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ついに、第一の被害者が……っ

登場……この回が一番多いから本当に。だから無しで。



 ……ゲームに集中したいのは山々なのだけど、背後で何かやっているヴェーダが気になってしょうがない自分は、果たして負け組なのかどうか。
「テメェの番だろ、とっととひけよ」
「分かっています。少しくらい考えてもいいでしょう?」
 ため息を吐く暇さえくれないのか……。
 何て心の狭い人だろう。アレルヤを見習えばいいのに。貴方は兄でしょうが。
 言いたいけれど、言ったら必ず突っかかってくるから沈黙を守るしかない。ここで乱闘を起こすのは実にまずい。正々堂々ゲームで彼を打ち負かし、かつアレルヤの身の安全を保ち続けるのが今回の自分のミッションだ。
 代わりと言ってはなんだけれど、軽く睨みつけて彼の手札を一枚ひく。
「あ、あがりました」
 ひいたのは、ハートの7。手札にあったのはダイヤの7、一枚のみ。最初は三枚だったけど一組そろう物があったから、こういうことになった。
 ちなみに、二番乗りである。
 一番乗りは……今、ナドレにちょっかいを出している金髪の教師だったりする。
 彼の手札は四枚だったのだけど、全て最初にそろってしまっていた。だからひいたり、ひかれたり……そいういうことはまったくせずに上がってしまったのだ。反則だと思うけれど、これも運だ。
 とりあえず目的の一つ、ハレルヤに勝つというのは今回は達成したから良いということにしよう。
 後はアレルヤがどうなるかだけど、それはこれからの彼の手次第。自分が手を出すことはできない領分だ。彼の運と実力に期待するしかない。
 そして願いが届いたのか、アレルヤはこの後すぐに上がることとなる。
 その後もミハエル、刹那、ティエリア……と、どんどん上がっていった。拍子抜けするほどあっさりしていたのは、手札が少ないのと各々の運勢によるものが強いからとしか言い様がない。手札が少ない、つまりプレイヤーが多いときはなかなか欲しいカードが巡ってこないで、何周も続いてしまうのがよくあるパターンなのだけど……できてしまったものは、仕方がない。
 ぼうっと見ているうちに最終決戦。残っているのはジョシュアとビリーの二人。どちらかが負けて、ヴェーダの罰ゲームを受けるわけだが……。
 今ビリーの手札は一枚。それに対してジョシュアの手札は二枚。
 ジョーカーは、ジョシュアの方にあるらしい。
 そして、今からひくのはビリーの方。これで、勝ちが決まるかもしれない。あるいは、もう少し続くか。どちらにしろ、ビリーの選択次第なのである。
 緊張の一瞬。
 皆が見守る中、ビリーが恐る恐るカードを引き……その絵柄を見て表情を明るくした。
 ジョーカーではなかったようだ。
 ということはつまり……
「ジョシュア君が罰ゲーム?」
「ってことになるんだろ……って、何だそれ!?」
「え?何って?」
 近づいてきたヴェーダの手の中にある、酷く毒々しい色の飲み物を見て、ハレルヤは顔を引きつらせた。
 容器はグラスだったからその様子が実に鮮明に見えて、よりいっそう恐ろしさが引き立っている。
 青汁でも入れたのだろうか、色は緑っぽい。少しだけ泡立っているのは炭酸を入れたからだろうか。近くに来ても無臭なところが、さらに怖い。逆に怖い。それから…………中に浮いているあの破片は一体、何?
 ハレルヤじゃないけれど、かなり引く。あれは何という物体だろうか。
「ヴェーダ、それは……?」
「あ、これ?私の特製ブレンドだけど、罰ゲーム用の」
 ティエリアに軽く答えて、彼女はそれを……グラハムに?
 これは、どういうことだろうか。
「ヴェーダ?これは何です?」
「グラハム、これをジョシュアに手渡しであげてね。あげれなかったら貴方が飲むのよ」
 罰ゲームは、一番勝ちも巻き込んでもことらしい。
 つまり、一番勝ちが一番負けにあの「特製ブレンド」とやらを手渡して、それで飲んでもらうということらしい。もしも手渡せなかったり飲んでもらえなかったら、そうしたら一番勝ちがそれを飲むことになる。
 これでは、誰に対する罰ゲームか分からないではないか。
 呆れを感じるけれども、これはソーマにとって好都合だ。自分が一番になれれば、アレルヤを罰ゲームの魔の手から助け出すことができる。
「よろしく頼めるかしら?」
「分かりました」
 頷いて「特製ブレンド」を受け取るグラハムを眺めていると、ふいに視界の端に逃げ出そうとするジョシュアの姿を認めた。
 黙って傍にあったカードのケースを手に取り、彼の頭めがけて投げつける。
「った!?」
「逃げないでください、ジョシュア」
「……グラハムから逃げるのか」
 衝撃に倒れ込むジョシュアに、ソーマと刹那の言葉が降りかかった。
 あの液体がどれほどの威力を持っているのか確かめるため、安全性はどれほどあるのかを確認するため、彼の犠牲は必要不可欠なのだ。だから、ソーマは彼を引き留めた。
 対して刹那はただ単に、逃げようとしたから止めただけのようだ。
 …それにしても刹那は、ジョシュアのツボをよく押さえている。彼が「グラハムから逃げる」と言ってしまえば後に退けないことを、しっかりと分かっているようだ。もちろんソーマもそれは知っているが、彼みたいに的確には使えないかもしれない。
 起き上がった彼はギッとこちらを睨みつけて、それからグラハムの所に大股で歩いていった。そして、彼の目の前まで来ると「特製ブレンド」をひったくるように奪い、一気に飲み干した。
 ……なんて、無茶なことを。副作用があるともわからないあれを、よくもまぁ…。
「…………………っ!」
 案の定、彼は口元を押さえてこの広場から走り去っていってしまった。
 …最後に見えたジョシュアの顔が、あり得ないほど青ざめていたのは気のせいではないと思う。
 やはり、何が何でもアレルヤを助けきらないといけないようだ。
「質問があるんですけど」
「何?炭酸君」
「コーラサワーです……あの破片は何ですか?」
「破片……?あぁ、浮いてたアレね?あれはキムチよ」
「……え」
「ポテトチップスも入れたわね。それからチョコレート、おせんべい、クッキー、生クリームも少し、あとは……」
「……もういいです」
 止めたのは、ティエリア。
 正しい判断だ。これ以上言われたら次は怖くて渡すのも、飲むのもできなくなる気がする。渡す相手がハレルヤとかだったら、嬉々としてやるのだけど。
「えぇ?どうして?まだ塩や砂糖の話が」
「本当に止めてください!」
 ティエリアの絶叫が響いた。



次の被害者はあれです……マイスターズの中から出ます。
頑張って!主人公!
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