忍者ブログ
式ワタリによる、好きな物を愛でるブログサイト。完全復活目指して頑張ります。
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

360


360


 目が、開いた。
 その事実に違和感を覚えながら、アリオスは起き上がった。

「……?」
「あ…」

 ワケの分からない違和感に頭を振っていると、どこか呆然としているようなキュリオスの声が耳に届いた。

「…アリオス…直ったの…?」
「あ?直った?」
「だって……」

 どこか煮えたぎらない彼の言葉に、あぁと思い出す。
 そうだ。そういえば、自分はあの敵によって壊されて…。
 ……って。

「はぁぁぁぁ!?何で俺動いてんだよ!?有り得ないんじゃねぇのか!?」
「動いてるのにその物言いってどうなんだろうね…」
「アレルヤは黙ってろ!…有り得ない…有り得ねぇんだからな……」
「けど、ミレイナには直せたですよ?」
「…お前、が?」
「はいです。仕上げはまだですけど」

 ちゃんとやりました、と頷く彼女の、『仕上げ』という言葉に、ほんの少し嫌な予感を覚えた。

「…その仕上げって何だ」
「胸をちょっとだけ開いて、これを入れるですぅ」

 これ、と言って彼女が取り出したのは…透明な、水晶のような球体。
 ……ちょっと待て。

「えぇぇ!?ちょ、ミレイナ何でそれ入れてないの!?」
「はいです!何故なら入れるのを忘れていたんです!」
「いたんです、じゃねぇよガキ!てーかテメェはそれでどうして動いてんだ!?」
「俺の方が訊きたいわッ!」
「あ……有り得ない……色んな意味で有り得ないよ…」

 驚き慌てるアレルヤに朗らかに答えるミレイナ。ハレルヤはこちらに文突っかかってきたが、生憎とこちらのほうがそれは知りたいのである。キュリオスは、あまりに非現実すぎる展開に現実逃避を始めた。気持ちは分かる。

 つまり、全く動じていないのはミレイナと、ハロとHAROだけだった。
 少しは動じろ。

 というか、胸をちょっとだけ開いて、と簡単に言ってくれるが……それはどうやるんだ本当に。また胸の辺りに風穴でも空ける気か。ならば訊くが…どうやってだ。
 などと悶々と考えていたのだが、空けることに関しては問題なかったらしい。
 ミレイナはにこっとわらってハロを振り返ったのである。

「じゃあハロ、お願いですぅ」
「マカセテ!マカセテ!」

 そう答えるやいなや、ハロの口っぽいところが開いて(開くのかそこ…)出てきたのは……自分の見間違いでなければドリル、と称される物。
 まさか、とは思うのだが。

「…それで空ける気か……?」
「もちろんです!それ以外に手はないです!」
「いやいやいやいや、ちょっとミレイナもう少し色々と考えない!?少しじゃなくて良いから僅かでも良いから、ね!?」
「あああああアリオスちょっと逃げようね?逃げよ逃げないと危ない…」
「お前ら少し落ち着け」
 

PR
この記事にコメントする
お名前
タイトル
文字色
メールアドレス
URL
コメント
パスワード   Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
この記事へのトラックバック
この記事にトラックバックする:
カレンダー
02 2025/03 04
S M T W T F S
1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 31
カウンター
プロフィール
HN:
式ワタリ
HP:
性別:
女性
自己紹介:
ガンダム大好き生物。キャラも好きですが、機体も大好きです。実は(?)、今は軽く三国伝にすっ転んでます。
最新CM
[09/28 ナワ]
[06/15 オシロマミ]
[11/02 banana]
[11/02 式ワタリ]
[11/01 犬っぽい]
最新TB
バーコード
ブログ内検索
フリーエリア
忍者ブログ [PR]