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団子って言うか、お団子……。



4:団子



 突如コロニーを襲った謎の現象。
 一部のヒトビトには不評であったり、何とも思われていなかったり、むしろ喜んでいたりと、それに対する反応は千差万別。
 そして、ここにいる女子たちには好評だったらしい。
「あそこまでテンション上がるもんなのかねぇ……」
 机に肘をついているのはマークⅡ。もちろん人間になっている。
 彼の前にはダブルゼータ、プラスも座っている。
 が、ゼータやメタス、さらには、りいなまでいない。
「てーか、ゼータは大丈夫なのか?連れてかれちまったけどよ」
「どうだろな……りいなちゃんが張り切ってたけど。あ、メタスちゃんもか」
「お楽しみって言われてもな…」
 パリパリと、せんべいをかじりながらの会話。そこはかとなくやる気がない様に感じるのは、多分間違いではない。
 彼らは『テンションが上がった女子の勢い』にさきほどさらされて、精神的に疲れているのだった。いや、疲れているのはもしかしたらマークⅡとプラスだけかもしれない。ダブルゼータはよくよく見るといつも通りだ。
 本来ここ、つまりは男子組にいるはずのゼータがいない理由。それは人間状態の彼の容姿に問題があったという他ない。
 背の高さはそれほど違うわけではなかった。若干マークⅡより小さい程度。それ以外のこともさほど差はない。
 ただ容姿だけ。容姿だけが何だか違った。
 簡単に言うと童顔というか。少女と少年の区別がつきにくそうな年代の顔をしていたのだ。その上、ある程度、顔が整っていたからもう……。
 とまぁ、そういうことでゼータは今、メタスとりいなによって着せ替え人形にされているはずだ。これはもう、同情するほか無いだろう。ゼータ自身は気にもとめていないようだったけれど……それは彼だから、ということで。
 一枚目を食べ終わり、マークⅡが二枚目に手を伸ばそうとした、丁度そのタイミングでドアが開いた。
 そちらを向くと、いたのはメタスとりいな。
 ……ゼータは?
 そう思ったのはマークⅡだけではないだろう。プラスも、ダブルゼータでさえも思ったに違いない。
「なぁ、ゼータは?」
「ゼータなら、私たちの後ろにいるよ」
「……そっちに行ってせんべいを囓りたいのは山々なんだが、二人が通してくれない」
 そうか、せんべいのためにこっちに来たいのか。
 何とも彼らしい物言いに苦笑する。
「三人とも、心構えはいい?」
「りいな……心構えって?」
「すっごい上手に着飾れたの!」
 ………………それは、見たいような。
「じゃあ、お披露目タイムーっ!」
 という言葉と共にメタスに引っ張られてマークⅡたちの視界に入ったゼータは、りいなの言うとおり上手に着飾れたお人形のようだった。これなら『女の子です』と言ってもだませるかもしれない。服もスカートだから。きっと、あれはりいなの持ち物だ。人間サイズの服を持っているのは、このなかだったら彼女だけだし。
 そして、頭。長かった髪がお団子にされている。しかもとても綺麗に。あれだけの仕事をするのはさぞ、大変だったろう。
 こちらに歩いてきたゼータはせんべいを取り、マークⅡの隣に座った。
「化けたな……」
「……?それはどういう……」
「いや、分かんなくていいから」
 しばらく首をかしげていたが、結局ゼータはせんべいの方に意識を戻した。


ゼータは絶対、自分の格好とか気にしないと思う。
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