元就「解せぬ……! 何故、あの馬鹿鬼に、あのような形で敗北せねばならぬのだ!? そもそも、あの趣味の悪い改造船の砲があの状態で活きているものか!? 砲が無事でもあの口の部分の開閉機能が壊れているものではないのか!? 納得できぬ以上、我は断固としてやり直しを要求するぞ!」
半兵衛「……似たような叫びを昔、聞いたような気がするね?」
政宗「だな。叫びの度合いはあの時以上だけどな」
慶次「あっちでは幸村に負けて、こっちじゃ元親に負けて……相手が相手だし、こっちの方が、そりゃ、荒れるよなぁ」
元就「……前田慶次、後で日輪の裏へ来るがよい」
慶次「……あれ? その脅迫文句も前に聞いたことがあるような気がするんだけど?」
元就「実際、以前口にしているのだから当然であろう。貴様の記憶力は愚物以下か?」
慶次「き、記憶力は人並みにあるよ! 祭り仲間の名前はちゃんと全部言えるし!」
半兵衛「でも君って、学問に関わることだと一気に記憶力下がるよね」
慶次「は……半兵衛! お前、それは今言って良い台詞じゃ無いだろ!?」
半兵衛「おや、今この瞬間に口にするのに相応しい台詞だと思ったんだけれど?」
元就「ふむ。やはり愚者か」
慶次「ほら! 評価が思いっきり低くなったじゃんか!」
半兵衛「そうなるように狙って言ったんだから、当然の結果だよね」
慶次「酷い!」
政宗「……で、元就、言いたい事は最初に全部言い終えたのか?」
元就「あの程度で足りると思うのか?」
政宗「まさか。……で、だ。そんなアンタにpresentがある」
元就「……ほう? それは、スタジオの隅で足掻いている布袋のことか?」
政宗「That’s right! あれを捕まえるのは結構骨が折れたぜ? ま、どうにかなったが」
半兵衛「僕も協力したんだから、どうにかなるのは当然だろう?」
政宗「そりゃそうだな。正直、アンタが来てくれて助かったぜ。小十郎は協力渋るし」
半兵衛「そう言ってくれると嬉しいな。楽しかったし、片倉君も来れば良かったのにね」
慶次「……えっと、俺は全然関わってないから分かんないんだけど。あの中身、何?」
政宗「気になるか、風来坊?」
慶次「そりゃあね。見た感じ大人の人間大な気がするのが、ちょっとばかり怖いけど」
半兵衛「安心しなよ。何の罪も無い農民や足軽を詰めたわけじゃないから」
慶次「半兵衛の安心しろは安心できないんだよなぁ……」
元就「開けても良いのだな?」
政宗「OK。だが、その前に武器構えるの忘れるなよ」
半兵衛「手首と足首はしっかりと縛って、危険物は取り上げておいたけど。それでも万が一ということは起こり得るからね」
慶次「なぁ、お前ら本当に何詰めてきたの?」
元就「おおよその予測はついているが……まぁ、良い。開けるぞ」
元親「おいこら政宗! これは一体何のつも、り……………………あれ? も、毛利?」
元就「……政宗よ」
政宗「何だ?」
元就「これは我への貢物だと言ったな?」
政宗「言ったな」
元親「は!? 何が何でそうなってんだ!? 説明しろ政宗!」
政宗「見りゃ分かんだろ。詳しい説明は風来坊に出も聞け」
慶次「ごめん、急展開過ぎて俺にも何が何だか分からないんだけど。だから半兵衛説明!」
半兵衛「いやね、元就君、今回は元親君に負けただろう? だからかなり荒れると思って」
慶次「……それで?」
半兵衛「とばっちりを受けるのは嫌だから、怒りを鎮めてもらうために策を練ったんだよ」
元親「その結果がこれってか……って、オイ毛利! 無言で輪刀振りかざすの止めろ!」
元就「黙れこの馬鹿鬼が! 大人しく我に敗北するがよい!」
元親「無茶言ってんじゃねぇよ!」
政宗「西海の、縛ってんのは縄だから、気合い入れれば千切れるかもしれねぇぜ?」
元親「できりゃ最初からやってる! てか、縛った本人がそういうこと言うな!」
元就「ほう、余所見をするとは随分と余裕ではないか」
元親「え、いや、ちょっ、待っ」
元就「我が待つとでも? ……覚悟せよ」
元親「……っ! やなこった!」
慶次「あ、元親逃げた」
半兵衛「死に物狂いとはいえ、足首が縛られている状態。どこまで逃げられるかな?」
政宗「後で元就に訊いてみるか」
慶次「元親……無事だと良いな。最悪の場合でも死にはしないと思うけど」
半兵衛「……さて。前回に引き続いて今回も僕ら三人で採点タイムか。とはいえ……」
政宗「今回は風来坊の出番はzeroだし無しだろ。しかし、アンタ、魔王復活が終わってから随分空気だな?」
慶次「孫市と一緒に撤退したんだと思うし、そのせいじゃない? というかさ、」
政宗「何だ?」
慶次「酒井、って人……出番ないけどどうなったんだ? 大友軍と一緒に撤退したとか?」
半兵衛「それは……有り得るかもしれないね。だとしたら、流石に家康君が不憫だが」
政宗「戦国最強も倒れたしな。てか、あの黄色い玉、あんな能力があったんだな……」
半兵衛「大谷君の玉といい、意外な能力があり過ぎるよね。一度調べてみたいものだけど」
慶次「右目さんにスパッと切られてたよな、あの玉。あれって何でできてるんだろ……」
何だか色々と唐突だったなー、みたいなイメージな今回のアニメでした。
個人的には、元親が、元就のとどめを野郎どもに任せたことに驚いたっていうか。そりゃ、野郎どもにとっても元就は仲間の仇なわけではあるのだけれど。最後はアニキが絞めてくれても良かったと思うのですよ?
あとはやっぱり、謎ドームだろうか。あれ、自由に使えたら策の幅も広がりそうだよね。
次が最終話ですかね? どう終わるのか……天下統一はどうなるのか……。