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ヴェーダの性格がなんか違うと思う今日この頃。

登場……多いので割愛



 結局、寮生のうちの大半は別の友達の家や実家に逃げた。ホテルを借りてまで寮から出た生徒もいるらしい。クリスティナに聞いた。
 ……そんなに、警戒するものかしら?
 ヴェーダは疑問に思ったが、気にしないことにした。お気に入りの生徒たちは、ちゃんと逃げずにゲームに参加しているのだし。その上、寮生以外からも参加者が三人も来たというのだから、機嫌を良くするほかない。
 参加者は寮生から刹那、アレルヤ、ハレルヤ、ティエリア、マリナ、ロックオン、グラハム、ビリー、ネーナ、ミハエル、ヨハン。この、十一人。
 それから……外部からの参加者。
 まず一人目。
「いいか、炭酸。ここまで来たのだから逃げようなどと思うな」
「そうよ。私とはクラスメイトでしょう?こんな危ないところに学友を置いて、逃げたりしないわよね?」
「…………いや、今から逃げても無駄な気がするんだけど…」
 ティエリアとマリナに連れてこられた、パトリック・コーラサワー。
 当初は何とかして寮から脱出しようとしていた彼だけど、三十分近くほとんどの寮生に妨害され続けて気力が萎えてしまったらしい。今では借りてきた猫以上に大人しい。
 ただでさえ精神的に瀕死状態なのに、横から同学年二人に追い打ちをかけられ続けているから、というのも原因の一つかもしれない。あれはキツイだろう。
 それから二人目。
「いいか!?今度こそ、俺はお前に勝ってやるからな……って、聞いてんのか!?」
「ジョシュア君、ゴメンね?グラハムは今、猫のデュナメスの方に集中しているから」
「……俺は猫以下かっ!?」
 何やらグラハムに対抗心を燃やしているらしいジョシュア。
 といってもこのように、毎回毎回スルーされている可哀想な挑戦者、なのだけど。グラハムも、いい加減に相手をしてやればいいのにと思わなくもない。いつもフォローしているビリーが不憫な気がするから。見ていておもしろいから、直さなくていいとも思っているけれど。
 そして、三人目。
「あぁ?テメェも来たのかよ」
「何です?貴方の許可がいるのですか?任意だと聞いたのですが」
「二人とも、落ち着いてよっ」
 アレルヤについてきた、ソーマ・ピーリス
 彼女はどうやらアレルヤが心配だったらしい。それから、もしできたら罰ゲームから彼を救おうとしているようだ。先輩思いの後輩だ。
 ただし、助けようとしているのは彼だけらしい。他はどうでもいいようだ。というか、ハレルヤには負けてしまえばいいのにと思っているように見える。しかも、ハレルヤもソーマが負けてしまえばいいと思っているようだし。先輩思いではなくて、アレルヤ思いというのが正しいところか。
 たまに、ハレルヤに向けられている敵意がこちらにも来るのは、絶対に勘違いではないだろう。ゲーム主催者である自分も、敵の中に含まれているようだ。
 くすり、と笑うと敵意が強くなった。
 ……まるで、忠実な番犬のようだと思う。見た目は可愛らしいけど、なめてかかると、噛まれるどころか殴られるというか。犬が殴るかは知らないけどそこはまぁ、例えということで。
 それにしても……もう一人の主催者はどこへ行ったのかしら?
 思いながら一階の方に視線をやる。酒を持ってくると言って出て行ったのは五分前。そろそろ帰ってきてもいいころだろうに。
 と、噂をすれば影、という言葉を実践するかのように彼女が現れた。荷物持ちにかり出されたロックオンとヨハンも一緒だ。
 とまぁ、それはいいとして。
「スメラギちゃん、その酒瓶の量は一体何?」
「え?このくらい飲むでしょう?」
「いや、飲まねぇよ」
 当たり前のように言ったスメラギは、横からぼそりと呟いたロックオンに強烈な肘撃ちをくらわせていた。ちなみに彼女は右手にある一本(開封済み)以外、何も持っていない。持っているのは男二人だけ。しかも、一人で五、七本くらい持っている。
 だが、その量は……
「少なくない?」
「……ヴェーダ、今何と?」
「だから、少なくないって言ったんだけど」
 せめて、あと三本は欲しいところだ。どうして驚かれるのだろう。
 自分にはむしろ、絶句しているヨハンに驚いているのだけど。
「ほら!私が正しかったのよ!」
「あんたらが異常なんじゃ……」
「ロックオン、それ以上言ったら命は無いかもしれないぞ……」
 ぽん、とロックオンの肩を叩いているヨハン(器用に片手で七本のビンを支えている)に何か言ってやりたかったけれど、結局いい言葉が浮かばなかったから止めた。効果的な言葉でなければ、ヨハンにはあまり効かない……というか、反撃が来るから。あれは……すごく効くわけではないけれど、来たら来たでかなり嫌なのだ。
「ねぇ、スメラギちゃん。つまみは?」
「無くても大丈夫ですって。ゲーム見てたらそれだけでおもしろいに決まってるじゃないですか」
 言われて、少し考える。
 ……なるほど、確かにそうかもしれない。
 つまみなんて物が無くても、彼らのやり取りが十分肴になるだろうから。
「それもそうよね。さ、お酒持ってこっちに来て?特等席作ってもらったの」
「……誰に?」
「もちろんティエリアよ。アレルヤも手伝ってくれて。ホント、いい子たちよね」
 今いるメンバーを見渡しながら訊いてきたロックオンに、笑って答える。訊くまでもなく、分かることだと思うのだけど……彼は目を見開いた。ティエリアが誰かの言うことを聞くというのを、あまり見ていないのかもしれない。自分以外の人間の指図を聞いたティエリアを自分も見たことがなかったから、これは納得できた。
「じゃ、そろそろ始める?観客は私とスメラギちゃんってことで」
「私たちもやるのですね……」
「ヨハン、腹をくくった方がいいぜ…」
 今度は、ロックオンがヨハンの肩を叩く。ただし彼の場合は、ちゃんとビンを床に置いてからの行動だった。落としたら大変だとでも思ったのだろう。
 それは正しい。そんなことをしてみるといい、スメラギがそれはもう悪鬼の形相で怒り出すに違いないのだから。普段ならともかく、よくよく見たら彼女はすでにできあがっているし。下手に刺激を与えると、絡まれて離してもらえなくなる。
 スメラギを手招きして、お気に入りの生徒二人が敷き詰めた、座席にもなる立方体のクッションに腰掛ける。ここら辺にあったのを全部かき集めただけあって、結構な広さだ。二畳分くらいはあるだろう。
 近くに置いてあった酒瓶の封を開いて、トランプの入ったケースを投げ渡す。
 ティエリアがそれを受け取るのを確認して、それから言った。
「ゲームの種目はババ抜きね。私たちは見物してるから、みんなで頑張って~」
 ため息を吐いて、ティエリアがカードを切り始める。
 それを眺めながら、ヴェーダは罰ゲームの準備を始めることにした。
 酒盛りは、もう少し後だ。



そして、次回は可哀想な被害者第一号が…… 
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