式ワタリによる、好きな物を愛でるブログサイト。完全復活目指して頑張ります。
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ということで⑤。今回はえうーごの後日話。
どうなってもとにかく、ゼータは何も気にしないと思った…。
翌朝、兄の部屋のドアを開けたプラスは、即行でそのドアを閉じた。
「……見間違い…だよな?」
何か今、とてつもなくツッコミを入れたい物が見えた気がするのだが。ツッコミを入れた上で、ギャンの所に殴り込みに行きたいようなものが見えた気がするのだが。殴り込むどころか半死くらいにしてやってもいい気がするような物が見えた気が……。
と、そこまで思って頭を振る。そんな、割と本気の考えばかりだが…色々と思い浮かべて現実逃避をしても意味はない。
今は、先ほど見えた物が本物か偽物かを確認するしかないのである。
深呼吸を数回重ね、プラスは再び、ゼータの部屋のドアノブに手をかける。
「…入るぜー」
そうしてどうにかいつも通りの態を装って中に入り、しっかりと兄の様子を見て、崩れ落ちそうになる体をどうにか保たせた。
まだ、頭に柔らかそうな耳が付いているのである。
「……あの薬、効かなかったってわけか…?」
「にゃー」
「でねぇと説明がつかな……へ?」
いったん言葉を切り、プラスは嫌な予感と共にベッドの上でボウッと座っているゼータに視線を向けた。ほんの少し、呆然と。
「…ゼータ。今、何て?」
「にゃー」
「……冗談だよな?」
「…にゃ…」
「いやいや、だから普通に話して…」
「……に…」
「あー分かった!分かったもう諦める!」
頭を抱えてプラスは叫んだ。
もう、こうなったら何でも来い、という心意気だ。そして、こういうのは諦めが肝心であって、現実を受け入れて次を考えるべき物なのである。これら全ての事柄は白辺高校に在学するようになって……いや、ずっとずっと昔から、否応なしに知っていた事柄だった。
まぁ、周りが『あれ』では仕方がないだろう。
先ほどの叫び声が聞こえたのか、後ろからパタパタと走ってくる恐らくメタスの足音が聞こえてきたが、それを気にすることなくプラスはゼータの目の前まで行って、見下ろした。身長がどうであれ、ゼータは座っているので自然と自分が見下ろす形になる。
「そうなったのはいつなんでぇ?」
「…に」
「朝起きたら?やっぱあの薬のせいか…他に問題って言えるこたぁねぇのかい?」
「……にゃ…」
「はぁ!?シッポが生えたぁ!?」
「…に…」
「あぁ見せなくて良いからな!」
「……ねぇ」
「ん?」
ふいに後ろから猫語ではなく人語で話しかけられて、プラスはクルリと後ろを向いた。
「どうしたんでぇ?」
「いや…ね、何でそれで分かるの?」
「は?」
突然の質問に、プラスは首を傾げた。
そんな自分の様子を見て取ったのか、だからね、とメタスはどこか言い聞かせるような様子で口を開く。
「ゼータ、さっきから『にゃー』とか『にゃ』とか『に』とかしか喋ってないでしょ?なのにどうして分かるのかなぁって思ったの」
「普通分からねぇか?」
「分からないから聞いてるの!」
どうなの!?と詰め寄られて、プラスはえぇと……と、たじろいだ。そんなことを聞かれても、自分としてはそれが当たり前なので何とも答えようがないのである。
だから答え倦ねていると、ハァ、とため息が耳に届いた。
「…まぁ、兄弟だからって事にしとこっか…あぁ、でも羨ましいなぁ…」
「……」
成る程、メタスはただ単に、短い言葉であってもゼータの言いたいことが分かる自分を羨ましく思い、同時に自分もそうなりたいと思っただけなのか。どうしてこんなことで詰め寄られるのか、と思ったのだが……納得である。
しかし……それはともかくとして、この状況は一体どうするべきなのだろう。
まだベッドの上でボウッと座っているいつも通りの様子の、しかし言葉と外見は全くいつも通りでないゼータを眺めながら思う。どうしようもない、と言うのが一番しっくり来るのだが。
「…とりあえず、マークⅡさんとかガンダムさんにでも連絡してみっか?」
「あとそれから、ギャン先生確保組の所にもね」
「……にー」
外見は別に良いけれど言葉だけは早く直して欲しい、と言わんばかりに声を上げるゼータに、どうせなら言葉よりも外見を気にしてくれと本気で思ったプラスだった。
