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「起きて……ねぇ、デュナメス、起きてってば…」
「んあ……あ?キュリオス?」
「ようやく起きたか」

 ホッとした様子のキュリオス、呆れ顔のヴァーチェ、こちらを気にせずハロとHAROで遊んでいるエクシアを見て、最後に未だに伸びているケルディムを見て、実は二度寝中だったデュナメスは首を傾げた。何で此処にハロとHAROがいるのだろうか。
 その疑問を読み取ったらしい。ヴァーチェが溜息でも吐きそうな様子で口を開いた。

「例の屋敷に一度戻って回収してきた」
「ふぅん……なるほど」

 やはりおいていくのはマズかったのだろう。
 そこは納得して、では、とキュリオスの方を見る。

「お前、何か持ってきた?」
「あ……うん。調べてみたい物があって」
「調べてみたい物?」
「ちょっと大きくて、袖の中に入れているんだけど…少し重いかな」

 えへへ、と笑うキュリオスの付けている、袖を模った装飾品。ソレの中は異次元とも言い難い、別の広い空間……とも違う、良く分からない場所に繋がっているらしい。そしてそれは袖の力でなくキュリオスの力で、つまりは出し入れは彼の思うようにしかいかないというわけだ。

 にしても、それでも少し重くなるとは。
 どんな物だと思っていると、一グラムちょっとだから、と注が入った。

「だから本当に少し。それほど違いはないよ」
「それでも珍しいよな。大分前だけど、大きな家をその中に入れてみたことなかったっけか?あの時は二グラム程度だっけな…」
「でも、あれよりはとても小さいよ。ただ…世界に存在する力は、コッチの方が上かな」
「……そんな話はどうでも良いんだが」

 ちらり、とアレルヤ、ハレルヤ、ソーマ、ライルの方を見て、ヴァーチェは再びこちらに視線を戻した。

「何があったんだ?ただならぬ様子なんだが…」
「あー……何かな、アレルヤがいなくなったって」
「……?いるだろう?」
「外見じゃなくて中身だと」

 曰く、体の中から心だけがさまよい出てしまったらしく。
 何と言うか、大変なことになっているなとデュナメスはしみじみと思い、心配しているのだった。付き合いは短いが、彼のヒトの良さはよくよく理解した。だから、そんな彼に問題が起こっているとなると……やはり心配になる。

 そこは誰もが同じだったらしい。キュリオスは目に見えてオロオロとしだしたし、ヴァーチェもピクリと眉を上げた。エクシアでさえ一瞬ほど動きを止めるという始末で、あぁ、やっぱり全員とも思うことは一緒かと、デュナメスは苦笑した。

「戻ってくる気配は無いらしい。それで、どこにいるかも分からない、と」
「俺が探してみようか」
「無理だと思うけどな…。システム・ナドレといえど、精神体を見つけるのは難しいんじゃないか?今までやったこと無いだろうけど。それに、やるとしてもしばらく先だ」

 まずは、そういう力を使わずに探してみるのが良いだろう。時によっては、そちらの方がより時間を短縮できることもあるのだから。
 僅かに悩む素振りを見せたヴァーチェも、そこは分かっているらしく頷いた。

「分かった。では、俺の力は最終手段だな」
「あぁ。出来れば使わない方が良いだろうけどな。もしもの時は頼むぜ」
「そうだな。珍しく裏表のないヤツだったからな……このままは気に入らない」

 素直に心配だと言えばいいのに。
 彼の言葉を聞いて、少し笑った。
 

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