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友禅菊(ユウゼンギク)
花言葉:老いても元気で、深い愛、など
もうほぼ夏終わりましたけど夏の話。
今回は三国伝で、淵と郭嘉のお話です。
花言葉:老いても元気で、深い愛、など
もうほぼ夏終わりましたけど夏の話。
今回は三国伝で、淵と郭嘉のお話です。
11:友禅菊 (ユウゼンギク/夏の憂鬱)
「夏候淵さん、その鎧どうにかなりません? 見てて暑いです」
陽の光が容赦なく降り注ぐ、夏の昼間。
突然かけられた声に振り向けば、そこには、鬱陶しいものを見る目をこちらに向けている郭嘉の姿があった。
何故そんな視線をこちらに向けてくるのだこの軍師は。
……と思ったのはほんの僅かな間。何故、の答えは彼が既に言っていた。
自身の黒い鎧へ視線をちらりと向け、小さく溜息を吐く。
ここ最近は非常に暑い日が続いているし、そんな中で鎧の黒い自分を見て、暑苦しいと思うこともあるだろう。だが、だからといってその感想を本人……つまり自分に、直接ぶつけてくるのはどうなのだろう。普通、思っても胸の内にしまっておくものではなかろうか。
なんだかなぁ、と思っている間にも、郭嘉の言葉は止まらない。
「脱げ、と言ってもどうせ聞かないでしょうし、そもそもこれから見回りですから防具を外されても困りますからそれは諦めますよ。不慮の事故とかに見舞われて戦力が減っても困りますからね。けど、それならせめて色ぐらい変えてくださいよ。白……だと光が反射して余計に鬱陶しいことにおなりそうなので嫌ですけど」
「なぁ、お前の先生、白色だよな?」
「先生はいいんです」
思わず入れたツッコミにさらりと返してから、彼は続けた。
「それで貴方の新しい色ですけど、錆色とかどうですか? 緑とか青とかはもういますし、錆色だったらそこまで黒くない上に白くないので、結構いけると思うんですよねぇ。駄目だったら塗り直せばいいだけですし……そうだ、思い立ったが吉日、って言いますよね! 今すぐにでも模様替えしましょう!」
「今から見回りだってのに、そんなことしてる暇ねぇよな?」
「大丈夫です、時間は取らせません。上から塗料をばさーっと降らせるだけですから!」
「……その手法を聞いて大人しく模様替えを受ける奴っていると思うか?」
「え、第一号になってくれないんですか?」
心底不思議そうな顔をする郭嘉に、夏侯淵は思いっきり否を突き付けた。
「誰がなるかっ!」
飾りとかがあって真っ黒とは言えないけれど、それでも結構黒い部分があると思う夏侯兄弟。
太陽の光が燦々と降り注ぐ夏場に黒い鎧で動き回るって、かなり大変な気がします。
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