いや、言葉も姿もどっちもどっちだと思うけど。
…なんか、プラスがゼータのこと大好きな弟になってるなぁ…微笑ましい?から良いけど。
「……見間違い…だよな?」
何か今、とてつもなくツッコミを入れたい物が見えた気がするのだが。ツッコミを入れた上で、ギャンの所に殴り込みに行きたいようなものが見えた気がするのだが。殴り込むどころか半死くらいにしてやってもいい気がするような物が見えた気が……。
と、そこまで思って頭を振る。そんな、割と本気の考えばかりだが…色々と思い浮かべて現実逃避をしても意味はない。
今は、先ほど見えた物が本物か偽物かを確認するしかないのである。
深呼吸を数回重ね、プラスは再び、ゼータの部屋のドアノブに手をかける。
「…入るぜー」
そうしてどうにかいつも通りの態を装って中に入り、しっかりと兄の様子を見て、崩れ落ちそうになる体をどうにか保たせた。
まだ、頭に柔らかそうな耳が付いているのである。
「……あの薬、効かなかったってわけか…?」
「にゃー」
「でねぇと説明がつかな……へ?」
いったん言葉を切り、プラスは嫌な予感と共にベッドの上でボウッと座っているゼータに視線を向けた。ほんの少し、呆然と。
「…ゼータ。今、何て?」
「にゃー」
「……冗談だよな?」
「…にゃ…」
「いやいや、だから普通に話して…」
「……に…」
「あー分かった!分かったもう諦める!」
頭を抱えてプラスは叫んだ。
もう、こうなったら何でも来い、という心意気だ。そして、こういうのは諦めが肝心であって、現実を受け入れて次を考えるべき物なのである。これら全ての事柄は白辺高校に在学するようになって……いや、ずっとずっと昔から、否応なしに知っていた事柄だった。
まぁ、周りが『あれ』では仕方がないだろう。
先ほどの叫び声が聞こえたのか、後ろからパタパタと走ってくる恐らくメタスの足音が聞こえてきたが、それを気にすることなくプラスはゼータの目の前まで行って、見下ろした。身長がどうであれ、ゼータは座っているので自然と自分が見下ろす形になる。
「そうなったのはいつなんでぇ?」
「…に」
「朝起きたら?やっぱあの薬のせいか…他に問題って言えるこたぁねぇのかい?」
「……にゃ…」
「はぁ!?シッポが生えたぁ!?」
「…に…」
「あぁ見せなくて良いからな!」
「……ねぇ」
「ん?」
ふいに後ろから猫語ではなく人語で話しかけられて、プラスはクルリと後ろを向いた。
「どうしたんでぇ?」
「いや…ね、何でそれで分かるの?」
「は?」
突然の質問に、プラスは首を傾げた。
そんな自分の様子を見て取ったのか、だからね、とメタスはどこか言い聞かせるような様子で口を開く。
「ゼータ、さっきから『にゃー』とか『にゃ』とか『に』とかしか喋ってないでしょ?なのにどうして分かるのかなぁって思ったの」
「普通分からねぇか?」
「分からないから聞いてるの!」
どうなの!?と詰め寄られて、プラスはえぇと……と、たじろいだ。そんなことを聞かれても、自分としてはそれが当たり前なので何とも答えようがないのである。
だから答え倦ねていると、ハァ、とため息が耳に届いた。
「…まぁ、兄弟だからって事にしとこっか…あぁ、でも羨ましいなぁ…」
「……」
成る程、メタスはただ単に、短い言葉であってもゼータの言いたいことが分かる自分を羨ましく思い、同時に自分もそうなりたいと思っただけなのか。どうしてこんなことで詰め寄られるのか、と思ったのだが……納得である。
しかし……それはともかくとして、この状況は一体どうするべきなのだろう。
まだベッドの上でボウッと座っているいつも通りの様子の、しかし言葉と外見は全くいつも通りでないゼータを眺めながら思う。どうしようもない、と言うのが一番しっくり来るのだが。
「…とりあえず、マークⅡさんとかガンダムさんにでも連絡してみっか?」
「あとそれから、ギャン先生確保組の所にもね」
「……にー」
外見は別に良いけれど言葉だけは早く直して欲しい、と言わんばかりに声を上げるゼータに、どうせなら言葉よりも外見を気にしてくれと本気で思ったプラスだった。
いや、言葉も姿もどっちもどっちだと思うけど。
…なんか、プラスがゼータのこと大好きな弟になってるなぁ…微笑ましい?から良いけど。
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