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『ストライキ』なのにそろそろストライキじゃなくなってきてる奇跡。
しかも題名に『王子』ってあるのに、王子の姿が全く出てないこの話。
その電話が掛かってきたのはつい先ほど。
そして、その電話によって告げられた内容にため息を吐いたのもつい先ほどだった。
「…バカなことを」
『同感だぁ…でもな、本人は大まじめなんだぜ』
それだけで手に負えねぇよ。
電話先のスクアーロはそうぼやいて息を吐いた。
『んでどうすんだぁ?ベルはこのままで良いのかよ?』
「構わねぇ。気が済むまでやらせておけ」
『……え、マジで?』
「不服か?」
『不服ってーか…意外?てっきり力づくでも連れ戻せとでも言われるかと』
それも選択肢の一つではあるだろう。
だがしかし、相手はベルフェゴールなのである。今、彼は『ストライキ中』なのだと言った。連れ戻されたからと言って素直に仕事をするわけもないだろう。ならば、いようといまいと変わることはない。
ならば、好きなようにさせてしまうしかないだろう。幸いと言うべきか、あまり大きな仕事は入っていない。放っておいてもしばらくは支障は出ないはずだ。それに何より、そのくらいで困るようなヤワな組織であるつもりはない。…まぁ、突然に幹部三人が消えるのではさすがにギリギリかもしれないが。何せ『幹部』である。そこは認める。
それはともかくと、机の上に積んであった書類の中から数枚を抜き取り、電話を片手にザンザスは筆記具を手に取った。
「ベルフェゴールがいない期間の事は休暇扱いにでもしておく」
『…それストライキにならねぇんじゃ』
「あぁ。だから何だ?ストライキと言っているのはベルフェゴールだけだろう」
こちらが認めてやる道理などどこにも無いのであった。
それに。
「ベルフェゴールは睡眠時間さえ確保できれば良いんだろう」
『まーな、背ぇ伸ばしたいって言ってたからなぁ』
「つまり睡眠時間さえあれば良いんじゃねぇのか」
『……あ゛ー、かもしれねぇな…』
電話向こうから同意の声。
ストライキというものに括っているのならば話は別なのだが、単に睡眠時間が欲しいだけならば休暇でも良いはずなのである。
紙の上で筆記具を走らせながら、言葉を続ける。
「とりあえず二人に伝えておけ。後で休暇が減っていると喚かれたらかなわねぇからな」
『了解だぜぇ…で、そういやボスさん』
「何だ」
『一つ確認させろ。ちゃんと休み休み仕事やってっかぁ?』
「……」
その問いには、ザンザスは沈黙を持って返すことにした。
正直に言うと休んでなどいない。仕事はずっと続けているが生憎、休みの方だけは全く取っていないのだ。というか、休みを取る必要性が分からない。まさか倒れることもないだろうに。それならば問題はないだろう。
だが、スクアーロは口うるさく休め休めと言ってくるのだった。
そして、今回もやはり同様に。
『アンタ、朝からずっと執務室に籠もりっきりだろ?いくら書類が湧いて出てくるからってなぁ、休み一つ入れずにぶっ続けてやってんじゃねぇっての。あ、昼飯取ったかぁ?まさか飯抜きとか言うなよ?』
「…答える義理はねぇ」
ボソリと答えると、呆れたような声が響く。
『食ってねぇんだな。後で軽めで良いから何か食っとけぇ。とりあえずルッスに頼んどくからよ。そんなら問題ねぇだろ』
「ンな事されるくれぇなら自分でどうにかする」
『こういう事をされかかる前にどうにかしてくれよなぁ』
「煩ぇ。俺の勝手だ」
筆記具を机において、処理の終わった書類を別の山の一番上に重ねて置く。これで、あの三人のしばらくの休暇が確定した。
「つーか、どうしてテメェらまで巻き込まれてやがるんだ」
『成り行きとしか言えねぇよ…。最初は嫌だって言ったんだけどなぁ、ベルのヤツに押し切られちまって。当分帰れねぇよ…悪いなぁ』
申し訳なさそうな声に、全くだ、と答えれば「へ?」という間の抜けた返事。
『…アンタ本当にザンザスかぁ?』
「テメェがいねぇと当たる相手がいねぇだろうが」
『前言撤回だぜぇ、やっぱりアンタはザンザスだ』
「今更分かったのか」
クツクツと笑って、切るぞと一声かけて。
「それ以外の理由も無いこともねぇがな。とっとと帰ってこい」
ただそれだけを言い残して通話を切り、全体重を椅子にかける。
…さて、今の言葉をスクアーロはどう取っただろうか?…どう取ったのであれ、さぞかし面白い反応をしていることだろう。
何というか、間近で見れないのが残念である。
ザンザスの趣味の『スクアーロいびり』を出してみたかった話。
