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この二人のことも色々書いてみたいなぁ…なんて。
051:ひととき
「ラールっ!何か良いらしいワインが手に入ったんだけど飲むか?」
「訓練中に何を持ってるんだお前は!」
「大丈夫大丈夫。今は飲む気はないし」
どうだ?とボトルを持ち上げると、すっと自然な動作で取り上げられるそれ。
え?と思った瞬間に、コロネロの頭にげんこつが降ってきた。
「った!?」
「馬鹿者!今飲むとかそういう問題じゃないだろうが!」
「んなこと言われたって……ラル、訓練が終わったら直ぐにどこか行くだろ?」
「それが今とどんな関係がある」
「話しかける余裕とかないだろ、これじゃ」
そういうわけなので、訓練中だろうと関係なく、言いたいことがあって伝えたいことがあるのならば、その時その時に言わなければならない……と思う。だって本当に気付いたらいないのだから。自分とかをしごく意外にも仕事があるのだとは思うけれども。
訓練中というのは重々承知である。が、この機会を逃すと次は明日、なんて事にもなりかねないのだから。ちなみに場合によっては明日が明後日、一週間……なんてことも有り得るのである。
それなのに、今話しかけないでいつ話しかけろと言うのか。
「どうだ?俺の言うことにも一理あるだろ?」
「無い。終わった後直ぐに捕まえれば済むだろう」
「それが出来ないからこうやってんだって」
「出来ない?」
「そ。だから仕方ないって…」
「訓練不足だな」
そう言ったラルの表情の変化に気付いて、コロネロは慌てた。
まずい……このパターンは。
「ならば、捕まえることが出来るようにしっかりしごいてやる。特別コースでな」
「いや…ちょっとそれは…」
「遠慮する必要はないぞ?」
ガシッと肩を掴まれて、悟る。
知っていたけれど…絶対に逃げられない、これは。
アルコバレーノ前、っていうかんじで。