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こたつがあるんだから和室くらい有るはずだよね、ということで。
和室で相談っていうか会議です。
28:畳
真昼、ホワイトベースのとある和室で、コタツを囲んで座っている四つの影があった。
デスティニー、レジェンド、ガンダム、アレックスの四名である。
「……なぁ、コタツの意味ってあるのか?」
「あぁ、大丈夫ですよ。ちゃんと室温は冬にしてますから」
「…それって意味」
「無いんじゃないでしょうか」
「では結果報告ー」
デスティニーとアレックスの会話を遮って、朝はじおんで食事をしてきたというガンダムがミカンをむきながら口を開いた。ミカンがある理由は、ここにコタツがあるからだそうだ。コタツとミカンとは永遠の友らしい。それが本当かは分からなかったが、分かったらその時点で終わりなのではないだろうかと思う。
自分の目の前にもあるミカンをちらりと一瞥して、デスティニーは改めて机の上に広げてある調査報告を見た。
これは自分たちが見つけた謎の黒い本(誰でもカンタン!やさしい呪いの掛け方 ~初級編~)について調べた結果を記した紙である。あれが十中八九原因だと思われたので、本が公園ベンチに置かれるまでの経緯を辿ってみたのだった。
「まず、本の持ち主はノワールに間違い無いようでした」
「試しても意味無かったらしいけど」
付け加えるようにレジェンドが言う。それは確かにそうだろう。死神から霊感ゼロのお墨付きをもらっている上にコックリさんまで出来なかったのだし。
「その後にスターゲイザーに貸して、その次はストライクフリーダムに貸したそうだ」
「インフィニットジャスティスの方にも行ったらしい。で、ブリッツに行って、ちょっと机に置いていた隙に消えた、と」
「消えた…そこからの経緯が問題なんだよねぇ」
難しげに、ガンダムが腕を組んだ。
「多分、今オレらに起こっている現象は、その本を持って行った誰かによるんだと思うんだよね。持って行った誰かがやっちゃった、というか」
「ノワール以外、誰も呪いなんてやろうとしない連中だよな」
「そう言う事。だからやっぱり犯人は、ブリッツの次に本を手に取った誰か、と」
「誰か、というのが不特定多数なのかも分からないけどな」
手がかりは無いのだ、一つも。
こんな状況から犯人を捜すのも中々に苦労しそうである。
「いっそ」
ふぁあ、と欠伸をしながらレジェンドが言う。
「直るのをそのまま待ってたら良いんじゃないか?飽きたら戻るんだろ?それにこれ以上犯人捜しするのも面倒だし」
「お前、後が本音だろ」
本音が見え見えだった。隠す気も無いようだが。
ここは普通は本音を隠すところだろうと、ため息を吐く。レジェンドの反応には慣れてしまっているので、呆れなどもう覚えもしないのだけど……ちょっとだけ憂鬱だ。何でこんなに慣れるまでになってしまったのだろうか。
「…で、これからどうします?」
「そうだねぇ…やっぱり捜査は続行、ただし軽めの方向で。少しだけ気に掛けてくれるだけで良いよ。探し回っても見つかりそうにないしね、手がかり」
「ですか……ということは」
お茶を飲みつつ、アレックスがにこりと笑った。
「結局何も変わらないんですね?」
「……うんまぁそういうこと?こんな異常現象が起こってるのにどうって思うけどさ、何もやりようがないならそうなるよね…」
「良いじゃないか。その方が楽だし」
「…レジェンド、お前ちょっと黙らないか?」
「何も間違ったことは言っていないと思うぞ」
「間違って無くても言って良いことと悪いことがあるだろ。TPOを考えろ」
「考えてはいる」
……と言うことは何だろう、考えてるけど考慮はしてないと言うことか。ゴーイングマイウェイということか。マイウェイ過ぎると思うけど。
どうしてこんなのと友人やってるんだろうと黄昏れつつ、デスティニーはとりあえずと最初の方からずっと疑問に思っていたことを口にした。
「なぁ、ちょっと訊くんだけどな」
「うん、何?」
「どうして俺らは畳の和室で話し合いなんざしてんだ?」
「さぁ?作者の事情じゃない?」
どんな事情だ。
デスティニーはかなり貴重な純・ツッコミだと思います。