半兵衛「さて、関ヶ原が始まったわけだが……結局、元就君も参戦したんだね」
政宗「しかも、しっかりと凶悪極まりねぇ兵器持参してやがるしな」
元就「馬鹿鬼を完膚なきまでに叩き潰すには、やはり容赦は不要であろう? それに……」
慶次「それに?」
元就「……ザビー教への対策は、どれほど行おうとも足りるということはあるまい」
半兵衛「そういえば大友軍も来てたね。早速一人、入信させていたようだったけど」
慶次「……なぁ、あの人から徳川軍にザビー教が広まったりしないよな?」
政宗「無いとは言い切れねぇが……嫌な想像だな。戦国最強がザビー教入りとか悪夢だろ」
元就「少なくとも、進んで想像したい光景ではないな」
半兵衛「まぁ、一人引き込んで満足したようだし、しばらくは放置しても大丈夫だろうね」
元就「いつ気まぐれを起こし、再び勧誘を始めるか分かったものではないがな」
半兵衛「そんなに不安なら、行動を起こされる前に燃やし尽せばいいじゃないか」
元就「それができれば苦労はせぬ。今はまず、馬鹿鬼を焼失させねばならぬのでな」
半兵衛「じゃあ、一刻も早く彼を打ち倒して、大友軍に狙いを定めることだ」
元就「言われるまでもない。骨も残さず燃やし尽してくれるわ」
半兵衛「うんうん、その調子だよ、元就君」
慶次「政宗、あの二人が怖い」
政宗「通常運転だろ」
慶次「確かに通常運転だけどさ! ていうか、何で半兵衛は笑顔で元就唆してんの!?」
半兵衛「いやだって、ザビー教って何するか分からないし。いないほうがいいかな、と」
元就「その意見には全面的に同意するぞ、竹中半兵衛よ」
半兵衛「元就君、君ならそう言ってくれると思ったよ。後で殲滅戦の策を練ろう」
元就「良かろう。確実に仕留めようぞ」
慶次「……わー、半兵衛も元就も本気だなー」
政宗「こうなったら、ザビー教のやつらも年貢の納め時だな」
慶次「殲滅戦、参加希望する奴結構いるだろうしな……殲滅阻止に走る奴もいそうだけど」
政宗「東西で分かれる今よりも、そっちの方が両軍とも団結強いんじゃねぇか?」
慶次「それは……うん、なんかありそう」
政宗「少なくとも、今の西よりはマシな団結見せるだろうよ」
慶次「今の西軍は……大友軍はザビー教への勧誘に夢中で、小早川軍は謀反だっけ?」
政宗「というよりは、西の為に動かなかったって方が正しいんだろうがな。で、黒田は」
慶次「鍵を見付ける為に風魔を探してるんだっけ。……うーん、本当にバラバラだなぁ」
政宗「全員の目標が妥当家康なわけじゃねぇから、仕方ねぇといえば仕方ねぇんだろうが」
半兵衛「でも、西軍が団結して東軍を潰そうとしたら、君たち結構大変なんじゃないかな?」
政宗「……ま、そりゃな。楽勝だとは言わねぇよ」
慶次「そう考えると、今の状態ってかなり東に有利なのかな」
元就「そのような状況も、どうやら次週で無意味なものとなるようだがな」
慶次「……魔王復活のこと?」
政宗「まぁ、魔王のオッサンが出てくれば誰も無視はできねぇだろうからな」
慶次「となると、関ヶ原から魔王戦に移行するって事か。歩兵の人たち危なそうだな……」
半兵衛「歩兵が全滅することは無いとしても、ほぼ壊滅ぐらいはあるかもしれないね」
慶次「いや、流石にそれは無いんじゃないかな……無いよな?」
半兵衛「さて、どうだろうね。相手は魔王と呼ばれた男だし、楽観は不要だよ」
政宗「俺らを含めた武将連中も、油断すればただじゃ済まねぇだろうしな」
半兵衛「終わった時には誰も残っていませんでした、という展開は無いにしても……ねぇ?」
慶次「……今から結果が怖いんだけど」
半兵衛「せいぜい頑張りなよ。あ、それでさ、魔王に訊いて欲しいことがあるんだけど」
政宗「アンタが? 良いぜ、言ってみろよ」
半兵衛「じゃあ、どうして蘇ることができるのか、訊いてきてくれるかな」
慶次「……半兵衛、復活する気? というか、秀吉復活させる気?」
半兵衛「いや、単なる興味だよ。訊いたところで僕らが真似ることはできないだろうしね」
元就「ふむ、つまりは真似ることができれば実行したかもしれぬと」
半兵衛「そういうこともあったかもしれないね。まぁ、所詮は仮定の話さ」
政宗「確かに仮定だろうな。あれはあくまで魔王のオッサンだからできたことだろ」
慶次「普通の人間が真似るにはハードルが高そうだしねぇ。ま、訊くだけ訊いてみるよ」
元就「我は魔王の親が人間であるかが気になるが。……前田慶次よ、訊いておくがよい」
慶次「え、元就は関ヶ原にいるんだから自分で訊けばいいんじゃないか?」
元就「我は馬鹿鬼の相手で忙しいのでな、そのような雑事にかまけている暇は無い」
慶次「……えっとつまり、面倒だから任せたってこと?」
政宗「質問係を決めて全部任せた方が楽だろうしな。……てなわけで、風来坊」
慶次「え、まさか……!?」
政宗「地獄の様子でも訊いといてくれ」
慶次「やっぱりか!」
半兵衛「と、慶次君にお使いを任せたところで採点コーナーだよ」
元就「今回は遅刻したのだったな……いや、今回も、か?」
半兵衛「そうだよ。ということで、こんな大舞台に遅刻したからマイナス十五点だよ」
慶次「どんどん削れるなー……政宗、今から見せ場ってあると思う?」
政宗「あってもこの負債じゃ、零点には戻らねぇだろ。諦めとけ」
慶次「……だよねぇ」
忠勝との制空権争いは、大谷さん自ら出撃するかと思ったんですけど、流石にそうもいかなかったようで若干残念です。
あと、あの大きな木製の橋ですが、あれは両軍共に作ってきたんでしょうかね。関ヶ原に亀裂とか知らない兵もいたかと思うんですけれど、そういう方々はあの亀裂を見て驚き橋の重要性を知ったに違いない。そんな人たちに、あの亀裂がどうしてできあがったのか是非とも教えたいです。きっと亀裂を始めて見た時以上に驚くはず。