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雨シリーズとして続いていく予感です。あ、でも短編としても読めるかなとか。
今回は幸村と政宗。
「むぁさむねどのぉぉぉぉぉぉ!」
「…なんだ昼間っから騒々しい」
耳を両手で塞ぐ政宗の隣に、走って寄ってきた幸村は素早く腰を下ろした。
「お久しぶりでござる!」
「そうか?前からせいぜい一ヶ月だろ」
「十分に長いでござる!一ヶ月もあったら、団子が100本以上食べられるでござるよ!?」
「相変わらず基準はそれか」
「うむ!一生変わらないでござる!」
「そりゃぁ…」
何とも言えねぇ。そう言って呆れの表情を浮かべる政宗に、幸村は首を傾げた。何か変なことでも行っただろうか……考え直しても全然、そのような事はなかったと思うのだが。
うぅむと考え込んでいると、ポンと頭に置かれる手。
へ?と思わず顔を上げると、そこには先ほどからの呆れに加えて、苦笑の気配も漂う表情があった。
「妙に難しいことは考えなくても良いんだぜ?知恵熱出すだろ」
「なっ……某とてその様なことは…!」
「ねぇとは言い切れねぇんだろ」
「…多分、出来ると思うのだ」
「ほーう?じゃぁ絶対に出来ねぇな」
「まっ…政宗殿、酷いでござる!」
「事実だろーが」
そう言うと直ぐに、ふぁあ、と欠伸をした政宗はとんだ千客万来だ、と呟いた。
その言葉に困惑していると、さっき前田の風来坊がいたんだよ、と彼は言った。そうやって言いながらも、どこか眉を寄せてしまっている様子なのは、果たして何故なのだろう。会話の中で何か嫌なことでもあったのだろうか。
しかしそれを推し量るには、まだ何とも…自分は未熟者であって。
その話は、とりあえず飛ばす以外に道はなかった。
何か別の話、別の話と辺りを見渡してハッとする。
こう言うときは、それほど障りの無い天気の話、なんてどうだろうか。
「政宗殿、今日はよい天気ですが外には出ないので?」
「…Ah……今日は気分じゃねぇな」
「そうでござったか…ならば、土産に持ってきた団子でも一緒に!」
「腹減ってねぇ」
「う…で、では手合わせは!」
「I’m sorry.……悪いが、今日は遠慮させてもらうぜ」
「…何と」
その返事には、少しでなく驚いた。
同時に、気付く。
「政宗殿」
「今度は何だ?」
「…お元気が、無いのでござるか?」
「……何でそうなんだよ。気分だって言っただろ」
「ですが、全体的に元気が無さそうでござる」
「…全体的にか」
はぁ、と息を吐いて政宗は頭を掻いた。
「ンな風に言われちまうと返答しにくいぜ…」
「む…それは申し訳ありませぬ」
「いいや、謝る必要はねぇよ。気にすんな」
「承知いたした」
こく、と頷いて、ふっと、思い出す事があった。
政宗のいるこの部屋に来るまでに、感じた視線。
あまり好意的ではない気がするその視線は、この城では初めて感じるような物で。
「そういえば…政宗殿、現在、城に誰かいらっしゃっておいでか?」
「…母上」
「何と…ならば早速ご挨拶に伺わなければ!」
「は…って、やんねぇでいい!あの人には挨拶とかいらねぇから!」
「しかし…」
政宗の母親なら、いつも世話になっている分だけ挨拶しなければならないのではないだろうか。それが礼儀という物であるに違いないし、礼だけは欠かすなといつもお館様にいつも言われている。なのに、彼は挨拶をしなくて良いと言う。
どういうことかと疑問に思っている間に、思いだしたのはあの視線。
まるで…歓迎しない者が来たかのような目。その、歓迎しないという感情は、別に自分に向けられている物でもなくて、気にしたけれど気にとめていなかったが、あの感情の先はもしかして。
そして、そう考えてピンと来た。
来て……来てしまったら、目から涙がボロボロとこぼれだした。
「真田幸村!?」
驚いたのは政宗だった。驚愕とした表情と、呆然とした表情の間くらいの表情を浮かべてこちらを見る政宗に、申し訳ござらん、と震える声で呟く。
「しかし…某、どうしても涙を止めることが出来ないのでござる…っ!」
ボロボロ、ボロボロ、と。
涙は止まらなかった。
