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こじつけその2……です。
お題って、どうしてもこじつけになるよ……。
6:ラムネ
「とまあ、かくかくじかじかで人間になってしまったわけですが」
「かくかくじかじかって何だよ」
「これといって、変わったことは何もないよなぁ」
つっこむGP-02をきれいに無視して、GP-01は茶を飲んだ。
ちゃぶ台を囲んでいるのは二人の他にGP-03ことステイメンだけだった。
ずず、と茶をすすっているGP-01を見、GP-02はため息を吐いた。
「お前は脳天気すぎないか?」
「いつも通りだけど?」
「そういう時点ですでに脳天気だろ」
などと言いながらも煎餅に手を伸ばしているGP-02もまた、緊張感に欠けているのかもしれないが、そこはあえてスルーしておくべきだろう。
「ただ、こうなると…だれがだれだか分からないよね」
長男と次男よりも、むしろ末っ子の方がしっかりと考えていることは、スルーしなくてもいいかもしれない。というか、誰かがつっこむべきだ。残念なことに、この場にはそういうことをする人がいないのだけれど。
あられを口に放ってから、GP-01がステイメンの頭にぽん、と手を置いた。
「大丈夫じゃないか?声で分かるだろ」
「でも……」
「それに間違えるかもっていう、そこら辺はみんな分かってるだろうから」
さっきガンダムが来て、この現象がコロニー全体で起こっていることだというのは、既に教えてもらっている。だからこその意見だった。
もう一度、茶を口へ運びかけて、GP-01はピタリと止まった。
「……なんか、シュワッとしたのが飲みたい」
「なら、とっとと取ってこい。確かラムネがあっただろ」
「んじゃ、そーするかなー」
よっこらせ、と立ち上がって、三兄弟の長男は冷蔵庫のある方へ行ってしまった。
それを見送ってから、GP-02は黙ってヨウカンを切った。
……何故、ここにあるのが和菓子ばかりなのか。その理由はなんと言うことはなく、ただ単にセールで安かったからまとめて買ってきて、だからたくさん残っているからだった。賞味期限は長いから、ゆっくりじっくりと食べることができる代物が多く、重宝させてもらっている。
さっきからずっと、和菓子に合わせて飲み物も茶ばかりだった。飽きたGP-01が別の物を飲みたがるのも、分からなくはない。
「本当、なにも変わらないね」
「そう簡単に変わってたまるか」
「…たしかに、そうかも」
クスリ、とステイメンが笑う。
と、突然その笑顔が若干だったが……固まった。
「……?どうかし……っ!?」
不審に思って彼が見ている方に視線を向けたその瞬間、口にひんやりとした物が当てられてそして……シュワッという刺激が口の中ではじけた。
口の中に流し込まれた液体を飲み下して、ギッと犯人を睨みつける。
「テメェ……なにしやがるんだ!?」
「いや、人間になったサイサリスが炭酸を飲んでも大丈夫かの確認」
「元の時は問題なかっただろうが…っ」
「人間になったから、もしかしたら変わったかなって思ったんだけど……あれ、もしかして本当に苦手になっちゃったとか?」
図星を指されて、言葉に詰まった。
そう。何でかは全く分からないが、炭酸の刺激が今まで平気だったのに、とても苦手な物に感じられるようになっていた。
原因と言えば、やはり人間になってしまったことか……。
「……そういうことは自分でやれ」
「嫌だって。それで俺が飲めなくなってたら、俺が大変じゃん」
「……殺す」
「ちょっとまって02お兄ちゃんっ!?」
……GP三兄弟は、今日もいつも通りだった。
GP三兄弟に限らず、だいたいの住人たちは気にしないと思うなぁ……