[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
何週ぶりだろうか……本当に分からないぞ。
そんな感じの更新でごめんなさい。
帰ってきたサンドロックとウイングを見て、ヘビーアームズは目を丸くした。
珍しい…どころではない。今まで一度も目にしたことがなかった二人組が今、ここに結成されていたのだから。
赤飯でも炊くべき何だろうかと思いながら、どういうことかと視線で問いかける。
「あぁ、ちょっと色々あって」
「そういうことだ」
『その『色々』が気になるんだけど…』
筆談に切り替えて、書いた文面を二人に見せれば、二人は顔を見合わせた。
「え……一言で纏めたら『救急箱』?」
「間違ってはいないが…」
『ワケが分からないよ?』
「やっぱり?」
苦笑を浮かべながら答える彼に、こくんと頷いて返事をする。
それからもう良いよ、と手振りで伝えて再び作業に戻った。
どうせ、その内に分かることだ。今すぐなのか、少し後になるのかは分からないけれど、サンドロックが普通にちゃんと、始めから教えてくれるだろう。ウイングに説明を求めるのは……訊けば答えてくれるだろうが、きっと分かり易すぎる短い言葉だ。自分は長く詳しい説明が欲しいので、サンドロックの解説を待てばいい。
「ね、何やってるの?」
『手品のタネ仕込み』
「あぁ、そういえば手品が得意だったね」
自分と親しくなるキッカケを作り出した時と同様、気兼ねなく話し掛けてくる彼の言葉を心地よく思いながら、黙々と(話していないのだから、自然とこうなるわけだが)作業を続行する。別に今やらなくともいいのだが、できるのなら、早めに終わらせるにこしたことはないだろう。
そうして時間が過ぎ、ようやく作業が終わった頃に、隣に座っていたサンドロックがポツンと呟くように言った。
「ねぇ、君は知ってた?」
『何を?ウイングが自爆魔なこと?デスサイズが死神なこと?ナタクが無茶ばかりすること?君が怒ると怖いこと?』
「……えっと、うん、分かった。知ってたんだね…」
知らなかったのは僕だけかもしれないんだね、と溜息を吐く彼を見て、何か知らなかったことがあるのかと驚く。上げてみた四つの事柄は、自分にとっては当たり前すぎることだったので、彼が知らないというのはちょっと驚きである。
が、よくよく考えてみれば……不自然ではないのかも知れない。
自分が諸々のことを知ったのは、偶然に立ち聞きしてみたり、ちょっとした知り合いから聞いてみたりと……そんな理由から。彼が知らなくてもまぁ、こう考えれば不自然ではないのだろう。
部屋の隅で座って寝ているウイングを眺め、ふと、ヘビーアームズは首を傾げた。
『デスサイズとナタクは?』
「デスサイズの方はどこかに行っちゃって……ナタクの方は、僕も知らない。どこかに修行に行ってるんだと思うけど…夕食までには帰ってくるんじゃないのかな」
『そうなの?』
「推測だけど。今までのパターンで見たら、ね?」
そうでしょ?と問われて思い返す。
……確かに、夕食の時間は全員が揃っていた気がする。
『よく見てるんだ』
「え?」
心からの賞賛を込めて文字を書いたのだが、しかし、彼はキョトンとした表情を浮かべてこちらを見た。彼が浮かべていたのは、何でそんなことを…という表情で、むしろこちらが戸惑った。どうしてそんな顔をするのだろう?
互いの疑問が交錯する中、サンドロックが不思議そうに言った。
「隠されてた事でもないんだし……このくらい、普通でしょ?」
『…普通』
「そうそう。だから褒められるようなことじゃないんだよ」
『……そうなんだ』
成る程、彼にとってはそういうことなのかと、一人…心の中で納得する。
そうして微笑んで、さらりと紙の隅に小さく。
『君が橋渡しに選ばれた理由が…少し分かったかも』
「……?ヘビーアームズ、この字…小さすぎて読めないよ?」
『読めなくていい』
「えー?そういうのって、余計に気になるんだけどな…」
教えてくれないの?
そう言う彼に、今一度微笑みを浮かべ、答えの言葉を紙の中心に記した。
『内緒』
周りを見ているのはどっちもどっち、みたいな感じな気がするのですがね。