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本当に、ごめんなさい。
それから、
ビリー好きの人、すみません。
こんなキャラにしてすみません。ホントに……。
02.サンダル
グラハムは今、滅多に足を踏み入れない部屋に向かっていた。
そこは開発室というか……とりあえず、諸々の研究が行われている所で、今ではエイフマンとビリーの専用室のようになっている場所だ。
何故彼がそちらに向かっているかというと、つい先ほど会ったエイフマンに、ビリーに書類を届けるように頼まれたからである。彼自身は別の用事があるとかで、すぐにどこかへ行かなければいけなかったらしい。
別に急ぎのものだとか、そういうわけではないそうだが……できるだけ早いほうがいいだろう、こういうものは。
中身は見ていないが、表紙を見るだけでもフラッグに関する何かが記されている、と分かる。急ぎではないそうだから、それほど何かが変わるわけではないのだろうけど……それでも研究を続け、よりフラッグを良いものにしようとしてくれているのが分かる。
フラッグファイターとして、それはとても喜ばしいことだ。
彼らの、自分たちが生きて返ってくる確率が1%でも上がるように、という心意気が伝わってくるのだ。喜ばずに、どうしろというのだろう?
だが……それでもガンダムには及ばないのも事実。
……それでもかまわんさ。
ならば、性能が届かない分、実力で埋めてしまえばいいだけの話。
実に簡単な話なのだ。
それを実行する、それだけの技量が必要ではあるが……。
「カタギリ、入るぞ」
目当ての部屋に着き、ドアを軽くノックして開く。
そこには、当然ビリーの姿があり。
それから………床一面のサンダル?
「………これはどういう状況だ?」
「やぁ、グラハムかい?実はサンダルの整頓をしていてね」
「整頓……?」
まさか、整頓するほど同じものがたくさんあるとは。
などと漏らすと、ビリーはとんでもない、という顔をした。
「同じじゃあないよ」
「何?」
同じではない?
この、どこからどう見てもサイズ、デザイン、素材(はそうだとは言い切れないが)が同じこれらが?
グラハムの疑惑の視線を感じたのだろう。ビリーは床にあるもの、そのうち二組を無造作に手に取る。
「これはね、マイナスイオンが発生するんだ。こっちは普通のよりも通気性がいい」
「…どうやって見分けているんだ?」
「簡単だよ。ほら、こっちのにはここに汚れがあるだろ?」
言われた所を見ると、たしかにシミのような汚れがあった。
が、それは一目で気づけるものではないだろう。
「こっちは、ここが欠けてる」
指されたのはかかとの部分。ほんとうにちょこっとだけ、欠けている。
……………だから、一目で見て分かるものではないというに。
ビリーは、そのサンダルをじっくりと見たわけではなく、ちらりと見た、それだけなのだ。なのにどうしてそういう特徴に気づけるのか…。
呆れるよりむしろ感心しながら、グラハムは別の一組を指さした。
「あれは?」
「あれはね、保温性が高いんだ」
「では、あれは?」
「あれかい?あれは軽めなんだよ」
「ほう……なかなかおもしろいな。あれは?」
「あれはね……」
……そして、このサンダル談議は用事を済ませたエイフマンが部屋に戻ってくるまで続いていたという。
本当にすみません……。