ただし、ピンと来たけど正確に把握は出来ていない感じ。曖昧だけど確かにあると知ってるような感じかな…。
「…なんだ昼間っから騒々しい」
耳を両手で塞ぐ政宗の隣に、走って寄ってきた幸村は素早く腰を下ろした。
「お久しぶりでござる!」
「そうか?前からせいぜい一ヶ月だろ」
「十分に長いでござる!一ヶ月もあったら、団子が100本以上食べられるでござるよ!?」
「相変わらず基準はそれか」
「うむ!一生変わらないでござる!」
「そりゃぁ…」
何とも言えねぇ。そう言って呆れの表情を浮かべる政宗に、幸村は首を傾げた。何か変なことでも行っただろうか……考え直しても全然、そのような事はなかったと思うのだが。
うぅむと考え込んでいると、ポンと頭に置かれる手。
へ?と思わず顔を上げると、そこには先ほどからの呆れに加えて、苦笑の気配も漂う表情があった。
「妙に難しいことは考えなくても良いんだぜ?知恵熱出すだろ」
「なっ……某とてその様なことは…!」
「ねぇとは言い切れねぇんだろ」
「…多分、出来ると思うのだ」
「ほーう?じゃぁ絶対に出来ねぇな」
「まっ…政宗殿、酷いでござる!」
「事実だろーが」
そう言うと直ぐに、ふぁあ、と欠伸をした政宗はとんだ千客万来だ、と呟いた。
その言葉に困惑していると、さっき前田の風来坊がいたんだよ、と彼は言った。そうやって言いながらも、どこか眉を寄せてしまっている様子なのは、果たして何故なのだろう。会話の中で何か嫌なことでもあったのだろうか。
しかしそれを推し量るには、まだ何とも…自分は未熟者であって。
その話は、とりあえず飛ばす以外に道はなかった。
何か別の話、別の話と辺りを見渡してハッとする。
こう言うときは、それほど障りの無い天気の話、なんてどうだろうか。
「政宗殿、今日はよい天気ですが外には出ないので?」
「…Ah……今日は気分じゃねぇな」
「そうでござったか…ならば、土産に持ってきた団子でも一緒に!」
「腹減ってねぇ」
「う…で、では手合わせは!」
「I’m sorry.……悪いが、今日は遠慮させてもらうぜ」
「…何と」
その返事には、少しでなく驚いた。
同時に、気付く。
「政宗殿」
「今度は何だ?」
「…お元気が、無いのでござるか?」
「……何でそうなんだよ。気分だって言っただろ」
「ですが、全体的に元気が無さそうでござる」
「…全体的にか」
はぁ、と息を吐いて政宗は頭を掻いた。
「ンな風に言われちまうと返答しにくいぜ…」
「む…それは申し訳ありませぬ」
「いいや、謝る必要はねぇよ。気にすんな」
「承知いたした」
こく、と頷いて、ふっと、思い出す事があった。
政宗のいるこの部屋に来るまでに、感じた視線。
あまり好意的ではない気がするその視線は、この城では初めて感じるような物で。
「そういえば…政宗殿、現在、城に誰かいらっしゃっておいでか?」
「…母上」
「何と…ならば早速ご挨拶に伺わなければ!」
「は…って、やんねぇでいい!あの人には挨拶とかいらねぇから!」
「しかし…」
政宗の母親なら、いつも世話になっている分だけ挨拶しなければならないのではないだろうか。それが礼儀という物であるに違いないし、礼だけは欠かすなといつもお館様にいつも言われている。なのに、彼は挨拶をしなくて良いと言う。
どういうことかと疑問に思っている間に、思いだしたのはあの視線。
まるで…歓迎しない者が来たかのような目。その、歓迎しないという感情は、別に自分に向けられている物でもなくて、気にしたけれど気にとめていなかったが、あの感情の先はもしかして。
そして、そう考えてピンと来た。
来て……来てしまったら、目から涙がボロボロとこぼれだした。
「真田幸村!?」
驚いたのは政宗だった。驚愕とした表情と、呆然とした表情の間くらいの表情を浮かべてこちらを見る政宗に、申し訳ござらん、と震える声で呟く。
「しかし…某、どうしても涙を止めることが出来ないのでござる…っ!」
ボロボロ、ボロボロ、と。
涙は止まらなかった。
ただし、ピンと来たけど正確に把握は出来ていない感じ。曖昧だけど確かにあると知ってるような感じかな…。
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