色々な物であふれかえっており、中には冷却シートの姿もあった。
参ったなぁ、と頬を掻いたアレルヤは、そのままベッド傍の椅子から立ち上がった。
その腕を、思わず掴む。
「……刹那?」
「どこに行くんだ?」
「医務室だよ。新しいのもらってこないと」
「別に良い。ここにいろ」
刹那の言葉に驚いた様に目を見開いたアレルヤだったが、しかし、やはり微笑みを浮かべてやんわりと腕を離した。
「ダメだよ。ここで適当にしたら悪化しちゃうかもしれないし。直ぐ戻るから」
「……分かった」
「ふふっ……熱が出ると、人って心細くなるのかな?」
「……そんなのじゃ」
ない、と言おうと思って、止めた。
何で彼を引き留めたのか、その理由はイマイチ自分でも理解できていなかった。
ふと思ったのですが…風邪ネタ、刹アレでしか使ってない気がする…のは、気のせいなんでしょうかね。
何でだ…?