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擬人化でゼタとメタで恋物語という話…になったのか?いいや絶対になっていない(断定)。
…すごく、また、挑戦したいです…。
それは、予想して然るべきだったのかもしれない。
しかし…それを予測できていなかった自分の、取るべき行動は一つだけだった。
「ゼータごめん!そのあのまさかいるなんて思わなくて…」
「……何で閉めようとしてるんだ?」
慌ててドアを閉めようとするメタスに、ゼータが不思議そうに視線を送った。実際、彼は何も思ってないのだろう、きっと。
そんな彼の様子を見ていると、何だか焦っているのがバカらしくも思ってくる。しかし、それでもやはり焦ってしまうし恥ずかしい。絶対に自分の反応が普通で、ゼータの反応は普通ではないに違いなかった。
だって、風呂場でバッタリと出くわすなんて。
…もちろん『風呂場』である以上は、服は脱いでいる。けれど、幸いなことに、お互いに前は隠していたから被害(?)は最小限に抑えられた、とも言えるのかもしれない。これで手に持っているタオルがなかったら…想像するだけで顔から火が出そうな気分だ。
生憎とそんな事は思わなかったらしいゼータは、首を傾げたまま口を開いた。
「…別に、一緒に入っても良いだろう」
「ゼッ…ゼータがよくっても私はちょっとあのねそのね嫌じゃないけどなんて言うか…」
「……嫌じゃないなら良いんじゃないか?」
「だからそー言う問題じゃなくって、」
「…髪を洗って欲しいんだが」
「あの……って、え?髪?」
「…そうだ」
こくりと頷いて彼が差し出すシャンプーを、メタスは思わず受け取ってしまった。
困惑を隠せもせずにゼータを見ていると、彼は相変わらずのマイペースで言葉を続けた。
「最近指摘されたんだが……ボクは、どうやら自分の髪を洗うのが苦手らしい」
「…あぁ、ゼータの髪って長いもんねぇ…」
「それで…痛んでいると、プラスに言われた」
「ふぅん…」
それで『髪を洗って欲しい』なのか。分かったような分からないような感じだが、ありといえばありだろう。というか、もしかしたらこの状況こそがこちらに送り込まれた目的なのかもしれないと、今は誰も風呂に入っていないなんて誤情報を与えてきたプラスのことを思い出す。あの笑みに、何かあるとは思っていたが…一石二鳥なんて思っている可能性が高そうだった。
話を戻して。
まぁ、そういうことなら引き受けても良いだろうかと、メタスはゼータの白い長髪を長めながら思う。普段は括られているそれも、今は洗うために紐がほどかれている。背中を覆うほどに長いそれを切ろうとは思わないのかとフッと思ったが、そんなことを彼が思うとは面倒だという理由から無いと思えたし、自分だって許す気はない。
「…そう言うことなら、一緒に入っても良いけど…ゼータは」
風呂場に足を踏み入れてから出入り口を閉め、ゼータの後ろに回ってシャンプーを手に取る。ついでにリンスも。
「…こういうのって……恥ずかしいとか思わない?」
「…何を恥ずかしいと思うんだ?」
「……うん、やっぱりそーいう反応なんだね。予想してた」
「……?」
「こっちの話だよ」
笑って答えるけれど、ほんの少し悲しい気分はあった。これはもしかしたら恋愛対象として捉えてもらっていないと言うことかもしれず、それではまるで自分の一人芝居ではないかと思えたから。有り得そうな気がするだけに、その懸念は捨て置くことが出来ない。
はぁ、とため息を吐きながら白の髪に触れて、瞠目する。
「凄い良い手触り……どこが痛んでるの!?」
「分からないんだが…プラスは痛んでいる、と」
「嘘じゃなくて?」
「多分」
こくりと頷くゼータの動きにならって、一緒に動く髪をメタスは呆然と見た。
いや、そういえば最近は髪に触れてなかったとは思うが…前からこんな手触りだっただろうか……ダメだ、思い出せない。
うぅんと唸りながら、こっそりと自分の髪にも触れてみる。
その後、肌の方も見比べてみる。
「……あれ?」
「…どうかしたか?」
「………………あぁ、うん、いや、何でもない、よ?」
そう答えては見たが、心がこもっているかと言われると何とも言えない返事だと、自分でも思った。心ここにあらず、というのが正しそうだ。
…呆然ともする。髪質も肌の白さも、何だか負けているような気がするなんて。
それって女としてどうだろう…と思ったけれど、数秒後。
「ま、いっか」
相手はゼータだもの。
そんな納得とも言えない納得をして、メタスは髪を洗うことに集中することにした。
肌はあれですよ、ゼータはどっちかっていうと読書とかの子だから。外には面倒なので出ないからこーなってるんですよ。メタスはそれより活動的なだけです。