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しばらく続きます。
ちなみにこれは、実話をもとに作ってますんで。
分かる人には絶対分かるネタ。
でも、多分分かるのはしばらく先。まだ実話の影も出てきてないし。
題名とこのトークで分かったら、凄いと拍手させてもらいましょう。

登場……多くなるので書きません。あしからず。



「寮での集まり?」
「そうなんだ」
 ここは学園の図書館。放課後ということもあって人の姿は少ない。しかも、その少ない人たちは本を読むでもなく勉強をするでもなく、ただ居眠りをしているだけ。図書館というところを何だと思っているのだろうか。
 そう思い、呆れて眺めながらも、しっかりと前にいる人物の言葉に耳を傾けていて……そして滅多に聞かないというか、今までも話題とは全く関係ない言葉を聞いた。そして冒頭に至るわけである。
 今まで何をしていたか。それは小さな勉強会である。
 毎週水曜日の放課後、図書館に来て二人で勉強をする……といっても、彼に自分が分からないところを教えてもらって、他愛もない話をしたりするだけ。勉強会としてなりたっているのはせいぜいが三分の一程度。それは、自分が会話の時間を一分でも増やしたくて、この日以外になんとか苦手を潰す努力をしているのにも、おそらく理由の一端がある。ここで訊くのは、どうしても分からなかったものだけだから、自然と自由な時間が増えていくのだ。
 とまぁ、それはおいておいて。
 彼は、今日は「集まり」があるから少しだけ勉強会の終わる時間を切り上げてもいいか、と訊いてきたのだ
「かまいませんが……集まりとは?」
「えっと……ヴェーダとスメラギさんが、ちょっとゲームをしようって……」
 ゲームといっても何をするのかは曖昧だったが、どういう経緯で彼が巻き込まれたのかはすぐに分かった。
 学園理事長と学園オーナーの突拍子もない思いつき。そういえば、それに毎回毎回付き合わされているのだった、彼は。
 さっきのような言い方をして、大人二人の名誉を傷つけないように心配りをするのは、さすがだと言いたいが……残念なことに、そんなことをしても学園中に二人の「そいうい行動」は知れ渡っているので無駄だったりする。
 またかと思う一方で、「ゲーム」という単語にいつもとは違う不安を抱く。
「まさか、罰ゲームなんて物は…」
「…………ないよ」
「あるんですね?」
「……えっと…」
「あるんでしょう?」
「…………うん」
 こくり、と頷く彼を見て、ため息を吐いた。
 まったく。あの二人を学園の重役に据えたのは一体誰だろう。ヴェーダの方はオーナーだから仕方がないとして。だが、スメラギの方は……いや、ヴェーダが学園所持者な時点ですでにダメかもしれない。
「何をするんですか?」
「それが、内緒だって……あ、今度は本当だからね?」
「そうですか…」
 別に、言われなくても様子ですぐに分かるのだけど。彼は分かりやすすぎるし。
 顎に手を当て、少し考えてみることにする。
 罰ゲームは分からない。それでは対応のしようがない。場合によっては何らかの策を伝えることもできたというのに。
 ……作戦を考えるのなら、まずは情報を仕入れるべきか。
「参加者は?」
「寮に住んでいる人、全員だよ。先生も生徒も関係なく。寮で働いている人は大丈夫みたいだけど。あとは……任意かな」
「任意?参加したければ誰でも参加していいのですか?」
「らしいけど……まさか、出るの?」
 心配そうな顔の彼。自分まで巻き込まれてしまうのを危惧しているようだ。
 彼には悪いが……それが一番な行動選択かもしれない。
 事前に防ぎようが無く、対策の仕様もない。ならば直接対決の場に行って、そこで何とかしないといけない。
 もちろん、自分が行かなくても彼の双子の兄だとか、生徒会長だとか、隣のクラスの彼だとか、英語の教師だとか……そういう人たちも何とかしようとすると思う。
 ただし、それは罰ゲームの内容による。場合によっては、彼らは何よりも手強い敵となってしまうだろう。
 それではダメだ。ちゃんと、彼を守る人が傍にいないと。
「決めました。私も参加させてもらいます」
「本気!?危ないよ!?」
 …その、危ないところに貴方を何の策もないまま送り出すのが不安なんです。
 そう言いたかったが、止めた。言ったところで彼は「集まり」に参加するほか無いのだから、意味はない。
 代わりに安心して、と微笑んだ。
「私は結構、ゲームには強いですよ?何のゲームか知りませんが、少なくとも貴方の兄には勝って見せます」
「でも……」
 彼は、まだ逡巡している。
 それが自分を心配しているからだと分かっているから……強く言えない。
 だけれど、中学校……いや、小学校からの付き合いだ。どうやったら彼から許可が下りるかは熟知している。許可が無くても参加できるのは知っているけれど、そこは気分ということで。それに、許可がないよりはあった方が、すっきりとゲームに参加できるというものだ。
 手を、彼の手の上に乗せて、まっすぐ目を見る。
「アレルヤ、私が貴方に嘘をついたことがありましたか?大丈夫です、負けません」
 そして、貴方も守って見せます。
 心の中でそう、口には出さないが呟く。
 勝つことよりも、そちらを優先したいが……それを彼が許してくれるわけはない。彼は、人の心配をしすぎなのだ。もっと、自分のことも考えていいだろうに。
 そんな彼だからこそ、好意を抱くわけだけど。
「……そうだね。うん、分かった」
 しばらく悩んでいたようだが結局、彼はこう言った。


 こうして、一年D組、ソーマ・ピーリスのゲーム参加が決定した。



仲良しな二人。

 

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