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なんていうか。あれです。
感覚麻痺してきた……人、死にすぎだもの。
そのうち、何か書きたいと思うけれど……。
02.空き箱
親戚のおじさんが箱詰めお菓子を持ってきてくれた。それはつい昨日のことだったのに、今ではもう、中身はきれいに無くなっている。
そうなったことの原因の一端を担うニールは、それでも何だか食べたりなくて、母親にもっとお菓子はないのか、とねだってみた。
すると母親は食べ過ぎてはダメ、と言って、代わりにお菓子の入っていた箱をくれた。
残念ではあったけれど、それでもニールは機嫌が良かった。
箱のおかげである。
その箱は金属製で、叩けばカンカンと澄んだ音が鳴る、とても丈夫なものだった。大きさもあって申し分ない。つまり、箱が気に入ったのだ。
箱を自分の部屋に持って行って、ベッドの上に乗って、それから考える。
さぁ、あれの中に何を入れようか?
お気に入りのオモチャ?
近所の人からこっそりもらったお菓子?
見られたくないテスト?
細々とした、いろいろな贈り物たち?
隠しておきたい大切なもの?
さぁ、いったいどうしようか?
しばらく難しい顔で考え込んでいたニールは、いきなり明るい表情になった。
いい案が、浮かんだのだ。
思い立ったら、すぐに行動を。
ニールはその言葉の通り、すぐさま行動を起こした。
机の所に行って、引き出しから取り出した一枚のコインを箱の中に入れる。
このコインはお金ではない。いや、お金ではあったらしいけれど、それは数百年も前の話で、今では単なるコインとしての価値しかない。
これは、お菓子をくれたおじさんとは別の、親戚の人の家に行ったときにもらったもので、それ以来ちょっとした宝物になっている。
それから、机とベッドの間を何回か往復した。
ある時は綺麗な色の石を持って。
ある時は誕生日に送ってもらった小物を持って。
ある時はみんなで撮った写真を持って。
そう。ニールは箱に宝物を入れることにしたのだ。
あらかた移し終えて、ニールは箱のフタを閉じた。
そしてズッシリと重くなったそれを、ベッドの下にゆっくりと隠す。
これは、誰にも教えないことにしようと決める。
これは、自分だけの小さな秘密。
捏造幼少でした。
彼は一般の家庭の子だったから、こういうこともあったかなって……。