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弟妹同盟設定を一人で勝手にプッシュしてます。いやだって、何かしっくり来てしまったからね。
私、だいたいのハマリ物がそんな感じです。
034:くちびる
護衛のために足を踏み入れたパーティ会場で、スクアーロは非常にげんなりとしていた。
今回の護衛対象はボンゴレの何か…というか、お偉いさんである。確かヴァリアーを解体しようとしている幹部の一人で、最初の出会いから今までで、あまり良い関係を気づけたとは思えない。そんな相手に自分を当てるのはどうかと思ったが、これで仕事をちゃんとこなして好印象でも与えておけと言うことだろう。
まぁ、一緒に護衛に付くメンバーに自分を好いてくれるのをつけてくれたのは、綱吉のせめてもの気遣いだろうか。
と……別に、それが自分を苦しめている事ではなくて。
一番の問題はあれだ。
何でか知らないが、周りに人が集まってくることだった。
勘弁して欲しいと天を仰ぎたい気分だった。流石に人の目があるから仰げなかったが。それでも、それさえ無視して仰ぎたい気分だった。
「スクアーロ」
そんな時である、一緒に護衛に付いていたクロームがこちらに寄ってきたのは。
ん?と思っている間に彼女はスクアーロの服を軽く引っ張って屈ませ、その頬にクローム自身の顔を近づけ……唇を押し当てた。
その後直ぐに放されて、思わず見下ろした彼女の表情はどこか満足げ。
「虫除け、だよ」
「う゛お゛ぉい……」
どこでそんな言葉を覚えた。
ていうか虫除け。
何か違う気が。
「スクアーロ、困ってたみたいだから……」
「そーか…サンキューなぁ」
「……うん」
だが、そんな思いも全て、クロームの言葉でどうでも良い物になった。
ようはつまり、彼女はあの人混みから助けようとしてくれたのである。実際に周りに群がっていた人間はいなくなりはしなかったが減ったし、ならばそれだけの話だろう。
礼とばかりに頭をくしゃりと撫でてやると、はにかむような笑みが向けられた。
そんな感じの我が家のスクとクローム。仲良しって素晴らしい。