あと、スクアーロの良妻?っぷりを出してみたかった話です。
そして、その電話によって告げられた内容にため息を吐いたのもつい先ほどだった。
「…バカなことを」
『同感だぁ…でもな、本人は大まじめなんだぜ』
それだけで手に負えねぇよ。
電話先のスクアーロはそうぼやいて息を吐いた。
『んでどうすんだぁ?ベルはこのままで良いのかよ?』
「構わねぇ。気が済むまでやらせておけ」
『……え、マジで?』
「不服か?」
『不服ってーか…意外?てっきり力づくでも連れ戻せとでも言われるかと』
それも選択肢の一つではあるだろう。
だがしかし、相手はベルフェゴールなのである。今、彼は『ストライキ中』なのだと言った。連れ戻されたからと言って素直に仕事をするわけもないだろう。ならば、いようといまいと変わることはない。
ならば、好きなようにさせてしまうしかないだろう。幸いと言うべきか、あまり大きな仕事は入っていない。放っておいてもしばらくは支障は出ないはずだ。それに何より、そのくらいで困るようなヤワな組織であるつもりはない。…まぁ、突然に幹部三人が消えるのではさすがにギリギリかもしれないが。何せ『幹部』である。そこは認める。
それはともかくと、机の上に積んであった書類の中から数枚を抜き取り、電話を片手にザンザスは筆記具を手に取った。
「ベルフェゴールがいない期間の事は休暇扱いにでもしておく」
『…それストライキにならねぇんじゃ』
「あぁ。だから何だ?ストライキと言っているのはベルフェゴールだけだろう」
こちらが認めてやる道理などどこにも無いのであった。
それに。
「ベルフェゴールは睡眠時間さえ確保できれば良いんだろう」
『まーな、背ぇ伸ばしたいって言ってたからなぁ』
「つまり睡眠時間さえあれば良いんじゃねぇのか」
『……あ゛ー、かもしれねぇな…』
電話向こうから同意の声。
ストライキというものに括っているのならば話は別なのだが、単に睡眠時間が欲しいだけならば休暇でも良いはずなのである。
紙の上で筆記具を走らせながら、言葉を続ける。
「とりあえず二人に伝えておけ。後で休暇が減っていると喚かれたらかなわねぇからな」
『了解だぜぇ…で、そういやボスさん』
「何だ」
『一つ確認させろ。ちゃんと休み休み仕事やってっかぁ?』
「……」
その問いには、ザンザスは沈黙を持って返すことにした。
正直に言うと休んでなどいない。仕事はずっと続けているが生憎、休みの方だけは全く取っていないのだ。というか、休みを取る必要性が分からない。まさか倒れることもないだろうに。それならば問題はないだろう。
だが、スクアーロは口うるさく休め休めと言ってくるのだった。
そして、今回もやはり同様に。
『アンタ、朝からずっと執務室に籠もりっきりだろ?いくら書類が湧いて出てくるからってなぁ、休み一つ入れずにぶっ続けてやってんじゃねぇっての。あ、昼飯取ったかぁ?まさか飯抜きとか言うなよ?』
「…答える義理はねぇ」
ボソリと答えると、呆れたような声が響く。
『食ってねぇんだな。後で軽めで良いから何か食っとけぇ。とりあえずルッスに頼んどくからよ。そんなら問題ねぇだろ』
「ンな事されるくれぇなら自分でどうにかする」
『こういう事をされかかる前にどうにかしてくれよなぁ』
「煩ぇ。俺の勝手だ」
筆記具を机において、処理の終わった書類を別の山の一番上に重ねて置く。これで、あの三人のしばらくの休暇が確定した。
「つーか、どうしてテメェらまで巻き込まれてやがるんだ」
『成り行きとしか言えねぇよ…。最初は嫌だって言ったんだけどなぁ、ベルのヤツに押し切られちまって。当分帰れねぇよ…悪いなぁ』
申し訳なさそうな声に、全くだ、と答えれば「へ?」という間の抜けた返事。
『…アンタ本当にザンザスかぁ?』
「テメェがいねぇと当たる相手がいねぇだろうが」
『前言撤回だぜぇ、やっぱりアンタはザンザスだ』
「今更分かったのか」
クツクツと笑って、切るぞと一声かけて。
「それ以外の理由も無いこともねぇがな。とっとと帰ってこい」
ただそれだけを言い残して通話を切り、全体重を椅子にかける。
…さて、今の言葉をスクアーロはどう取っただろうか?…どう取ったのであれ、さぞかし面白い反応をしていることだろう。
何というか、間近で見れないのが残念である。
ザンザスの趣味の『スクアーロいびり』を出してみたかった話。
あと、スクアーロの良妻?っぷりを出してみたかった話です。
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